Photogenic
新横浜店
写真を撮ること。
投稿日:2020/5/20
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Photo&Write by Reiri Kuroki
Coordi by Masaaki Ara
@Shinyokohama
写真を撮ること。
それは、人にとって、どんな意味を持つことができるのでしょう。
ライフスタジオは、そこに本当に大切な意味を持たせることのできる、そんな写真館でありたい。
ここで写真を撮り続けた、そんな日々を振り返りながら、今はただそう思っています。
*
4月から、新横浜店に来ています。
これはもう仕方のないことなんですが、どうにも新横浜店に来ると、私は個人的な思い入れが強くなってしまいがち。
と言うのも、かつてのこの店舗での経験が、今の自分を形成する大きな部分を担っているからでしょう。
ライフスタジオに入社して2年経った頃、初めての異動で配属されたのが、当時新規Openを控えた新横浜店でした。
最初の2年間で学んだつもりになっていた頭でっかちな自分が、どんどんメッキを剥がされて、いろんな失敗と経験をして、悩んで悩んで、何年も試行錯誤した場所。
『何がいちばん大切なのか』を探していた頃の思い出が強過ぎて、私にとって新横浜店は、ちょっと特別な場所なのです。
かつてのそんな日々の中で、私の写真を見たとある撮影者から言われた一言。
「君の撮る写真は、撮影者の気配を感じる」。
それは、決して好意的な意味ではありませんでした。
撮影者の自由を大切にするライフスタジオでの撮影において、撮影者が主体性を発揮して撮影空間を構成する、ということが必要なのは言うまでもありません。
しかし、当時の私の写真からは、撮影者の気配が『し過ぎる』。それは、単なる被写体への過干渉でしかなく、撮影者によってそうさせられている、という不自由を被写体から感じてしまう写真でした。
ちなみに、この直後の撮影で今度は何にもしなくなり(できなくなり)、一緒に入ったコーディネーターに「いやいやいやれいりさん、ちょっと、どうしちゃったんですか!!!?」と言われたものでした(笑)。
撮影者の自由と、被写体の自由。どちらも損なわれていないバランスが、写真から感じられるのが良い。
その為に、撮影者がどのように空間を構成していくべきなのか。
カメラマン、という存在が、ただそこにいてカメラを構えて指示を出し続ける人、なのであれば、機械でもできます。
撮影者は『人』でなければならず、被写体もまた『その人らしく』、自由でいられなければ、写真に『写真』という以上の意味を持たせることは、難しいでしょう。
だから、ライフスタジオは『関係』を大切にしています。
撮影者が『人』として、被写体である『人』に関わってくことを起点として、その関係は始まります。
ありのままの『あなた』を受け入れて、『あなた』をよりあなたらしく、自由にしていく中で『あなた』の魅力を探してゆく。干渉、ではなく、関係に基づいたコミュニケーションで、『わたし』は『あなた』を受容し、知ろうとし、探していく。
そんな肯定的な行為が、ライフスタジオの撮影の要となる部分なのでしょう。
人と人が関わって作り出していく、そんな空間から生まれる写真だからこそ、その写真は『写真』以上の意味を持つことができます。
……もっとも、私がそんな答に辿り着くのはもう少し経ってからのことで。
新横浜店にいた当時は、いろんな試行錯誤をしながら探っていたものでした。
当時の新横浜店はBaby撮影を中心にしていた店舗で、言葉での自己表現はまだできないけれど感覚に素直なBabyたちの撮影を通して、受容することと肯定することを体感的に学んでいた日々でした。
この写真の彼女との最初の出会いは正にその頃だったので、Babyだった彼女の写真を懐かしく思い起こしてしまいました。
インテリアは変わったけれど、差し込んでくる柔らかな光はそのままのこの場所で、何だか私は嬉しくて、
「ああ、じゃあパパさんは、そこに横になってもらって、……パパの上に、乗っかっちゃおうか」と提案しました。
重心を預けられる、『寝そべる』という無理のない姿勢でゆったり構えるパパさんに、満面の笑顔でどーんと乗っかっていく6歳の女の子。自宅で戯れているような、そんな光景が愛おしくて、戯れるままに任せてシャッターを切りました。
Babyだったあの頃に撮った写真のように、まっさらに素直で、自由で、彼女たちらしいこの写真が、私は好きです。
人と人、その関係、その空間、その時間。楽しさ、とか、思い出、とか。特別な記念かもしれないし、何の変哲もない日常のひとコマ、かもしれない。
そういうものの全部を引っくるめて、ただの『写真』というそれ以上の意味を付与することができる。ライフスタジオは、そういう写真館でありたい。
『あなた』がまだ知らない、あなた自身の美しさを、過ぎ行く時間の尊さを、その瞬間の記憶の記録を、ライフスタジオが残しましょう。
だから、ライフスタジオに来たい。
そう言ってもらえるような、そんな写真館でいられるように、私たちはここで待っています。
あなたがここで写真を撮る、その瞬間の為に。
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