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名古屋西店
2018写真分析10 惹く、魅力
投稿日:2018/6/27
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Photo by Kaori Kobayashi
Cordi by Natsuko Takagawa
In Yokohama Aoba
『一目見ただけで、惹きつけられる』
そんな写真を目指しています。
惹きつけられる写真とは、
『魅力が最大限、表現されているもの』
だと考えます。
たとえば何か物を撮るとしても。
そのものが一番魅力的に写る角度、光、露出、表現で。
景色を撮るとしても、一番美しく見えるポジション、どこからどこまでどのように配置して撮るのがベストかを考えて。
撮影者の視点で『見せたい魅力』を最大限、表現できるように、技術を駆使して撮影します。
写真は撮影者の視点と、技術、イメージ、表現力でしか、写真は残せません。
シャッターを切っているのはカメラマンです。
だからこそ、カメラマンは自分の視点“だけ”では、表現が広がらないのです。
コーディの視点、お客様の視点、カメラマンの視点。
視野を広げ、たくさんの角度から相手を見て、いろいろな情報をヒントに、
自分の頭の中の表現を広げ、シャッターを切ります。
それが自分だけの枠に当てはめない、表現ができる人の条件であると思います。
毎日のように人に出会い、毎日のようにシャッターを切っています。
この仕事をし始めて、人との出会いと、表現を残す、ということが私の一部となりました。
技術や表現に試行錯誤頭を悩ませ、毎日会う目の前のあなたの表現をどのように残していくのか、いつも課題であり、自分の使命だと感じています。
技術や表現の方法を学びながら、いろいろ自分の中でレパートリーが広がっていきます。
そして、条件に合わせながらその中からひとつ、ふたつと、引き出しからレパートリーを引っ張りだし揃えては、写真を構成していきます。
イメージが無ければ表現方法を引き出しから引っ張り出すことはできません。
ではイメージを作るために沢山の写真を見ます。
沢山写真というものがあふれ残るこの世の中。
表現も様々とても広い世界があります。身近なカメラマンの写真たちもそうです。
広い表現の世界の中で、自分は自分の世界観だけではなく、
その子の今一瞬を残せるようになりたいと思います。
ただ、はじめたってたった数分でその人のすべてを理解することはできません。
話をして、観察をして、その中からヒントを得て、頭の中にあるイメージにつなげていきます。
そしてこれだ、と思う一瞬は、私が見た視点から、それをどのように捉えていくのかが重要です。
全てが揃った、息をのむ瞬間。
『一目見ただけで、惹きつけられる』
シャッターが切れるのです。
まっすぐ見据えるその目が素敵だと思いました。
はじめて会ったときから、彼女はとても積極的でとてもおしゃべりで、明るい女の子でした。数年たち、すっかり大人っぽくなった彼女のその視線を、とても強く感じました。
それでもまだ、家族と一緒に話すときには昔のような屈託の無い笑顔を見せてくれて、驚くほどに家族みんなと仲の良い姿を見て。
変わらないものと、変わったもの、両方の視点から彼女の表現をしたいと考えました。
ひとつひとつの指示に応えながら、時に家族や私たちとの会話に笑顔を見せながら、撮影するわたしと対峙してくれる彼女。
ふと頭によぎったイメージは、
“五明さんが撮るクローズアップの写真”
“あかねさんが撮るクローズアップ時に使う前ボケが綺麗な写真”
“前回自身で撮った工藤さんの写真”でした。
とても身近で、いつも見てきた写真です。
私の写真は「安定的」で挑戦的な写真や距離感の写真はあまりありませんでした。
ただ、色々な角度から写真という表現の刺激をもらい、人と写真の話をすることが増え、自らも写真に対して人と向き合う事を課題としてプロジェクトにした結果、
私が今まで撮ったことのない表現でシャッターを切ることが出来ました。
これは、ひとつの表現にすぎません。
だけど、“彼女の何を”表現したかったのか、意図のある一枚になりました。
【彼女の意志の強い瞳】の魅力でした。
それは目という身体的特徴の“変わらない”魅力であり、
成長を物語る“強さ”“大人っぽさ”でもあると捉えました。
スタイルが良い彼女の全身や仕草をポージングや目線を誘導し、追いながら、
目が合った瞬間。
私は前ボケのレースを持ち、
“そのままで!!!!”と彼女に近づきました。
数日前に、あかねさんと写真の話をしました。
“内容に沿って、形式を決めた写真が、良い写真だ”
技術がいくらあっても。どんなに形が美しくても。
挑戦的で、見たことのないようなものでも。
目の前の「あなた」のための表現、という内容が一致していなければ、ただ形が美しいだけの写真になってしまいます。
自分の中で、それをどのように一致させ、シャッターを切ることが出来るのか。
それが出来たとき、私は、私が目指す“撮りたい写真”を撮ることが出来るのだと感じました。
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