Photogenic
新横浜店
すべて君に染まれ。
投稿日:2019/8/20
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Photo by Yukika
Coordinator by Chappy
7月8月、私達カメラマンは横写真についてより深く考えています。
「調和の取れた横写真」が今回私達が取り組んでいるテーマです。
まず最初に横写真の特性を考えます。
横写真を見たときに自然な印象に見えるのはなぜでしょう?
それは私達人間の視界が左右、横向きに広がっているからです。
そのため横写真は被写体がどういう状況におかれているのか、どういう世界にいるのかが把握しやすくなっています。
それと同時に視野が広がり様々なものが写るようになるので被写体そのものの存在感が少し弱くなる特徴があります。
そこで重要になってくるのが世界観、被写体とインテリア・副主体の一致つまり「調和」です。
横に広く広がったその空間で何を表現するか。
どんな物語をのせるか。
どの様にその子を魅せるか。
引きの横写真では特に重要になってきます。
「あとでやるから。」
2歳ってとっても不思議でとっても魅力的。その独特な世界観にわたしたちは惹きつけられます。
全部気になるし、全部やりたくないし、全部今やりたいし、全部後回しにしたい。
1歳ほど赤ちゃんじゃないけどまだできないことも沢山。おしゃべりも出来るけどまだつたない。
ぷにぷにのほっぺ
ぽっこりおなか
ちいさな身体にカワイイと、不思議と、自分の世界と。
全部を詰め込んでいます。
自分自身の世界観や、やりたい!!を隠すこと無く魅せてくれる2歳の彼らを表現するのに横写真以上に適したものは無いのではないのか、とすら感じます。
世界観を表現する。
必要な副主体を準備する。
ストーリー性をもたせる。
被写体との関係性をもたせる。
横写真を撮るにあたって大事なポイントです。
この写真のポイントは1枚の写真の中にストーリーが詰まっているということです。では細かく考えていきたいと思います。
★被写体
まず彼女自身について考えます。
ぷにぷにのお肌、まだ幼い手足、もっちりほっぺ、ふわふわの髪の毛。
そしてとっても女の子らしい顔つき。
内面はとっても素直で天真爛漫。人懐っこくなんにでも興味を持って遊びます。
おうちではイヤイヤ期なのだということもママさんから伺いました。
彼女の魅力を表現するためには過度な装飾はなくシンプルなコーディネートに。
オールホワイトで白いもっちり肌を魅せます。
大きめなタンクトップをワンピース調に着て、ぽっこりとしたお腹のラインがちょっぴり覗くようにしました。
★光
本当に愛らしい彼女。
思わず何度も抱きしめてあげたくなってしまうそんな彼女は優しい光の中で、包まれるように。
柔らかい光を肌に載せて。そんなイメージで撮りたいと考えました。
大きな窓の正面に構えて、逆光を使用しました。
光は部屋全体に周り彼女の世界を明るく照らします。
光が回るというのは嫌われることも多いですが意味があればその限りでは有りません。
光も彼女の世界の一員です。
ただしその中でも光が強く当たる位置に彼女に来てもらうことで彼女の輪郭に光を当て、縁取ることで存在がボケてしまわないように気をつけます。
★インテリア(+副主体)
引き写真、特に横写真でとても重要な背景、副主体等の設定。
ただ配置するだけではなく一枚の写真を見たときにそこにストーリー性があるか。
被写体との関係性がわかるかが重要です。
彼女が興味を持ったものをすべてぶちまけて、彼女の後ろに配置します。
脱ぎっぱなしの服、倒されたかごにひっくり返った本。
彼女の興味の足跡をたどるようです。
あれもこれも気になって、やりっぱなしで次のなにかに手を出して。
2歳の子供の行動そのものです。
この副主体たちがなければ彼女が何をしているのか、どういう状況なのかということもわかりませんし、見える床の面積が彼女の体よりも大きくなりそちらに注意が散ってしまいます。
写真において空白を開けるのは基本視線の先や被写体の顔の向いている側がセオリーです。
そうでないということはそこに相応の理由があるということです。
1つ散らかして、ほったらかして次に興味が湧いて。また次に。そしてまたひとつ。彼女の後ろには彼女の興味を持ったものがぽつぽつ。
このとっちらけのおもちゃ箱のような空間、その状況こそ彼女の世界そのものだと思うのです。
興味があるものはみて。触って。学んで。それが2歳。それがとっても魅力的でとっても愛らしい。
ちらけたっていい。
それがあなたの今をみせてくれるなら、わたしはそっと、シャッターに収めるだけ。
ママには怒られちゃうかもしれないけれどね(笑)
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