Photogenic
新横浜店
存在
投稿日:2019/6/30
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photo&write by Ara
codi by Piiichan
@shinyokohama
■主題
前回の写真分析で広角の写真に関して述べたが、今回は真逆の望遠での写真。
今回、写真の主題として200mmが設定されました。
新横浜店で200mmの写真が撮られているか確認したところ、子どもたちのクローズアップなどではよく撮られていますが
新横浜店の内装は仕切られたフロアのため150~最大でも180mm前後の写真は多いが中々200mmで撮影されることが少なかったです。
この「仕切られたフロア」という考え方自体が自分たちの慣れではないかと考え、店舗内のカメラマンで
望遠200mmで撮影できる環境が本当にないのか確認し答えはもちろん全然あるということで撮影者の固定概念であることが理解できました。
では、撮影できる場所はあるから撮影しよう!という訳には行きません。
これまでの写真分析で述べてきた通り、撮影者(カメラマン+コーディネーター)と被写体となる子どもたち、ご家族様との関係によって写真は変化する点。技術的観点も必要であり望遠200mmの特徴をカメラマンだけでなくコーディネーターも理解して撮影することが重要です。
※画角が狭くなる、遠くにあるものが近くに見えるような圧縮効果が出る、ボケ感が出る、撮影者と被写体に物理的距離が出る...
今回200mmで撮影するにあたって技術的観点を理解した上で、特に意識した点はカメラマンの存在を消すこと。
私の撮影のスタイルは基本的に声をかけながらワイワイ撮影するスタイルですが、基本的にカメラ目線やカメラマン(私)が存在している写真が多い傾向です。物理的に距離を離すことができる200mmの特性を活かした上で撮影をしなければ自分自身の変化にならない。
この1枚が生まれていくまでの過程と判断を述べていきたいと思います。
■出会いと判断
撮影前から「200mmで写真を撮る意識はある」とコーディネーターであるPiiichanには伝えた状態でご家族様と出会いました。2年ぶりのライフスタジオ、入学の記念、ママからの情報では人見知り、パパからのご要望で撮影は楽しくお願いします!と来店カードに記載があり、あらPでボケてみる、人見知りどこ行った?
という状況で撮影はスタートしました。
入学の記念から、カジュアルの2シーン目、最後の洋服を見た時にPiiichanがCoordinateしてくれたアメカジ系の洋服でした。
彼との撮影中から、私達の声掛けや掛け合いにより彼と私達の関係は楽しい雰囲気のまま撮影していく流れができている点を判断した上で200mmで狙いたいと撮影前にpiiichanに共有しました。
200mmの特性を活かせる新横浜店の廊下には最近できたニューインテリア:レコードショップがあります。
アメカジの洋服を着て、いまからレコードショップにお出かけしに行こう。ここではどんな音楽が聞こえてくるか聞いてみよう!
最終的にはレコードショップにたどり着くぞ!と事前にご家族様や本人に楽しくストーリーを伝えて撮影をします。
イメージを共有することはカメラマンとコーディネーターの連携を強めることもできる点と、子どもたちやご家族様の何が始まるかわからないという
不安な点も解消できる効果があります。楽しく伝えるのは私の役目だと理解した上で。
ドアを開けるところから、レコードショップへ向かうようなイメージで撮影を進めていきますが、普段であれば意識していなかった廊下の途中にある部屋からの光や、階段近くの窓から差し込む光、フォレストと呼ばれているもう一つのお部屋からの光、全てを遮光した上で可動式ライトボックスを一灯のみつけて彼を際立てるための半逆光からライティング。直接光を当てると強い光になってしまうため、前ボケによる扉のガラス面がうまく彼へ当たる強い光をスモークがかかったような柔らかい光へと変化させます。
また、望遠で圧縮効果をうまく利用し、背景のレコードやアンプの位置を整理した上で写し込むことによりレコードショップの関連性を植え付けた状態で彼にヘッドホンを渡します。背景の整理がもし出来ていなかったら、無駄な余白が生まれとレコードショップとの関連性は生まれていないと思います。
ここまでの過程では、他の写真も見ていただくとわかりますがかなりのボケや声掛けなどが生まれていますが、
存在を消すためには最初にお伝えした関係が重要だからです。
私はドア越しで撮影をしているため廊下には入れていませんが、連携しているpiiichanも隠れながら声を張り上げて彼に伝えます。
ヘッドホンを渡した状態でいまから聞いてみようと伝えた状態でシャッターを切りました。
主題の200mmを意識したことで技術的観点ももちろんですが、自分自身に変化をもたらしたのではないかと感じます。
技術的要素はもちろんですが様々な観点から写真に対してもっと取り組まなければいけないと感じさせる主題だったのではないかと。
存在をあえて消すには勇気と判断が必要であり共有しながら仲間を信じ撮影を楽しい空間で過ごしながらも選択していくことがこれからの成長につながると思います。
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