photo by Reiri Kuroki

coordinate&write by Mio sakuraba

 

空気が乾燥し、肌を刺すような寒さが目立つようになった晩秋の午後。

にこやかで仲良しなご家族が新横浜店にいらっしゃった。

 

ライフスタジオといえば、自然光で明るくふんわりとした、笑顔の写真を想像される方が多いだろう。

 

しかし、時間帯やスタッフとお子様のコンディション、スタッフとの会話ややりとりによって、さまざまな写真が撮れるということもお伝えしたい。

 

四人家族でご来店いただき、1歳のご記念ということで撮影にいらっしゃってくださった。

おねえちゃんも弟くんもとってもご機嫌で、たくさんお話をしてくれる。

 

どこを切り取っても笑顔。理想的なご姉弟だった。

 

しかし、弟くんメインで一人の撮影の時、その瞬間は来た。

 

丁度夕陽の差し込む窓の前、ふと、彼がアンニュイな表情を浮かべたのである。

 

帽子があることに気が付いたのか、頭部に頭を伸ばし、違和感の正体を確かめようとしている。

じっとこちらを見つめる目は、私たちと、お姉ちゃんを見つめている。

 

この撮影がこの夕陽の中でなければ、笑ってもらいたいと思うだろう。

しかし、この陽射しの色と入り方によって、調和の取れた写真となったのだ。

 

逆光ならではのふんわりとした光の質感が、赤ちゃんらしさを引き立て、

彼をなぞる光の輪郭がちいさな命を、確かにここにいると気付かせてくれる。

 

床の反射で大きな窓が背後にあることがわかる。

手前に向かって広がっていく光が、まるで彼の今後の未来が大きく開かれているかのようなストーリー性を感じさせる。

新横浜店のインテリアが、昼間とは違う顔を覗かせた。

 

暖かな家族に囲まれ、笑顔の絶えない彼が、無邪気なだけでない顔をした。

少しずつ大人になる瞬間に立ち会えたことを、嬉しく感じた。

 

また成長した姿で、次はどんな表情を見せてくれるのか。

次に会える日が待ち遠しい。