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名古屋西店
2018写真分析18 変化を切り取る。
投稿日:2018/10/27
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Photo by Kaori Kobayashi
Cordi by Masaaki Ara
In Yokohama Aoba
彼女のことを、私は2歳の時から知っています。
彼女は、異性双子ちゃんの片割れ。
初めて出会ったときは七五三の撮影で、かたくなに着替えやヘアメイクを拒み、
周りをこれでもかというくらいの勢いで拒んでいました。
ちなみに彼女の相棒はどちらかというと結構何でも受け入れてくれるタイプで。
相棒よりも、きっといろんなものに敏感で、少しだけおませさんで、意志が強めだった、彼女。
あまりごまかしもきかなかったので、賢いな、と思いました。
このままでは楽しい撮影は出来ない・・・という判断により、先に2階で沢山遊んでカジュアルの撮影からスタートしました。
空気は和み、ふたりはとても楽しそうに笑い、一緒に遊ぶことを受け入れてくれました。
じゃあ、と思い、着物を着に行くのですが、やっぱり草履は脱ぎたいし、
さっきまで遊んでいた2階に行きたくてしょうがない。
泣いて泣いて、やだー!と叫んで、叫んで、、
なんだか、彼女にとってこの場所は【嫌な場所】になっているのではないか・・・
と心配していましたが、そんな心配をよそに、その次の年からも彼女は毎年ここへ遊びに来てくれています。
いつも楽しそうにぎゃははと笑い、変な顔をしたり、変なダンスを披露したり、、、
私は爆笑しながらも彼女を止めるのに必死でした。
そして昨年、はじめて彼女たちの撮影でカメラを持たせてもらい、
初めてファインダー越しに彼らを見ました。
いつも通りおおはしゃぎなのだけど、コーディで彼らと遊んでいた時とはまた何か違った感覚があり、
ああ、こうして、変化を切り取るのが写真なのだなと感じました。
勿論元気いっぱいの姿も収めつつ、ふとした瞬間の真面目な表情だったり、
頑張ってこちらの要望を聞き入れてくれようとしている姿勢だったり、
そういった、2歳の時から見ているけれど、
毎年、違った表情を見せてくれるのだ、と感じてからは、
今年もそういった【変化】を残したいと思いました。
彼女は毎年明るい色のドレスをチョイスしていました。
しかし今回は少し変化をつけたい、と、コーディで入ってくれた荒さんが、
彼女に黒を基調としたカッコいい大人っぽい衣装を選んでくれました。
それが決まった瞬間、イメージとしては一灯で少し露出の暗い、
影のあるイメージがどこかに入れられたら、、と思いました。
撮影がいざ始まると、彼女はまだまだとんでもなくおちゃらけモードだったわけですが笑
モデルスイッチを頑張って入れてもらい、ひとつひとつ動いてもらいながら変化の瞬間を探ります。
基本根が真面目なので、少し落ち着いたトーンで話しかけると、しっかり聞いて応じてくれようとします。
表情がわかるくらいに一灯の明かりが彼女の表情を照らす角度を探し、
髪の毛の流れと帽子のラインでバランスを保ちながら、横顔を切り取りました。
笑いたくて、おどけたくて、それでも一生懸命堪えているようなそんな表情に、
私は2歳の時に泣いて泣いてやだやだと叫んでいたころの彼女を思い出します。
少しだけ【撮られていること】を意識するようになり、
表情もどこか余裕が生まれ、
それでも楽しいことが好きで、この場所が好きで、
暴れたくてしょうがないもどかしさが彼女の中にはあります。
だけど私が撮りたいのは少し大人になった変化で、ちょっと違う彼女のイメージ。
影を多く写し出し、今までに無い、彼女の表情を写し出せたと思います。
明暗の【暗】を多く残すことで【明】の部分を強調します。
そうして狙わせてくれるのも、彼女の余裕であり、変化で、成長です。
影を多く残したのは、その表情を見せるための一枚だからです。
衣装も帽子も黒いので、目が行くのは一点になっていると思います。
毎日シャッターをきり、目の前の子のちょっとした変化を探します。
緊張の瞬間、頑張っている瞬間、楽しい瞬間、嬉しい瞬間、悲しい瞬間、怒った瞬間・・・
私の主観でしかないので、それが本当にその通りかはわかりませんが、
その瞬間を切り取る為の表現が、1枚、1枚、沢山つながった75カットが、
私たちが目指す75カットなのだと、改めて今、感じます。
大切な『今』を切り取る為に。
観察と、予測と、瞬発力と、表現力。
まだまだ高めて、子供たちの成長と共に、
自分もまだまだ成長し続けなければと思います。
次回はどんな表情を見せてくれるのか?今からとても楽しみです。
それを、ベストな表現で残せるように。
次に会うまでに、もっともっと。
私も成長していますね。
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