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名古屋西店
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2018写真分析9 音楽のように
投稿日:2018/5/25
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Photo by Kaori Kobayashi
Cordi by Reiri Kuroki
In Yokohama Aoba
広い画の、いわゆる引き写真というものは、多くの構成要素を含み、
尚且つそれが調和されている状態で無ければならないため、
人物主体で撮られる写真よりもより隅々まで注目して撮ること、
写り込んだ一つずつの構成要素の意味を考えることが、課題となります。
たわいもない遊びや会話の流れで、
その子らしさを追求しようとあの手この手で遊びを提案し、
彼の魅力的すぎるマイワールドに大人たちは負けじと応戦。
まだまだ幼い彼のマイペースに負けないぞとばかりに、
一緒に撮影に入ってくれたれいりさんは彼を楽しませつつ誘導してくれていました。
私はというと、同じように負けじと声を発し、
さてどこでどうしようか?と頭を悩ませます。
目の前の被写体に夢中になればなるほど、楽しければ楽しいほど、
そして必死であれば必死なほど、人に近くなっていきがちな私たちの撮影スタイル。
それは一瞬を余すことなく撮り逃したくない気持ちと、もっと近づきたい気持ちがそうさせるのですが、
時にはふと冷静に状況を判断しなければいけないときもあります。
音楽のように、静かなイントロ部分があれば、盛り上がりまでのメロディーがあって、
そこで最高潮に盛り上がりを見せるサビとなる音楽があるように。
75カットの流れにもそういった一枚一枚に意味を込めた流れを作ることが欠かせません。
ちなみに、この音楽で例えて教えてくれたのは、
湘南にいた黒木さん(夫)。
あれは何年前だったか、新横浜店で一緒に撮影をして、私の写真はどうか尋ねたところ、
きれいで安定しているけれど、こう流れがあったほうがもっと良いんだよ、
音楽のように、、、と熱く教えてくれました。
静かな瞬間もあれば、勢い最高潮な瞬間もある。
それはまさに人の見逃してしまいがちな一瞬を写しだすものなのだと思いました。
そうしてつくられた75カットは静と動の両方があることで、
1カットの意味、そして75カットの流れが際立つのだと考えています。
さて、そういったことを頭で冷静にこのとき考えていたかどうかは、
覚えていないのですが(笑)
あくまで一呼吸ついて、落ち着いて“静”の瞬間からスタートさせようと、
ここに誘導したのではないかと思います。
あのあたりからスタートしよう、という声掛けで、
コーディのれいりさんが彼をInteriorの壁付に誘導し、1枚を広く狙います。
大きな窓越し、光も窓から入る光源で逆光。
とくにこだわりがいる配置ではありませんが、
ここでどこからどこまでを入れるかがポイントになってきます。
三分割構図にしたときにメインになるのは彼と目線としぐさが引っ張られる白い棚、
と大きな窓。
水平垂直を保ち、被写体と反対側には同じ色味の黒いラックの小物を配置。
大きな白い窓に反して黒い被写体、小物を下に置くことで、全体の画のバランスが整い、
色味の比重としても下に重さが来るので安定感が出ます。
壁際なので平面的な画になってしまうところに、カーテンで前ボケを入れます。
被写体と反対側に入れることで小物の色味を柔らかくして、
被写体よりも目立つのを防ぎます。
また平面で水平垂直がよく分かる線が多いこの場所に、
カーテンの柔らかい素材と流れるような曲線で画に奥行きと柔らかさをプラスさせます。
副主体となる小物や前ボケ、光などのバランスは、考えすぎるととても複雑になりますが、
構成要素として何が足りないか?何がいらないか?
それを構図にあてはめて、場所のイメージと写しだしたい被写体のイメージに合わせて、
足したり引いたりが必要です。
この場所は特に複雑な場所ではなく、構成要素もシンプルです。
でも、ひとつずつ考えてみると、
この前ボケがなかったらどうなるか?反対側にラックが無かったらどうなるか?
もっと寄っていたらどうなるか?
