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名古屋西店
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2017写真分析5 イメージカット

投稿日:2017/4/26

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Photo by Akane Ouchi
Coodi by Yuko Oikawa
In Shinyokohama
 
イメージカットとは何かを考えます。

ライフスタジオにいてどんな雰囲気の写真が好きかお客さまに聞いてみて、“自然な写真”というワードとともによく聞くのが“イメージカット”というワード。
オシャレでかっこいい、“普段撮れない感じ”というイメージでしょうか。

イメージカットってどんなものでしょうか?
たとえば広告写真も、イメージカットです。
何を伝えたいのかがわかる印象のイラストや写真、色味すべての構成を持って、そのメッセージを伝えています。
イメージカットとは、“伝えたいイメージが連想しやすく、伝わりやすい写真”。
きっと広告写真においては、それが正解なのでしょう。
 
では、私たちが目の前のお客さまに向けて撮影するイメージカットには、どんな意味合いがあるのでしょうか?
 
以前、一緒に話をしていたスタッフとこれについて話し合いをしたときに、イメージカットについて定義したことがあります。
 
イメージカットとは、状況を逸脱した空想的な写真と、定義します。
 
私たちは、毎日≪はじめまして≫をくりかえしています。
そのなかで限られた時間のなかで、相手を見ます。
しぐさ、反応、好み、性格、・・・
限られた時間の中で見つけられるものは決して多くはありません。
しかし、その見つけたものをとらえることで、その相手に対して表現方法を変え、一枚の写真に捉えていきます。
 
よく、「らしい写真」という言葉を耳にします。
しかし100人が100人、らしさというものを100%とらえることはおそらく不可能です。
毎日一緒にいる親御さんが見るその子“らしさ”を100%とらえられることは出来無い、
だからこそ、注意深くその子の特徴を見るのです。
 
身体的な特徴も、そのひとつです。
長い髪の毛、天然パーマの髪の毛、長い睫、くりくりの瞳、笑った時のえくぼ、ほっぺ、唇、さみしいときに垂れ下がる眉、すべてがその子の表現をしているのです。
らしさ、というと、その子の性格や好みや反応ばかりにとらわれてしまいがちですが、それらも、変わらない身体的特徴も含めて、すべてその相手なのです。
 
小さな生まれたてのBABYであればなおさらです。
話すことも出来なければまだ自分が好きなものや嫌いなもの、性格だってはっきりとは分からないのは当然です。
今だからこそ捉えられるのはどの部分なのかを考えます。
ママやパパと触れ合う姿、一瞬一瞬の、笑ったり、泣いたりする、反応。
そして今だけの、ちいさくてぷっくりとした、手や足、口や耳。
 
「被写体に深く入る」ことを重要視するライフスタジオの写真は、その子の特徴を、ただ見たままとらえるだけでなく、
被写体の特徴を“最大限に表現しようとする”イメージカットが多いから、心が惹かれるのでしょう。

そしてライフスタジオらしい写真、と言えるのでしょう。

パーツカットも、モノクロも、目線がない表情も、しぐさも。
すべてが撮影者が捉えた『被写体の特徴』であり、それを写真で撮影者が表現したものなのです。
だからこそ「イメージカット」は、ただ目線を外せばいいのではないし、パーツカットもパーツを切り取ればいいのではないのだと考えます。
 
では実際に、どのように捉え、どのように表現するのか。
それは上記にあるように被写体の身体的特徴、そしてコーディネートなどを含めた総合的イメージを捉え形に表現する力が必要になります。
 
それはたとえ被写体のイメージをしっかりとらえることが出来たとしても、その表現の引き出しがなければ、
どの場所でどの光でどのような角度からとらえればいいのか適切な誘導が出来なくなります。
 
イメージカットとは相手の特徴を捉える力とともに、その捉えたものを一つの総合的イメージにつなげる力が必要になります。
そのため、観察力とともに、撮りたいイメージを再現する力も必要なのです。
 
私はこの写真を見たときに、この子のぬくもりに加えて空間の暖かさを感じました。
 
暖かい逆光で明るく全体を包み込む一枚。
その光の中ですやすやと眠る赤ちゃんが手にしている一枚の葉。
真っ白な空間、光の色味、そして赤ちゃんが来ている衣装。すべてが白で統一されているこの中でポイントとなる葉っぱ。
そしてそれをギュッと握る小さな手。
この小さな小さな、そしてしっかりと握りしめるその力強い“手”こそがこの写真の表現の中心であることが一目でわかります。

私はそのポイントと共にこの写真において重要なポイントは被写体に対してのカメラマンの角度と感じます。

パーツカットは基本的にパーツのみが写されている写真が多いです。
それは写したい部分が『パーツ』であるからこそで、どうしても顔が写ってしまうとそちらに目が行きがちになってしまうからです。
しかしこの写真は赤ちゃんの絶妙なほっぺのふくらみと、すやすやと眠る表情が写っていることで、赤ちゃんの“手”であることを伝えると同時に“安心”を伝えています。
望遠レンズで整理をし、そのボケ味を利用しつつ背景を整え、そのうえで絞りを5.0まで絞って表情が見える程度に顔を写しだしポイントとなる手と緑を真ん中に配置しています。
顔がはっきり見えてしまっては顔に目が行くし中途半端に切れた感じが否めないでしょう。
しかしこの写真の主役はあくまで彼女の“手”です。
それを可能にした、彼女の顔の高さ、撮影する角度、切る位置、撮影の絞り値。
『何を写したい』イメージがあるからこそこのすべての要素を選択し、シャッターを切ることが出来るのだと、この一枚を見て考えさせられました。
 
パーツカットは、ただのイメージカットのひとつではありません。
イメージカットは、雰囲気があれば良いわけではありません。
全てに意図があって、その表現を画にする技術や選択する幅がなければこの一枚は成り立ちません。
 
目の前の「はじめまして」とあいさつを交わしたすやすやと眠るBABYは、きっとこの日のことを覚えていません。
だからこそ、小さなからだも、その時の空間の暖かさも、視覚を通して「想像」させることが出来るような思い出をつなぐ写真こそが、
イメージカットの答えの一つではないかと、考えます。
 
 
 
 

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