愛(amor)とは、外部の原因の観念を伴う喜びである
 

-スピノザ

 

「だから！マニトやりましょう」
9月のある日。朝のミーティングの時間に人との関係についての話をした。本社の2階にいる私たちの関係を見た時に、米がご飯になるように、米粒が互いにピタッとくっついている[ご飯]のように「何々だ」と、断言したいのに、それがうまくいっていないという内容だった。社会的な言語で言えば、役割分担が明確になっているのは発展した姿だといえるが、お互いの関係や連帯意識は期待していたほどではなかったということだ。「良くも悪くもない生ぬるい関係」に満足できず軽くいろいろと行ってきた。各自の計画をプリントして壁に貼り付けてみたり、ポラロイドカメラで写真を撮り、木の果実のように吊りさげたりしてみた。様々な事業を進行中であるため［人間関係ボード］に対して、軽く継続的に[やること]が目的であった。そうしていきながら、良いサンプルが出てくれば、店舗の人々と共有し、提案してみる計画だった。しかし、やはり集中していないものは、[やっていないこと]と同じように、見事に失敗し、提案書を出すこともなかった。それでも[関係]についての糸は離すことができない。「マニトでもしよう」という気持ちで、みんなに話し、肯定的な反応で始まった。Manitoとは、[秘密の友達]という意味のイタリア語で、くじ引きなどで指定した友人の守護天使になるゲームのことだ。月に一度くじ引きで私が見守る相手を選定し、関心を持って見守りながら、相手に知られないように助けてあげようという意味である。
 
関係の完成度等、結果が明確に表れるゲームではないものの、4人のメンバーが1つの空間にいながら関心を持つようになるという部分では成功したようだ。相手の行動をより注意深く見て、言葉1つにしても慎重になり、以前よりも物理的にその相手について考える時間が長くなったようだ。月末に渡すプレゼントを選ぶときは、私があなたのマニトだったんだよということを覚えていてほしいと願う気持ちも含まれるようになる。
 
日常生活の中から見てみると、普通の人々は魅力や能力を通して人々が自分に関心を持ってくれることを望む場合が多い。しかし、逆に、自分が先に誰かに関心を持って歩み寄っていくことは頻繁にあるものではない。あるいは目的として関係を設定することがほとんどである。正しくないこと以外に、理由があるならば、目的があるということは、それが人との関係を設定するものであっても悪いことではないと思う。お客様との関係、内部の文化のための同僚との関係、教育を通した関係などは、必ず形成しなければならない関係でもある。ところが、1つ考えてみるのは、理由が人よりも優先されたことはなかったのか？もちろん、今、私たちの形は構造の中に人が構成されているため、何かを成すために、人間関係が必須科目であることは当然である。しかし、もう少し考えてみると、人々が構造を作っていくことが私たちの最終目標になるかもしれないと考えることもできる。ならば、人間関係を作ること以前に、私の隣にいる人に対して関心を持ち見てみること、一緒にその人のことを、その人の立場で悩んでくれることなどは、最も基本的なものでありながらも、線で結ぶために撮るスタート地点ともいえるのではないか？と考えてもみる。
 
いつまで続くか分からない、このマニトゲームで、私は毎月誰になるかわからない相手に対して「私が大切にしているもの」をプレゼントすることにした。私が使っているものを分けて、一緒に使ってくらたらいいなという思いと、私が大切にしていたものを、これからは、その人が大切にしてくれたらいいなという思い、受け取ったプレゼントを見ながら、私のことを思い出してくれたら良いなという気持ちで準備することにした。やりながら感じるのは、やはり私は思ったよりも行動が遅いんだなあと反省する。「よくしてあげよう」という気持ちを持った時には既に終わりに近づく。その人を手放さないようにするための心が「愛」である。とスピノザは言っていたという。その人が通り過ぎ去る前に、守護天使の使命を一生懸命全うしよう。10月の私のマニトはチョンアだった。11月は、ソノカ。12月は誰になるか内心期待するゲームである。「ゲームなのに...^^」