すべてに意味があり、一枚が成り立ちます。
75カットを撮りながら、一呼吸を置いて静かに見つめる。
そんな写真からはじまり、大笑いのクローズアップで終わるのが、私の理想の原本です。
余すことなくその子の魅力を、一瞬を残せるよう。
視野を広げることと、余裕を持つことと、そのための準備をして出来る限り100%を目指せるような撮影者でいたいと思います。
Cordi by Reiri Kuroki
In Yokohama Aoba
広い画の、いわゆる引き写真というものは、多くの構成要素を含み、
尚且つそれが調和されている状態で無ければならないため、
人物主体で撮られる写真よりもより隅々まで注目して撮ること、
写り込んだ一つずつの構成要素の意味を考えることが、課題となります。
たわいもない遊びや会話の流れで、
その子らしさを追求しようとあの手この手で遊びを提案し、
彼の魅力的すぎるマイワールドに大人たちは負けじと応戦。
まだまだ幼い彼のマイペースに負けないぞとばかりに、
一緒に撮影に入ってくれたれいりさんは彼を楽しませつつ誘導してくれていました。
私はというと、同じように負けじと声を発し、
さてどこでどうしようか?と頭を悩ませます。
目の前の被写体に夢中になればなるほど、楽しければ楽しいほど、
そして必死であれば必死なほど、人に近くなっていきがちな私たちの撮影スタイル。
それは一瞬を余すことなく撮り逃したくない気持ちと、もっと近づきたい気持ちがそうさせるのですが、
時にはふと冷静に状況を判断しなければいけないときもあります。
音楽のように、静かなイントロ部分があれば、盛り上がりまでのメロディーがあって、
そこで最高潮に盛り上がりを見せるサビとなる音楽があるように。
75カットの流れにもそういった一枚一枚に意味を込めた流れを作ることが欠かせません。
ちなみに、この音楽で例えて教えてくれたのは、
湘南にいた黒木さん(夫)。
あれは何年前だったか、新横浜店で一緒に撮影をして、私の写真はどうか尋ねたところ、
きれいで安定しているけれど、こう流れがあったほうがもっと良いんだよ、
音楽のように、、、と熱く教えてくれました。
静かな瞬間もあれば、勢い最高潮な瞬間もある。
それはまさに人の見逃してしまいがちな一瞬を写しだすものなのだと思いました。
そうしてつくられた75カットは静と動の両方があることで、
1カットの意味、そして75カットの流れが際立つのだと考えています。
さて、そういったことを頭で冷静にこのとき考えていたかどうかは、
覚えていないのですが(笑)
あくまで一呼吸ついて、落ち着いて“静”の瞬間からスタートさせようと、
ここに誘導したのではないかと思います。
あのあたりからスタートしよう、という声掛けで、
コーディのれいりさんが彼をInteriorの壁付に誘導し、1枚を広く狙います。
大きな窓越し、光も窓から入る光源で逆光。
とくにこだわりがいる配置ではありませんが、
ここでどこからどこまでを入れるかがポイントになってきます。
三分割構図にしたときにメインになるのは彼と目線としぐさが引っ張られる白い棚、
と大きな窓。
水平垂直を保ち、被写体と反対側には同じ色味の黒いラックの小物を配置。
大きな白い窓に反して黒い被写体、小物を下に置くことで、全体の画のバランスが整い、
色味の比重としても下に重さが来るので安定感が出ます。
壁際なので平面的な画になってしまうところに、カーテンで前ボケを入れます。
被写体と反対側に入れることで小物の色味を柔らかくして、
被写体よりも目立つのを防ぎます。
また平面で水平垂直がよく分かる線が多いこの場所に、
カーテンの柔らかい素材と流れるような曲線で画に奥行きと柔らかさをプラスさせます。
副主体となる小物や前ボケ、光などのバランスは、考えすぎるととても複雑になりますが、
構成要素として何が足りないか?何がいらないか?
それを構図にあてはめて、場所のイメージと写しだしたい被写体のイメージに合わせて、
足したり引いたりが必要です。
この場所は特に複雑な場所ではなく、構成要素もシンプルです。
でも、ひとつずつ考えてみると、
この前ボケがなかったらどうなるか?反対側にラックが無かったらどうなるか?
もっと寄っていたらどうなるか?
すべてに意味があり、一枚が成り立ちます。
75カットを撮りながら、一呼吸を置いて静かに見つめる。
そんな写真からはじまり、大笑いのクローズアップで終わるのが、私の理想の原本です。
余すことなくその子の魅力を、一瞬を残せるよう。
視野を広げることと、余裕を持つことと、そのための準備をして出来る限り100%を目指せるような撮影者でいたいと思います。
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