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名古屋西店
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写真分析1 感情
投稿日:2016/6/13
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【表現力は人の魅力を最大限に写し出す力】
と、私は以前に書いたことがあります。
技術がなければ表現したいものを表すことはできないし、相手と向き合うことが出来なければ表現したいものすら思い浮かばない。
技術だけでも、感情だけでも写真は撮れなくて、
すべてが合わさったときに【表現力】として発揮され、その思いと技術が合わさったその写真が生み出されたときに、初めて私が写真を撮り続ける理由になるのだと感じています。
ライフスタジオでたくさんの出会いを経験してきました。
自分の写真が物理的なもの以上に、相手の心に残るものだといいな、といつも感じます。
再会するたびに。大きくなっていく子供たちに出会うたびに。新しい命が生まれたのを一緒におめでとうとお祝いするたびに。笑顔を見るたびに。帰りたくないといわれるたびに。
もっと喜んでほしい。ただただその思いだけが先行し、もっと何かを残してあげたい気持ちと裏腹に、自分の技術がもっともっとうまければ・・・と、とりとめのない気持ちになったりすることもあります。
その時、その力を全力で発揮しているつもりでも、自分自身の欲が【良い写真とは】という考えを技術のみにとらわれ、うもれてしまうことがあります。
だから、何度でも問いかけてほしいし、自分自身でも問いかけます。
写真を撮る理由は?
良い写真とは?
私は相手の未来に届くような写真が撮りたいと思っています。
それは、今この時にしかなかったその子、その家族、その場所、その空気、すべてが伝わるものでなければいけないとよく感じます。
その軸となるのは、私は写しだす被写体の感情だといつもとらえています。
感情とは、目で見える、笑ったり泣いたり怒ったり。
それだけではなく、相手の個性や内に秘めた感情も、その中に入っています。
内に秘めているものは、こちらから近づき、受け取りにいかなければ、知りえない情報となります。
先日、写真サークルでそんな話をした後、彼女と再会を果たしました。
彼女とは2年前に青葉店で出会い、2年ぶりの再会でした。
再会の当日の朝。二年前の写真を見返しながら、ああこの子たちはすごくおりこうさんだったな。弟くんはいっぱい歩いて、踊って、走って、それをいっぱい追いかけて撮影したな。お姉ちゃんは・・・
とにかく笑顔が印象的だった。
と、思い出しました。
カメラを見る笑顔。ポーズをしていても、アップでも崩れない、笑顔。
やってとお願いしたことはすべてやってくれた。
動きたい盛りの1歳の弟くんの動きに合わせて頑張ってくれていた印象。
一歩後ろから弟を見守る姉の姿勢。
2年ぶりに再会した彼女は変わらぬ笑顔でこんにちは、と私たちを迎えてくれました。
3歳の弟くんと一緒に着物を着る大切な日。
そしてトップバッターは姉である彼女のソロからのスタートでした。
慣れない着物でも一生懸命ポーズをして笑顔を見せてくれていましたが、心の中は緊張でいっぱいだったと思います。
少しだけ触れた肩にすごく力が入っているのを感じて、カメラを見ることを一度やめてもらいました。
近くにいるパパを見て貰ったり、外を見て貰ったり、お花を見て貰ったり。
ぐっとかみしめるその唇と、それによって力が入っている頬。
その横顔が彼女の気持ちを表しているようで、その瞬間をおさめたい、とシャッターを切りました。
優しい色の着物は彼女が選びました。
パステルカラーのその着物の色味と、彼女の優しい雰囲気を際立たせるために、玄関に立ってもらい、外からの光を逆光として受け取り、全体的に柔らかい色味、質感になるように撮影しました。
外の色味、光と被写体の調和。そのなかでも表情に目が行くようにフレーミングをしました。
3分割法を用いて、一番目がいく場所に、目と口と頬がくるようにしました。
ぐっと力が入っている部分と、優しい目線。花を見ているそのポージングも、私がお願いしたもので、それを忠実に守って頑張ってポーズをとっている様子。
すべてに今このときの彼女の気持ちが入っています。
今この時に見た彼女の内側の感情が一番表れている写真だと思います。
この撮影が終わった次の日。
彼女は家族みんなで青葉店のイベントに遊びに来てくれました。
元気で陽気な弟くん、優しいパパママも一緒にです。
同じ年くらいの子たち、その家族を目の前にして、自己紹介が終わった後、吹き出すように泣き出してしまった彼女。
いつも抱えている緊張や不安が、どっとあふれている様子を目にしました。
そんな姉を見てつられ泣きする弟くん。
そんな場面を目の前にして、なんだか笑ってしまいました。
大人びた笑顔も優しい姉の表情も、緊張や不安で泣き出してしまったのも、今の彼女の内面すべて。
私はすべてを見ることはできないけれど、そんなふうにひとつひとつ触れて、残していける、本当の意味で“表現できる”カメラマンでありたいと感じました。
また、会える日まで。
photo by Kaori Kobayashi
codi by Rika Shinohara
in YokohamaAoba
と、私は以前に書いたことがあります。
技術がなければ表現したいものを表すことはできないし、相手と向き合うことが出来なければ表現したいものすら思い浮かばない。
技術だけでも、感情だけでも写真は撮れなくて、
すべてが合わさったときに【表現力】として発揮され、その思いと技術が合わさったその写真が生み出されたときに、初めて私が写真を撮り続ける理由になるのだと感じています。
ライフスタジオでたくさんの出会いを経験してきました。
自分の写真が物理的なもの以上に、相手の心に残るものだといいな、といつも感じます。
再会するたびに。大きくなっていく子供たちに出会うたびに。新しい命が生まれたのを一緒におめでとうとお祝いするたびに。笑顔を見るたびに。帰りたくないといわれるたびに。
もっと喜んでほしい。ただただその思いだけが先行し、もっと何かを残してあげたい気持ちと裏腹に、自分の技術がもっともっとうまければ・・・と、とりとめのない気持ちになったりすることもあります。
その時、その力を全力で発揮しているつもりでも、自分自身の欲が【良い写真とは】という考えを技術のみにとらわれ、うもれてしまうことがあります。
だから、何度でも問いかけてほしいし、自分自身でも問いかけます。
写真を撮る理由は?
