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名古屋西店
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2018写真分析16 影響を自分の変化に。

投稿日:2018/9/29

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Photo by Kaori Kobayashi
Cordi by Takumi Yoshizawa
In Yokohama Aoba

 

世の中は写真ブーム。

インスタグラムを覗けば、

たくさんのファインダー越しの世界が広がり個性は様々、表現も多種多様。

ひとつ【ライフスタジオ】という場所を覗いてみても、

本当に多くの撮影者の思いや考えがあり、そして表現がたくさん生まれています。

 

写真の基礎を習い、光の見方を覚え、構図を習い、露出を選び、技術を凝らしてシャッターをきっていく。

 

それを学ぶと同時に、目の前にいる【その人】に対してどんな表現を残したいかどうしてあげたいか、
各々の頭の中を考えが巡ります。

 

そんな風に毎日シャッターをきり続けていく中で、撮られていく写真たちには必ず【個性】があります。

被写体の個性はもちろん、撮影者の個性です。

撮影者がたとえば同じように「この子は元気な子だ」というように同じように考え、
その子を見ていたとしても、同じ写真は生まれません。

被写体のイメージや情報を受け取り、それをどのように写しだすかは、
技術はもちろん、撮影者の個性に委ねられるのです。

 

自分の世界観や固定概念のみにとどまっていると、
狭い【自分の世界】から抜け出せなくなることもあります。

 

私は【こばちゃんらしい写真】と言われると、嬉しい反面、
それがどの部分であるのかを常に探っています。

それは私だけではなく、長くカメラを持ち続ける人ほど、

常に、自分の写真とは【何か?】を探しているのではないでしょうか?

自分の写真とは「何」と、「言われたいのか」?
それが自分が目指すものになります。

今の自分に納得してしまえば、それ以上の成長は望めなくなります。

 

私は4月から横浜青葉店に戻ってきて、店舗の【写真】の分野を担当し、
皆の写真に常に目を通し、話をしたり、課題を作ったり、主導させてもらっています。

 

毎日毎日、みんなの写真を見ていると、本当に個性が良く見えます。

得意とするもの、特徴、個人の癖・・・

 

先月より共通の課題を設けるようになってからは、余計にそれが良く見えます。

なぜかと言うと同じ課題で取り組み方も出来上がる写真も個性があってみんな違うのです。

そこから、もっとこうしてみたら・・・
なんてみんなで写真を見ながら話をするのですが、そうやって他の人の写真や癖や要素を見ていたり、
一緒に撮影に入ったりすると、自分の【安定】していた固定概念から抜け出せるようなきっかけがこぼれていたりするもので、
自分になかった要素が自分の中に入ってきます。

自分には無いものを、ないものねだりするだけではなく、無いものは取り入れていくだけ。

そして互いに吸収し合いながら、良い情報は共有して、悪い癖は互いに見直しながら、
少しずつ世界を広げていく。
それだけでも違った世界が見えてくるものです。

 

さて、そんな風にいろんな写真を見ながら、
私の中に入ってきた新しい要素は、少し露出がアンダー目の写真です。

 

私の写真はどちらかというと明るい写真が多かったのですが、
青葉に来て、色々な写真を見る中で、五明さんの個性的な角度や瞬間の狙いと、
それをどう写しだすのかという部分に非常に影響を受けました。

75カットの多彩な表現の中に、静と動を兼ねそろえており、
毎日原本を見ながら、ああ自分に無い要素だなあと感じることが多くありました。

ただ見て影響を受けるだけではなく、
何故、この露出、光、角度の狙いが、良いなと思えるのか?を考え、
「良い理由」を見つけることが出来て、初めて自分の中に取り入れることが出来ます。

 

 

今回の撮影では、2年ぶりに再会した女の子のハーフ成人式でした。

前回は、まだあどけない笑顔を見せていて、幼さが残っていた彼女。

廊下で再会した瞬間、目を見張りました。

髪が伸び、背が伸び、顎ラインがしゅっとしていて、、、

あまりに大人っぽくなっていて、、とても驚きました。

だけど、会話していく中でまだまだあどけないかわいらしい彼女の性格が垣間見え、
それでもヘアメイクや衣装で大人っぽく、ちょっと戸惑っている彼女を見て、
このまだまだ変化の途中で、少し背伸びをしているような、そんなときの、ちょっとした「変化」を残せたらと思いました。

「ちょっとした変化」を「ポイントになる光」で表現してみたいなと思いました。

スタジオはこの日とても暗く、そんな日ほど外光が入らないため、光の作り方、当て方で写真の表現がぐんと広がります。

彼女の横にライトを置き、サイド光で全体やしぐさ、
正面からのクローズアップを撮り、自分が角度を変えて逆光の位置に回り込みました。

少し節目になってもらいながら、その雰囲気を観察します。
ライトは近づけすぎず、露出設定も明るくしすぎず、
わずかに表情が見えるようなポイントに光を入れて、横顔を撮影しました。

サイド光でポイントをぴしゃっと作るよりも、柔らかく、
わずかにぼんやり彼女の表情を照らす程度に入れながら、
その「ちょっと変化した」「ちょっとだけ、大人になった」内側の変化を表現できたらと思い、
このように写しだしました。

 

私がそのように表現しようと思ったのは、自分の視点や考えと違う誰かの視点や表現に触れ、
「それが良い理由」を探し続けてきたからだと思います。

自分が思い描くイメージに対して、条件設定をするときに、
それが頭の中に浮かび、自分の表現となり、表に出てきます。

 

自分自身で変化を多彩に生み出せたのなら、私はセンスの塊で天才なのだと思いますが、
残念なことに私はどちらかというと「コツコツ努力あってこそ実を結ぶ」タイプのようなので、
それならば、沢山生み出されている表現の「良いところ」を、
余すことなく自分のものにできるように貪欲に吸収し、出していけたらと思います。

 

影響を受けることは「受け身」なだけでは何も変わりません。

影響を「変化」にするためには、
思考し続け、写真の理由を探る事と、
実践が伴って初めて、自分の中に影響を与えた、と言えるのだろうと思いました。

 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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