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千葉フォレスト店
「photogenic」兄妹
投稿日:2018/9/30
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兄妹
暑い夏が過ぎ、青い葉っぱは風に当たり、落ち始め、芝生は少しずつ茶色に染まり、雑草はより細く長く生えかわりました。
そんな秋風に、誘われて、夏、楽しく遊んび日焼けした姉弟がフォレストに訪ねて来ました。
凛々しくそびえたつ樹と木漏れ日の下に小さなキャンピングカーがあります。
その前には9歳、6歳の兄妹が並んで立っています。お兄ちゃんは本を読み、妹はカバンを持ったままお兄ちゃんが読んでいる本を覗いてみます。
背景の自然と子供たちの小さな仕草が混ざり合い全体的に安らぎに満ちてます。
水彩画のようなこの一枚が、私の心に和やかに入りこんできます。
写真は「絵」と同じ技法で表現することができると言われます。絵具に水をたっぷりふくませて淡い色で背景を、その上に筆を重ね、濃淡を生み出すのが水彩画です。
写真も露出で濃淡を調節し表現します。
方法は異なるが対象をイメージ化するところが似ています。
私たちが撮っている写真は風景写真ではなく、風景を背景にした「人」の写真です。背景と「人」が調和するところが写真のいいところです。
躍動感のあるポーズで表現することも、顔の表情一つで表現することもあります。
何を表現しても画面を構成する全体の調和が重要となります。
上の写真で樹の下に立っている兄妹は今の風景と調和し、安らかぎを見せたと書きました。躍動感はないけど静かな動きは繊細な効果をもたらします。
日焼けした顔は青い色合いと合い、淡い黄色のズボンと白いシャツを着ている姿も全体の色に馴染んでます。
お兄ちゃんの足の組み方や本を持っている姿、妹は両手でカバンを持っていて、正面を向いるけども顔だけお兄ちゃんの方を向いて、本を覗いてる姿は自然に表現されました。距離を置いて少し離れている兄妹の距離感はいいバランスを取っていると思います。
淡いコントラストが写真を優しく仕上げてくれました。
空間と撮影者には適応する時間が訪れるのです。
気候の変化がめぐるましい野外撮影では撮影者の培った知識と豊富な経験が「絵」を切り取ります。
眺めて、撮ってみて、太陽と雲の流れを予測し、自分だけの空間をさぐり、露出を慎重に絞り写真は完成されていきます。
空が曇り、光と影が明確に表れない時、つまりコントラストが弱い状態でも露出の濃度で的確な階調を表現した時、そこに良い「絵」つまり最高の一枚が作られます。
一枚の絵のような写真を作りたいです。
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