Staff Blog
名古屋西店
2018写真分析21 誰のために、photogenicを目指すのか。
投稿日:2018/11/24
1352 2
Photo by Kaori Kobayashi
Cordi by Nastuko Takagawa & Sonoko Sakai
In YokohamaAoba
その子の魅力を見つけ出し、最大限引き出し、写し出す。
そのためには、その子に対して、
わたしが自身を投げ出してコミュニケーションをとる過程の中で、
彼女の最大の魅力を、自分の中で定義する必要があると考えます。
photogenic=良い写真
は、その過程があってこそ生まれるものだと思っています。
何だか難しいことを言っているようですが、とてもシンプルなことです。
目の前にいるあなたは、シャッターを切ることで、
光さえあれば写真としてどんな形であれ写し出すことができます。
笑ったり、泣いたり、怒ったり、緊張したり、不安になったり。
どんな表情も、どう写しても、もちろん、その子に変わりはありません。
どのように写し出しても、彼女は彼女であることに変わりはない、
のですが、
シャッターを切る私たち自身が、彼女の「何」を見て写真で表現したいかによって、
写真は変わっていくのです。
その為に私たちは技術を取得し、日々チャレンジをして、その子の魅力を写し出す為に、
その技術を使って表現を行うのです。
じゃあ魅力を探すために、観察をしよう!と一言で言っても、
ただじっと見つめていればいい訳ではありません。
彼女自身の色んな表情や特徴、
性格など色んなものを知る為には、
必ず自分自身を投げ出しながら相手から返ってくるものを受け取る、
コミュニケーションの投げ受けが必要になります。
それができなければ、はじめまして、を交わしただけでは知り得ないその子の魅力を知ることはできないのです。
だから自分を投げて、コミュニケーションを通して、その子を観察していきます。
コミュニケーションにマニュアルはないので、
投げて返してを繰り返しながら、距離感を考え、その子に対して万全のアプローチを探っていきます。
あたりまえですが、短時間で相手の全てを見ることはできません。
でも、自分がそのコミュニケーションを通して掴んだ情報の中から、
相手がどのような子であるかを規定して、その表現の為に準備をして投げかけ、シャッターを切っていく事は出来ます。
最初から100%そのようにできれば理想なのですが、
そうとも行かず、撮影の中でもその探る作業は続いて行きます。
ポーズを指定しながら、声をかけ動かしながら、その様子を観察していきます。
どの方向から、どんな表情が見えるのか?
新横浜店で大内さんに言われた言葉をいつも思い出します。
かわいい色んな表情や仕草の中でも、
どの瞬間、どの表情が一番彼女を表しているのか?
それを狙い続けないといけない、ということ。
技術的にバランスの良い構図、綺麗な光、可愛く見えるポージング、前ボケの効果など、
を学びますが、それを「何に」適応するかと言えば、
結局は相手の魅力を表現するための方法なのです。
だからこその過程を無くしては、技術をうまく適応することはできないのです。
写真の彼女について、お話しします。
7歳の七五三ではじめてライフスタジオを訪れてくれた彼女。
とっても可愛くて、本当にどこから見ても美少女!という感じ。控えめながらもおしゃべりもたくさんしてくれます。
カウンセリングから帰って来たなっちゃんに話を聞いても、「とにかくめちゃめちゃかわいいです!」という話しか出ない程、
もう本当に可愛くて。
一緒に撮影を手伝ってくれたのこちゃんは彼女の可愛さに
「いま、日本が揺れました!」と名言を残しました。笑
とっても素直で、お願いした事をあれもこれも、なんでも楽しみながらやってくれる彼女。
笑顔も可愛いんだけど、少しおすまし顔が欲しい時も、
「ここは、こう、ああ、疲れたなあ・・・っていう感じ」とか。
「あはは!めっちゃ楽しい~ってぶんぶんスカート振ってみて!」とか。
「ここはぐっとクールなかっこいい感じ!」とか。もうなんでも投げまくり。
イメージを伝えると100%やってくれるし、躍動感が欲しいときは思いっきり動いてくれたり、
1投げたら10も20も返ってくる、素晴らしいモデルさん。
そんなやりとりの中、彼女の可愛すぎるパーツひとつひとつに目を配りながら、観察します。
楽しんでくれているキラキラした瞳、
切れ長の可愛い形の瞳、
すっと通った鼻筋、
きゅっとあがる口元、
ここまでを見ると大人っぽく見えるんだけど、
まだまだ頬やあごのラインは丸みを帯びていて、
まだあどけなさが残っている7歳らしい部分に注目しました。
かっこいい表情も素敵だし、笑顔正面も勿論かわいいのだけれど、
ウキウキ、次は?次は?と楽しんでくれる様子と、先にあげた彼女の特徴を際立たせた一枚が撮りたい!!!と思いました。
キラキラした瞳にはスパンコールの前ボケで玉のような白い前ボケをかぶせて。
まるで少女漫画のスクリーントーンのようにキラキラ効果を入れます。
特徴を際立たせるために顔のラインにライトを当てていきます。
彼女とのやりとり、撮影の中でいろんな表情の彼女に出会い、
その中でも一番私がみた彼女の魅力すべてが凝縮された1枚になったと思います。
彼女だからこその一枚。
どんな表現も似合うけど、そのなかでも一番は、まだまだあどけない、まっすぐな瞳を輝かせているこの瞬間。
そんな風に思いました。
写真は何でも写し出してくれます。
見たままを写し出すこともできますし、技術を駆使して自分が写し出したい表現を可能にすることもできます。
だけど、そのシャッターの決定権はカメラマンにあります。
だからこそ、人を毎日とる私たちにとって、
相手を見つめる、魅力を常に探すこと、は使命であると、改めて感じました。
色んな写真や概念に触れながら、再確認したことも多くあります。
それが相手にとって見た事の無い自分の姿だったり、何かを感じてもらえたら最高です。
私たちが目指すフォトジェニックは、
大切なあなたの為のフォトジェニックであり、
私自身にとっても、自分の視点や思考を表し、
大切なあなたにメッセージを送る為のフォトジェニックなのです。
これからもその大事なことを忘れずに、人と向き合って、自分と向き合って。
出会いを大切にしながら、一枚一枚を大切に残していきたいと思います。
この記事をシェアする
サイト内投稿の検索
- トップ
- Staff Blog