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名古屋西店
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2018写真分析6 ひとつずつ、少しずつ。

投稿日:2018/4/12

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Photo by kaori kobayashi
Cordi by kazuma gomei
in YokohamaAoba

何故、写真を撮るのですか?
何が、良い写真だと思いますか?
どんな、写真が撮りたいですか?
 
ライフスタジオに入社して早6年と9か月。
それまで「写真」という分野においてほとんど関わることなく生きてきた私ですが、
この会社に入社したその日から、
自分と、人と、店舗と、会社と、写真と、向き合ってきました。
繰り返される質問に、最初は戸惑っていました。

私にとって写真は、学び手に入れた、唯一人に対して自分が残せるもの、提供できるもので、
唯一私が誰かに何かが出来ること、だと思っています。
勿論、空間、コミュニケーション、接客、環境づくり、、、
1から10までの全てが揃ってこその写真という結果物ですが、
その確かな『何か』を『あなた』に残すことが出来ることが、
私にとってはとても大きな事でした。
 
そして繰り返される質問に対して、私はいつも必死でした。

技術が無ければ表現は出来ないし、
表現したいイメージが頭の中に無ければ、技術を持っていても表せない、と。
写真の課題はいつもあふれていました。挑戦することもあれば、見直したり、
自分のスタイルを崩したり、
また立て直したり。

でもどれだけ努力しても、この質問に対して明確に答えが無ければ、
自分の軸にはなり得ないことを知りました。

≪あなたは、写真で、何を撮りたいですか?≫

私は、相手の魅力を引き出し、日常の中で見逃してしまう瞬間を切り取りたい、残したい。
と答えます。

そうすると、そのために何が必要であるかを考えるようになります。

私は、撮影の空間が好きです。
張りつめた緊張感がほぐれていき、最高に楽しい思い出の場になる事。
人と、一歩、また一歩と近づいていく、撮影。
楽しい撮影空間の中で、いつでも素敵な瞬間はこぼれています。
それを救い上げるためには何が必要か?

私は“表現力”だと思っていました。
その為、沢山の写真を見て、真似して、イメージを広げる努力をして、
それに必要な技術を模索し、基礎を見直しました。

でも、大事なことが抜けていました。
それは自分自身がとても≪受動的≫な撮影をしていたことです。
私が残したい瞬間は、いつどのタイミングで訪れるか分かりません。
そのため、シャッターを切る瞬間、偶然的にその瞬間がうまく残ればGOOD。
でも、その確率はかなり低いのです。
それは自らその瞬間を引き出したり誘導したり、予測が出来ていないから、
どれだけ技術や知識や表現力を持ち合わせていても、最高な0.0000….1が、残せない。
そんなジレンマがありました。
その子らしさ、自然、楽しい空間、はあふれています。
だけどその中で「待っている」受け身のスタイルを、
私は一番に崩さなければならないと思いました。
今のスタイルであっても、楽しい瞬間は切り取れますが、
自分が残したい写真を規定したことで、自分の中の課題がまた明確になったのです。

見えたものを表現するのではなく、見ようとすること。
それは『観察』であり『コミュニケーション』を変える必要があります。
その情報の中から、相手に『テーマ』をつけて、自分の中で撮影を組み立て、楽しい空間を作り上げながら、予測の範囲の中で誘導をしていき、シャッターを切る瞬間を『つくる』こと。

私は自分のプロジェクトを通し、自分の課題を明確にしました。
ただそれがプロジェクトの中のひとつの撮影方法、なのではなく。
日常の撮影においても、自分の中の撮影スタイルをつくりあげていきます。
しかし、いきなり全部をスタートして100%をつくりあげるのは簡単ではありません。
段階を踏む必要があります。
 
4月から、横浜青葉店に異動になりました。
2013年7月から、2017年3月まで、一番長く、在籍していた店舗であり、私にとって特別な店舗でもあります。
ここへ異動を希望したその瞬間から、『戻る』ではなく『新しいスタート』をイメージしていました。
それは、私が店舗を抜けてから、
今のメンバーが作り上げてきた青葉の文化や撮影、関係、細かな変化が、
たくさんあふれていることを知っているからです。
そして、私自身も変化があったと思います。
戻る、ではなく、新たな姿を、見せていかなくてはいけない。

それが、私が青葉に異動すると決まったときに掲げた、まず第一の目標でした。
 
では、何から学び、見せてく必要があるかを考えます。
大きく二つ、店舗での役割と、自身のやるべきことを、進めていく過程と結果を見せていくことです。
店舗の役割として、メインとして担当することになったのは写真でした。
自身のプロジェクトも写真であり、これを手段として、私は前に進まなければいけません。
 
