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Reiri Kuroki
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黒木玲理

初めましての方も、
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いつもどうもー!の方も
こんにちは。

黒木玲理です。

ライフスタジオ10年目、2020年現在はライフスタジオ本社に在籍しています!

【あなたのための、あなたの写真】を自分の中のテーマに置いて、撮影をさせていただいていました。
blogでは、そういう想いを込めたメッセージや写真の分析をUpしています。

お気軽にのぞいてみてくださいね。

写真分析 / 光芒

2020/8/21

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Photo&Write by Reiri Kuroki

Coordi by Misaki Nakagawa

 

@Yokohama Aoba

 

 

ひととして、人を撮る。

ライフスタジオのカメラマンとして、いちばん心震える瞬間かも知れません。

 

 

ここ数ヶ月、部署の異動でカメラを持つ機会が減りました。

撮影の現場がひたすら大好きな自分にとっては大きな環境の変化であり、だからこそカメラから人を見詰めるその時間が、より一層大切になりました。

 

ひとの写真を撮ること、は、肯定的な眼差しでひとを見る、ということです。

写真にして残しておきたいそのひとの美しさを、探して、表現し、記録する。『撮影』とはそういう行為で、私はそれを通して相手を知り、自分を知ります。

ありがたいことに、ライフスタジオという場所は、撮影者に割と広い範囲での自由を許容してくれているので、撮影をする眼差しには『わたし』という人間の価値観が大きく反映されています。

それが独りよがりにならないように、コーディネーターや目の前の被写体とのコミュニケーションを積み重ねながら、私は『あなた』という存在を美しく、生き生きと表現しようと、試みていきます。

 

この写真の被写体である彼女は、ライフスタジオでの撮影は13回目でした。

私が担当させてもらったのは4回目と8回目、11回目からは毎年撮らせてもらっています。

撮影の度に、彼女のパパさんママさんは、何年も前に担当したスタッフたちの撮影中のオフショットを見せてくれたり、これまでの思い出話をしてくれたりと、『ライフスタジオの撮影』が家族の時間を振り返るきっかけになっていることを窺わせてくれます。

勿論、ここ数年撮影をさせてもらっている私たちも、予約が入った時からそわそわと

「何着せよう」「どう撮ろう」と悩みが尽きません(それもまた楽しいものです)。

何しろ撮影には慣れている彼女なので、滞ることはあまりありません。しかし、彼女はとても魅力的なひとなので、私たちはいつも奮起して臨みます。

だって、彼女は撮られるのも上手なのです。

上手だからこそ、慣れているからこそ、こちらは彼女の想定の斜め上くらいを狙って表現することを試みます。

彼女の自己認識の外側からも、その魅力を見せたくなる。その日、その時の、彼女という存在を、『わたし』から見た美しさで。

 

 

リピーターのお客様の撮影においては、以前の写真を見返して異なる構成を組んでいくのが常ですが、今回は少し趣向を変えてみました。

この日、撮影前に私が見ていたのは、数年前に同じ店舗で、でも私とは違う撮影者が撮影していた、あどけない頃の彼女の写真。

インテリアはそう大きくは変わりませんが、数年を経て成長した彼女を、敢えて同じ場所で、異なる視点から、撮っていこうと思いました。

そうすることで、『ライフスタジオの撮影』をきっかけに振り返る家族の時間、という記憶にリンクさせながら、その中で成長した彼女自身の姿がより深く、多層的に、見えてくるのではないかなと思ったからです。

もうひとつ重要なことは、私自身の視点もまた異なっている、ということ。

昨年も、その前の年も、彼女の撮影をさせてもらいました。しかし、今年の私が大きく変わった点は、今の私は少しカメラを持つ時間が減っていて、その分『ひとの写真を撮る』ということに対して、渇望している、ということ。

 

夏生まれの彼女の撮影は、夕刻に始まりました。

この時間帯のとろりとした夏の西陽は情感たっぷりで、とことんこの光を使い尽くそうと決めて、窓を開けて光を誘い込みます。

部屋の中に伸びた光は逆光となって彼女に纏わり付き、その存在感を際立たせました。ゴールドのドレスと光の色味が相まって、彼女の為の光は写真の中で華やかに印象を作ります。

この空間がわかるようにフレーミングは少し広く、光は床や前ボケに反射しながら表情を変えて、溢れました。

立っている重心のバランスを敢えて少し崩したことで、戯れるような動きが生まれます。思わず、といった感じで笑う彼女の表情は、撮影に慣れているからこその構えた部分が影を潜めて、11歳の女の子の素の表情が現れた瞬間でした。

ファインダーから彼女を見詰めて、マスクの奥で息を止めて、酸欠になるくらい集中して、……その瞬間に、惹きこまれます。

 

カメラを通して、ひとと空間と光を見て、心が震える瞬間。

光芒の中の彼女の存在感は、カメラを持つ機会が少し減った私の渇望を満たしてくれるに充分な美しさを持って『わたし』に飛び込んできました。

 

その美しさは、写真になるとこうなります。

『わたし』から見た『あなた』の美しさ。幼かった頃の面影と思い出を含めて、成長した今の『あなた』の姿。

私は『あなた』の写真を通して、『わたし』を再確認させてもらっています。

 

撮影への渇望もまた、『わたし』という人間の表れです。

やっぱり、撮影することが好き。

写真を撮ること、は、今の私にとって、その質を変化させています。

 

 

 

 

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