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名古屋西店
ライフスタジオの写真 2019分析 残したいもの
投稿日:2019/5/15
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Photo by Kaori Kobayashi
Cordi by Misaki Nakagawa
In YokohamaAoba
■撮りたい写真・・・
私たちは毎日写真を撮りながら、写真を通して、
相手と、そして自分と常に向き合い続けています。
これで完成、というゴールは無くて、
毎日の出会いに対して、毎日の“特別”を相手のために残していきたいと思います。
表現は無限大だし、正解はありません。
だけど、人を写し表現し残していく楽しさは、
そこに全てがつまっていると考えています。
自分の考えや視点と、技術と、表現と。
そしてそれだけではなくて相手のためにそれを出していくことができるから、
毎日新鮮で、日々自分が一歩踏み出しているような感覚になれるのです。
勿論ですが、楽しいと思う事と同じくらい悩むことも多いです。
悩むから、一歩踏み出せたときに、嬉しくて、楽しいのです。
悩むのは、自分も含め、人と向き合い続けている証拠です。
悩むことがなくなったら、止まっていることになります。
何度も壁はやってきます。
それはステップを踏み続けているからこそ。
それを自分自身で感じ、そして他の撮影者の考えや表現や悩みに触れながら、感じています。
作品作りではありません。
自分の思考も、相手の存在も、全てが合わさっての写真という形なのです。
正解はありません。
だけど人だからこそある感情や個性を組み合わせていくつもの表現が生まれていく過程は、
写真というものを使って人と向き合ううえでの魅力の一つであると感じています。
1人では、心は動かない。
1人では作れない。1人では生まれない。
思いが、考えが、“合わさって”たった一枚の表現が生まれると思います。
偉そうに言いながら、私だってそのすべてを知っているわけではありません。
だけど日々発見を自分の視点を、
目の前の人が知らない視点から見つけて残してあげることが出来たら、
と考えます。
■75カットの表現だからこそ
75カットの中にはいろんな表情を詰め込みたいと思います。
緊張している姿も、恥ずかしそうな表情も、楽しそうな笑顔も、
泣き顔も、少し成長を感じるような一瞬も。
表情はその人の姿を、個性を、感情を物語ります。
プラスして写真の構成要素でそれを際立たせていくのですが、
ライフスタジオの75カットは一枚で語ることも出来れば、
複数枚あるからこそ何かを“含ませる”ことができることもあります。
この写真から、どんなストーリーがはじまるのだろう?
想像させる一枚というのは、見る人の興味を引き寄せることも出来れば、
本人も知らない自分を想像することもできます。
■見えないからこそ、の表現
後姿は、自分では見えません。
そして表情が見えない分、いろんな想像を膨らませることができます。
私は彼女の姿を何年も見続けてきました。
屈託なく笑い、
兄や弟たちにも負けじと意見を述べる、強く、芯のある、女の子。
二年ぶりの再会で、驚くほど背が伸びて大人っぽくなったその姿にとても驚きました。
話し始めれば、最初に会ったころと変わらない笑顔で楽しそうに、
無邪気に笑い、私が知っている彼女でした。
話をしながら撮影を進め、いつもと変わらない時間が過ぎていきます。
もうお年頃なのできょうだいたちと絡むことに若干の抵抗を見せながらも(笑)
楽しそうに、みんなそっくりで、変わらないいつもの笑顔で撮影が進んでいきます。
2着目にドレスに着替えた彼女は、とても大人っぽく見えました。
きょうだい写真の[いつも通り]な姿からのギャップが凄く大きかったです。
10歳という節目。
少しずつ、大人になっていく、その後ろ姿を残したいと思いました。
まだ細く華奢な幼い肩に、くるくるとしっかり巻いてセットした髪の毛が下りて、
そのアンバランスさが、まだまだ子供だけど、少しずつ大人に近づいていることを感じさせ、成長を感じさせ、
まぶしくて、美しいことを表現するために、
彼女の後姿にかぶせて前ボケを入れて、淡く、美しく、まぶしい表現が出来たらと思いました。
もしかしたら、何かアクションをしてもらっても良かったかもしれません。
横顔が見えたほうが、よかったかもしれません。
だけど、力の抜けたその姿が、良かったのです。
何も気にしていない。
だけど、確実に変化と成長がそこにはあることを写しだし、
そこからまた彼女の表情を追いかけたかったのです。
この写真を本人がどのように思ったかはわかりませんが、
いつだって笑顔で、元気な彼女の、
いつもと違う姿を彼女が見えない角度から残せたことを、嬉しく思います。
家族と過ごして、喧嘩して、学校で学んで、遊んで、そして恋をして。
どんどん成長していく彼女の、これから先の姿もまた、残すお手伝いが出来たらと思いました。
出会った最初はコーディネーターとして、彼女たちを見守ってきました。
おととしからはカメラマンとして、向き合うようになりました。
前のカメラマンとは同じようには撮れないけれど。
“私だから見える姿”“表現できるもの”を最大限、
思い出と共に残せるように。
また会いましょう^^
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