では、何から始めようか?と1週間探りながらスタートを切りました。
この1年で生まれた青葉の写真は、私にとっては刺激となりました。
それは長年この場所にいたが故に身に染みている固定概念を崩す視点となったのです。

青葉のいまの写真と、新横浜で大内さんに学んだこと、そして私の課題。

それらを頭の中でぐるぐると駆け巡らせながら、撮影をします。
すぐに、私の中に青葉店という撮影空間として見ている視点に固定概念が強くあることを思い知らされます。
それが悪いわけではありませんが、
自分が課題とした『良い瞬間を自ら作り出していく』ことに対して、
まずはそれを変える必要があると感じました。

かといっていきなり何か違うことをやるのは難しい。

私が始めたのは、
『少しだけ視点を変えること』と、『今ある固定概念を最大限整えること』です。
この場所はこう撮る、と定番化されたもの。
それは自分が『一番最適だ』と撮って培われてきたバランスや光、構図。
それをもう一度見直しいきます。
そして、作り上げるための前段階として、『観察』をして、視点を変えていきます。

家族、その子、性格、顔の特徴、身体の特徴、仕草、身に着けているもの、空間、光、、、

新しい挑戦を一気にするのではなく、
定番として自分の中にあるもののひとつひとつを細かく『見る』こと、
本当に最適か、『考える』ことからはじめます。
 
とっても元気な女の子が来ました。
お兄ちゃんも負けず劣らずの元気さで、明るいママと穏やかなパパと一緒にご来店。
実は彼らはライフスタジオ4回目のご来店だったのですが、
一番初めの撮影時に私がアシスタントとして撮影に入っているご家族でした。
もしかしたら覚えてないかなあと期待をしつつご挨拶に伺うと、
「こばさんですよね!?」と言っていただけて、なんと3年ぶりにもかかわらず、覚えててくださいました。
当時はまだ赤ちゃんだった妹ちゃんも大きくなりふくふくBABYではなく、女の子になっていました。
かわいいワンピースを着て部屋に入るやいなや、
ホリゾントの部屋をごろごろとしてきゃはきゃは楽しそう。
元気で人懐っこくて、顔を上げてあははと笑う笑顔はお兄ちゃんにそっくりです。
はじめましての五明さんに一瞬でふたりとも懐き、妹ちゃんに至っては全体重を五明さんに預け寄りかかるか飛びつくか、もうそれはそれは面白い光景でした。

この時点で何かを指示して、ポージングから崩す、という一瞬を狙う、
というよりもしぐさの中の一瞬を予測して撮影する瞬間が多くなることを頭で察します。
では、そのなかで自分が何を探っていくのか。

自然に遊ぶ楽しい中で、一瞬の「静」を撮る事。それをテーマにしました。

よく撮る場所に座らせて、横顔を撮るために五明さんに正面から目線を引いてもらいます。
持たせてもらったお花でえいえいと楽しそうに笑う笑顔。
時間が10あるとしたら9.8くらいはこの場を楽しみ笑顔100%、いたずら心100%、ママやパパに怒られてもお構いなしってくらいに楽しんでくれる彼ら。
それでもその一瞬は訪れます。簡単です。一番楽しそうな瞬間に、声掛けをした『瞬間』を狙います。
声掛けをした2秒後にはいつもの笑顔に戻るので、声掛けをして「え?」ってなった瞬間を狙います。
いつも撮りなれた場所で、いつも使う前ボケ。
茶色の格子を、ちょうど表情よりも下あたりに配置し、表情に目が行くようにします。
右端の緑は、葉っぱとして写しだすよりも色味として入れて鮮やかをプラスします。
前ボケの効果により、目が行く場所を強調すること、単調になりやすい平面的な場所に奥行き、深みを出すことができました。
そして前途して狙った0.1の静を捉えます。

≪何を狙うか≫+≪いつも撮る場所で何を条件として使うのか≫

これだけを頭に常に入れるだけで、
固定概念は「確認」と「修正」を測ることが出来、
それが整った後、また違う挑戦が出来るようになると考えています。
 
同じ場所でも出会う人たちは同じではありません。こどもたちも成長するし、
そして自分も成長をします。しなければいけません。

この場所で自分が撮りたい、魅力の表現や一瞬を捉える力を、軸から見直しながら質を高めて、
確信をもってこの写真を撮りたかったのだと、言えるように。
進んでいきたいと思います。
 
 

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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