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名古屋西店
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2018写真分析14 モノクロ視点

投稿日:2018/8/24

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Photo by Kaori Kobayashi
Cordi by Manami Saito 
In Shinyokohama

 

モノクロの写真には、必ずモノクロである理由があります。

モノクロの写真とは?なんて調べてみると、

“白から黒までの階調を美しくつないだ写真”

という言葉が出てきました。

光のコントラスト、写るものすべての色味の濃さだったり、その配色のバランス、
すべてが白から黒までの階調で表現され、
そのバランスでイメージを統一したり、
表現したいものを際立たせたりすることができます。

逆を言えば、何も考えずに、普段目で見ている情景をそのまま、ただ闇雲にモノクロを選択した場合、
色味がなくなっただけになってしまうと、
実際に目で見た情景と同じカラーのほうが魅力的に見えたりするものです。
何故かというと、“色”は目で見た上で最大のイメージ、構成力になるからです。

どんな写真の表現においても、何を映し出したかったのか?が明確であることが必要だと思いますが、
モノクロはモノクロの良さ、美しさをうまく利用しなければ、
残した一瞬の魅力を下げてしまうことになり兼ねません。

 

モノクロであるからこその理由。

それはカメラの設定をモノクロモードの切り替える瞬間にいつも頭の中をぐるぐるとめぐっています。

カラーであるときも、同じように構成要素をひとつずつ見ていくのですが、

その視点を“モノクロ視点”に変えて、
光の選択、背景や小物、服の色味、配置、ポーズ、表情、、、
“モノクロ視点”で、ひとつずつ選択して、整えてシャッターを切ります。

今回イメージがよぎった瞬間は、衣装を着替えた姿を見たときでした。

この衣装より先に、彼女たちはかわいらしいスカートを着こなしていました。

そのスカートは彼女たちが選んだもので、それに合わせてコーディネーターで入ってくれたまなちゃんが小物をチョイスし、
かわいらしく、そして少し大人っぽくコーディネートが完成しました。

ちょっとだけ、背伸びをしているような、そんな雰囲気。
そこから、パンツスタイルに着替えて、
さっきまでスカートで女子モード全開だったところから、
動きやすそうに嬉しそうに元気にはしゃぐ二人を見た瞬間に、
この写真のイメージがよぎります。

洋服、そしてそれに合わせた小物の色味だけを見ても、モノクロには抜群のバランスであると思いました。

そしてこの場所を選択。

手前と奥の露出比により、白から黒へのグラデーションを作り出し、奥行きと立体感を出します。

色味のコントラストを強く設定する事で、より白と黒のバランスを際立たせます。

小物の色味、洋服の色味、素材、柄、手前の壁の質感・・

すべてが白と黒で表現されることによって元々の色味よりも一層際立ち、絵の統一感が出ます。

 

後は彼女たちにどんな風に今撮りたいのかを具体的に伝えてみました。

今、ちょっとかっこよく撮りたいから、こんな感じで立ってみて?と。

ポーズに表情も付けて見せます。私もなりきります。

すると演技上手な彼女たちはうまくそのイメージを組んで、きゃはきゃは笑っていた笑顔は一変し、クールな表情になります。

硬くなりすぎないように、コーディのまなちゃんが声をかけてくれます。

彼女たちは反応し少し微笑みつつも、
私が“こんなイメージだよ”と伝えた雰囲気を壊さないよう、なりきってくれていました。

私は撮影時、あまり被写体の体を触って向きを細かく指定したりする事はありません。

言葉が足りず、コーディがうまく誘導してくれることもあるのですが、
できるだけ言葉や自分がやって見せて、それを相手がどうやってやるのかに身を任せている事が多いです。

もちろん予想外の動きになったり、崩れてしまったり、写真には写せないようなことになったり様々ですが、
それをキャッチしてもらえた瞬間、私は“意思疎通”の写真表現になると自分では思っています。

私は言葉の表現も、伝えることも、体現する事も、すごく上手なわけでは在りませんが、
“伝える力”というのはこういった撮影の中でも現れてくるものだなと思うのです。

“撮影を楽しむ笑顔が可愛い彼女たち”と“なり切ることも楽しんでくれる彼女たち”の色んな側面を表現したくて、
今回75カットの中にこのようななりきりな一枚が含まれました。

撮影中、1投げたら5返してくれるような彼女たちの魅力にたくさん楽しませてもらい、
撮影を終わりたくなくなるくらい、無我夢中でした。

相手が何にどんな反応を返してくれるのか?それもまた撮影のひとつ楽しみ方であり、表現につながります。
あとはそれをうまくキャッチしてどうやって表現技術につなげ映し出していくのか。
これはカメラマンである私たちの使命です。

そのひとつの方法として、今回のモノクロ、があります。

 

私の仕事は、シャッターを切るだけではないんだな。
 

通勤している途中、バレー部の中学生の背中にはこんな言葉。
 

“人間的成長なくして技術的成長なし”

 

それを何年も続けるこの現場で、再確認している今日この頃です。

 

 

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