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☆パラサイト〜寄生虫☆
投稿日:2020/2/20
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韓国の映画のなかで個人的に灰色と感じる映画が多い。現実に起こりそうで、リアルで少し暗い。終始映画の色味は灰色。そんな印象の映画がある。個人的にはあまり好んで見たいとは思わない。
私にとって、ポンジュノ監督の映画はその灰色の映画の内の一つ。
今回アカデミー賞を受賞した『パラサイト』。2019年に韓国で上映され、世間の話題作として知られた。知人達からも、絶対に映画館で見るよう言われた。日本での上映はかなりあとになり、映画の雰囲気は怖そうな印象だったため、見る機会があっても映画館ではあまり見たくなかった。
それが、アカデミー賞を受賞したということで、やはり見に行ってみた。
なぜ選ばれたかは分からないけど、見てよかった。
感想は、疲れた。良くも悪くも。最初から最後まで、流れに大きな波は感じなくも、画面に集中せざるを得ない。
韓国社会の格差、人の欲望、今も尚同じような状況が起きているということ。
映画のタイトルの通り、寄生虫のごとく、寄生する側と寄生される側。でも逆に寄生されてる側も、寄生している側に寄生している。お互いに寄生しあって生きている。
単純に悲しいとか可愛そうとか、羨ましいとか。そういう感情ではなく、1人1人の立場での表現がほんとに人間味がでていて、リアルだった。無い時は望みもせずに過ごしていたのに、手に入れた瞬間、周りを犠牲にして自分を中心に動いていく人間の姿。生々しい。
自分や身近な人の利益を求め、他は犠牲になるのも構わない。ちょっとの罪悪感、満たされる心やもの。誰にでも備わっているであろう感情と欲望。善と悪とは?良し悪しはだれが決めるのか。それを実行するのか、思いで留めるのか。
全ての人間に問われる内容がある映画。
終わってから余韻の残る疲れる映画。
一度は劇場で見るべき映画。
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