良い写真とは?
私は相手の未来に届くような写真が撮りたいと思っています。
それは、今この時にしかなかったその子、その家族、その場所、その空気、すべてが伝わるものでなければいけないとよく感じます。
その軸となるのは、私は写しだす被写体の感情だといつもとらえています。
感情とは、目で見える、笑ったり泣いたり怒ったり。
それだけではなく、相手の個性や内に秘めた感情も、その中に入っています。
内に秘めているものは、こちらから近づき、受け取りにいかなければ、知りえない情報となります。
先日、写真サークルでそんな話をした後、彼女と再会を果たしました。
彼女とは2年前に青葉店で出会い、2年ぶりの再会でした。
再会の当日の朝。二年前の写真を見返しながら、ああこの子たちはすごくおりこうさんだったな。弟くんはいっぱい歩いて、踊って、走って、それをいっぱい追いかけて撮影したな。お姉ちゃんは・・・
とにかく笑顔が印象的だった。
と、思い出しました。
カメラを見る笑顔。ポーズをしていても、アップでも崩れない、笑顔。
やってとお願いしたことはすべてやってくれた。
動きたい盛りの1歳の弟くんの動きに合わせて頑張ってくれていた印象。
一歩後ろから弟を見守る姉の姿勢。
2年ぶりに再会した彼女は変わらぬ笑顔でこんにちは、と私たちを迎えてくれました。
3歳の弟くんと一緒に着物を着る大切な日。
そしてトップバッターは姉である彼女のソロからのスタートでした。
慣れない着物でも一生懸命ポーズをして笑顔を見せてくれていましたが、心の中は緊張でいっぱいだったと思います。
少しだけ触れた肩にすごく力が入っているのを感じて、カメラを見ることを一度やめてもらいました。
近くにいるパパを見て貰ったり、外を見て貰ったり、お花を見て貰ったり。
ぐっとかみしめるその唇と、それによって力が入っている頬。
その横顔が彼女の気持ちを表しているようで、その瞬間をおさめたい、とシャッターを切りました。
優しい色の着物は彼女が選びました。
パステルカラーのその着物の色味と、彼女の優しい雰囲気を際立たせるために、玄関に立ってもらい、外からの光を逆光として受け取り、全体的に柔らかい色味、質感になるように撮影しました。
外の色味、光と被写体の調和。そのなかでも表情に目が行くようにフレーミングをしました。
3分割法を用いて、一番目がいく場所に、目と口と頬がくるようにしました。
ぐっと力が入っている部分と、優しい目線。花を見ているそのポージングも、私がお願いしたもので、それを忠実に守って頑張ってポーズをとっている様子。
すべてに今このときの彼女の気持ちが入っています。
今この時に見た彼女の内側の感情が一番表れている写真だと思います。
この撮影が終わった次の日。
彼女は家族みんなで青葉店のイベントに遊びに来てくれました。
元気で陽気な弟くん、優しいパパママも一緒にです。
同じ年くらいの子たち、その家族を目の前にして、自己紹介が終わった後、吹き出すように泣き出してしまった彼女。
いつも抱えている緊張や不安が、どっとあふれている様子を目にしました。
そんな姉を見てつられ泣きする弟くん。
そんな場面を目の前にして、なんだか笑ってしまいました。
大人びた笑顔も優しい姉の表情も、緊張や不安で泣き出してしまったのも、今の彼女の内面すべて。
私はすべてを見ることはできないけれど、そんなふうにひとつひとつ触れて、残していける、本当の意味で“表現できる”カメラマンでありたいと感じました。
また、会える日まで。
photo by Kaori Kobayashi
codi by Rika Shinohara
in YokohamaAoba
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