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名古屋西店
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2017写真分析15 軸を持つこと。

投稿日:2017/9/30

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Photo by Kaori Kobayashi
Coodi by Yuko Oikawa
In Shinyokohama
 
私は今年に入って、人に伝えるという事を通して、伝えられる自分自身の持っているものを整理してきました。
相手に出すためには自分自身の写真や撮影で見せていく行為が絶対的に必要になってきます。
基礎基本を教えながら自分自身の軸になっている基礎というものを何度も何度も見直し、そして確認し、自分が持っている軸に自信を持っていくことができます。
 
この基礎基本に立ち返る、ということは技術的な側面が多くありますが、もっと内面的にどのように撮影や被写体、その空間を捉えているのか、を再度確認することも含まれます。
 
空間を捉える力、というのも、そこにいる人たちの空気自体をも指しますし、今私たちが持ってる撮影条件の一つとしてインテリアとその空間の構造もその一つになります。
 
私たちはよく自由に撮影したいと想い、被写体にも自由であってほしい、と思います。
しかし決まった空間で撮影を続けていると、空間の視野が狭くなり、自分が枠の中で不自由を感じてしまうこともありますし、被写体を自由にさせたいと願いながら枠に当てはめていないか不安になるときもあります。
しかしそれにには必ず条件が必要です。なぜなら必ず空間、撮影時間、天気、被写体、、
決められたその撮影の枠は必ず存在しているからです。
だからその枠を自分自身で“撮影の条件”に変えて、それに合わせて視点を変えていくことが必要になるからです。
その条件とは、自分自身が今持っているもの、インテリアを含めた撮影環境、撮影のスタイル、基本技術、被写体との距離、自分の固定概念・・・すべてが“枠”ではなく、自由に自分が撮影するための条件の一つとして見ることで見方を変えることが出来ます。
撮影空間は毎日同じ視点で見ていないか。空間は広がっています。
まだ知らない視点はたくさんあります。そして同じようにこれが正解だと思っているものに対してもいつでも“本当にそれが一番良い選択なのか?”をその時の状況や相手によって視点を変えていくことが出来たのなら、それは枠ではなく自分が選択の幅を持っている自由になれる条件の一つであると考えます。
その条件の中に技術も必ず存在します。これが無ければどれだけ全てを把握していても、イメージしても、一枚に表現し、収めることは難しいでしょう。
基礎基本に立ち返り、自分の視点を見直すこと。そして改めてファインダーをのぞき、世界を見ることで当たり前の世界は一つも存在しなくなります。
 
教育をしていると、最初に水平垂直に空間を切り取る事、光を見ること、を中心に全身、ミドル、アップを撮ってもらうところからスタートします。
空間を真正面からとらえることとはどういう事なのか。
それは必ずこれが正解、という場所は存在しません。
ただ、線が多い真四角の空間ですから、必ず水平を保つ正面側、というものは存在し、水平垂直を保つために床の線や窓枠の線、縦と横の線を真すぐ、きれいに、そして適切に切り取っていきます。
では斜めから入ることはいけないことなのでしょうか。よく最初にカメラを持つとたくさんの視点から探しながらシャッターを切っていく過程において被写体や空間の斜めから入って中途半端に切り取ってしまう傾向がみられます。
これが絶対だめなのではなく、“何が撮りたいのか”“どこからどこまでを切り取るのか”“本当にその角度が一番美しいのか”“不安定な要素を生み出していないか”考えることや整理がとても難しいため、撮影者はその視点に自信を持って答えられなければいけません。
そこに絶対的な正解はありませんが、より良い選択をするために、私たちは一枚に対して、撮影に対して考えることをやめてはいけないのだと感じています。
 
では、今回の写真を説明してみたいと思います。
この写真は被写体とは正面から向かい合っていますが、空間は斜めから入っています。
その為生まれる歪みや不安定さを真ん中に白いぼかしを入れて空間を平面的に見えるようにしています。フォレストパークにある格子越しに撮り右側、下側に少しだけグレーのぼかしを入れることで被写体に当たっているサイド光と同じように、右側グレーから左側白へグラデーションになるようにしています。左側にはただ空間が真っ白にならないように、被写体のポイントになっているカメラ部分と対照的部分にポイントとしてかごのインテリアを少しだけ入れました。
横写真のバランスはとても難しいです。そして斜めから空間に入ることで不安定な要素がたくさん入ることを自分自身で整理して切り取ることが課題でした。
余白があること、その余白の色味写り込む背景、ぼかし、全ての色味、露出を統一することにより、あえて距離感を出さずに平面的に写し込むことで、この横写真のバランスは保たれていると感じます。
 
毎日の撮影が楽しく感じます。毎日の出会いに感謝します。
ただ、何年たっても自分自身の技術や基本と向き合うことはその出会いや楽しい空間を作るためにも必要な一つの要素だと、人に伝える行為の中で強く感じています。
必ずそれが自分の軸になり、確認と強化をすることで軸を固く、太くもてるようになります。
 
視野を広く持ち、いつもいる空間でどれだけ多くの発想とイメージを探し、出会い、表現が出来るのか。それは自分自身がどこまで撮影の条件に軸を持てているのかにかかっています。出会いに誠実でいられるように、自信を持ってその日の出会いに真正面から向き合えるように、ひとつひとつ自分が持っているものを確認し、これからも向上し続けられるように努力していきたいと、改めて思いました。
 
 
 

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