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名古屋西店
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2017写真分析17 観察
投稿日:2017/10/31
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彼女との出会いは、私に変化と自信をもたらしました。
そして3年後の再会。私にまた新たな変化と視点をもたらしてくれました。
ありがとう。出会いに、感謝です。
そして3年後の再会。私にまた新たな変化と視点をもたらしてくれました。
ありがとう。出会いに、感謝です。
彼女との再会については、以前ブログに書かせて頂きました。
https://www.lifestudio.jp/?run_id=staf_blog&bs=staff_blog&po_u_seq=731&po_seq=150733
大切な再会の日であるからこそ、その時間のすべてを写真に詰め込めるように、
私は写真の主題のキーワードである“観察”を頭に置きました。
久しぶりに再会した彼女をまず観察。
恥ずかしがりやで、照れた表情で常に私たちと向かい合い、ほっとした表情をして笑うとき、いつも目線の先には同じように笑顔で笑っているママさんがいました。
はじめて会ったときも、きゅっと結んだ口元、緊張に揺れる大きな瞳が印象的だったことを今でも覚えています。
まじめでしっかりした性格の彼女、お願いすればどんな要求にもこたえてくれるのですが、彼女の肩の力が抜ける瞬間を探しました。
ママさんと話していて、彼女の情報を聞き出していると、言われたくなかったことを言われてジェスチャーで、言わないで!!とママに向ける視線だったり。
ふとママのほうを見て、笑いあう二人の姿だったり。
おどけて彼女を楽しませようとあの手この手を繰り出すなっちゃんのふざけ具合に思わずくしゃっと笑ってしまったり。
くるくる変わる彼女の心情を観察しました。
まっすぐカメラだけを意識する瞳と緊張。
ママがいる安心感からふと力が抜ける瞬間。
どちらも同じ彼女なのですが、違う表情と心持。
どちらの表情からも、昔は見えなかった彼女の成長を感じました。
次に光と空間を観察。
運動会が雨で延期になったからこそ彼女と再会できたわけですが。
撮影時、運命的に天候回復。強い西日が差し込みました。
強く入る西日が彼女のどちらの表情を捉えるのにも最適だと感じました。
スタジオに強く入る西日は、私が過去このスタジオで見てきてよく知る西日です。
それをどの瞬間にどのように使うかを考えます。
ママさんを見てふと力が抜けるような彼女の笑顔。
それはオレンジ色の西日を逆光であたたかく表現することが合うと考えました。
きらきらと光る、西日のオレンジ。
望遠を使って背景を光のきらきらとボケ味で室内である事を強く感じさせないようにして、手前にもきらきらと反射するスパンコール素材のリボンを前ボケに使い、全体的に彼女の周りをきらきらとさせました。
逆光により彼女の横顔とはにかんだ表情、くるくると巻いた大人っぽい髪型を際立たせています。
狙うのは一瞬。彼女に後ろを向いてもらい、振り返りママを見てもらい、目が合った瞬間を狙いました。
私たちに向ける、照れた表情ではなく。
ママと目が合うことで素に戻る瞬間、力が抜ける瞬間を撮りたいと思いました。
きらきらしている彼女の横顔、安心、そして成長を感じる一枚を。
大きくなったなあ、と感じる瞬間は、その子の言動、風貌の変化ももちろんですが、
横顔を見たときに感じることがあります。
あごのラインや顔立ち、表情が、どんどん大人に近づいていくのです。
目線をあえてこちらにもらわないことで、親御さん目線で、いつも見ているであろう、だけど見ていない、意識していない一面を、捉えることが出来ると感じています。
私が見た彼女は、彼女自身の10のうち、もしかしたら2、3しか見えていないかもしれません。
それでも得た情報の2か3を最大限表現しなくてはいけないと思っています。
それが出来て初めて写真というものが何かを表すことが出来るのだと、感じています。
オレンジ色の秋の西日は、暖かくも、鋭くも使えます。
別の写真で、彼女の緊張したまっすぐな瞳は、逆に直射日光を順光として使い、その“瞳”を強調して撮りました。
光の捉え方一つで表現の仕方も変わり、撮影者が何を移したいのかでその選択も変わります。
彼女自身の変化を残せるように。
表現したいものを、適切な表現力で残せるように。
見えないものを全部見ることは出来なくとも、見えた部分を最大限残せるように。
これからも胸を張って“会えて嬉しい”と言える様に。
いって貰えるように。
これからも自分の力を伸ばして行きたい。
そんな風に彼女に再会できたことで改めて深く、思いました。
photo by Kaori Kobayashi
coordi by Natsuko Takagawa
in YokohamaAoba
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