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名古屋西店
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2017写真分析4 惹かれる

投稿日:2017/3/29

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『惹かれる』
『目を奪われる』
 
印象的なカットは、何をもたらしてくれるのでしょうか。
 
75カットの表現は要素さまざま、表現は無限大に広がります。
その子らしさや笑っちゃうような一枚。エピソードが受け継がれていくような写真たち。
そして75カットの中には『知らない一面』をのぞかせる、撮影者が受け取ったその子の表現も入ります。その表現として、モノクロの表現を使うことも多々あります。
モノクロとはどんなものか?何度も話をしてきたし、その表現は撮影者の意図により大きく左右されるものであると考え、撮影者の技量が大きく試されるものであると思います。
 
モノクロの写真とは一体何かを調べると、こんな風に書かれています。
 
鮮やかな色彩を表現できない反面、被写体そのものの持つインパクトや構図の良し悪しが写真の命となりうる。被写体への理解力や、主体となるものの根源的なポイントをつかみ取らなければ、モノクロ写真の完成度は低くなる。
 
彩という視覚的な感覚を無くしあえて白と黒のみで表現するにはそれなりの理由がいります。そしてその理由がその写真を見ただけで、この写真はモノクロで撮られるべき写真だったのだと見た人が感じられなければ意味がないのです。
だからこそモノクロは強い印象を与え、その意味に惹かれるのです。
 
光:夕方、玄関から入る強い西日を直射で彼女に当たるように配置。
壁があることでこの光は彼女のみに当たっている。
彼女以外に光が当たっていないことで、彼女の強い視線や髪の毛の流れ、たたずまい、影など彼女の存在を強く表し、彼女の存在に目を引かれる一枚になっている。
 
構図:三分割構図で被写体を配置。
横に三分割した時に手首やひざなど間接の流れをおくことにより、被写体の安定感がある。
 
背景:いたってシンプルに。しかし階段の薄暗さ、それにより際立つ質感で、彼女のかっこいい一面の演出に一役買っている。
また壁を一枚隔てて奥のまっくらな廊下の部分を少し写すことにより縦の線が出来、階段の薄暗さとの差によって空間の立体感を作り出している。
 
この写真はこの子のための一枚の表現だと感じられます。普段のぞかせている印象とは違う一面を最大限表したものは、きっとこの子のことを良く知っている親御さんでさえもがはっとさせられるような強い印象をもたらしていたと思います。
 
彼女の存在を強く表した一枚は、少しずつ大きくなって大人に近づいていく成長を感じさせ、“彼女”というひとりの女の子を“お客さん”だったり“娘”だったり、見た人からその子の固定概念を奪い、その人そのものの魅力に気づく一枚になることもあるのではないでしょうか。それがきっと「惹かれる」理由なのでしょう。
 
人としての魅力、知っている情報や固定概念をすべて抜きにしてその子を見る一枚。
 
だからこそ、理由のあるモノクロに人は目を奪われるのでしょう。
 
“印象的なカット”と呼ばれるものは、その表現ひとつでその被写体の存在を美しく表しているものであるからこそ、惹かれるのです。
それを導き出すのは撮影者の観察力であり、表現力であり、技量である。
モノクロの写真はいつだってその人のための光とその人のための表現で表されているのだと思います。
 
 
 
Codi&Hairmake by Kaori Sasaki
Photo by Reiri Kuroki
In Yokohamaaoba
 

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