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「らしさ」を映し出すために

投稿日:2019/4/11

1852 8

photo by Chappy
cordi by Momoka Matsumoto
write by Chappy

 

-I’m beautiful in my way
Cause God makes no mistakes
I’m on the right track baby
I was born this way
Don’t hide yourself in regret
Just love yourself and you’re set
I’m on the right track baby
I was born this way-

Song by Lady Gaga

 

「らしさ」ってなんだろう。

社会人になるにあたり、必ずどこの会社に

入るためにも面接が控えています。

義務教育を経て、履歴書を書き、自分がどういう人間かを相手に伝えることが求められます。

しかし、自分のことを本当に理解している人は

果たしてどれくらいいるのでしょうか。

「らしさ」を武器として扱える人が

果たしてどれだけいるのでしょうか。

 

幼少期の頃から僕は男らしくない

と言われることが多くありました。

それは身長があまり高くないからか、

細身な体型だからか、

それとも趣味が運動ではなく歌うことだったからか、

理由は分かりませんがとにかくそう言われてきました。

しかし男の子だからこうだろう。

女の子だからこれが好きでしょう。

という考え方にはずっと違和感を覚えていました。

世間一般の「らしさ」・「普通」にあてこまれる個人に、果たして「自分らしさ」など存在するのだろうか。

そんな斜めな目線から世間を見ていた自分には、

当初この世界は輝かしいものではありませんでした。

 

そんな僕の転機は洋楽にふれた際に訪れました。

言葉や文化、価値観も違う彼らの音楽には

個性が溢れていました。

その中でも特に感動を覚えたのが冒頭に記載した

Lady GagaのBorn this wayという曲です。

 

「あなたがあなた自身を愛し、

あなたらしくいることこそが美しい」

 

そんな意味をもつ歌詞があまりにも衝撃的だったことを

今でも覚えています。

その時はじめて、ありていかもしれませんが本当の意味で

自分を認め、好きでいようと思えるようになり、

それと同時に、人と接するときに何かにあてこめよう

とするのを止めました。

 

その人には、その人しか持ちえない

魅力があるのだと信じて。

 

今回は日々、その人らしさを残そうと奮闘する中で

撮影した1枚の写真を分析していこうと思います。

 

写真分析「らしさ」を映し出すために

 

ポートレート撮影において、その人のみが放つ

「らしさ」を形にすることは、

美しい写真を撮る上で必要不可欠になります。

そのため日々の撮影で、人と向き合うこと、

その人を観ることを怠ってしまうと

いい写真は絶対に生まれません。

だからこそ最初の挨拶から、

こちらの投げかけに対しての反応から、

趣味の話から、その人のことを

ずっと観るようにしています。

 

写真の彼女は7歳の七五三撮影で初めてライフスタジオを訪れました。天真爛漫で可愛い弟がいる彼女は

しっかり者のお姉ちゃんで、着物を着ることに少しの緊張と期待を帯びた目をしていました。

着物撮影を終え、カジュアルな服へと切り替わる時に彼女から「服はこれが良い」「髪をお団子にしたい」と

希望がありました。

 

選んだ服はモモちゃんが提案したコーディネートの中でも比較的にクールな印象をもつモノトーンの服。ヘアセットを受けているときに好きなディズニープリンセスはジャスミンと答える彼女。そのほかにも学校の話や習い事の話を繰り広げている最中、彼女はカッコよさに憧れているのではないか、そう会話の節々から感じました。

 

女の子だから必ずしもドレスが好きではないし、プリンセスも守られるだけではなく自分から戦いに繰り出すこの時代。僕は彼女の憧れに少しでも写真を通して寄り添いたい、そう思い撮影に臨みました。

 

最初はコーヒーカップを片手に夕暮れのアンニュイな感じを演出しようと試みました。ポースが上手い彼女はもちろん絵になりましたが、おそらく大人に作りこまれたカッコよさは彼女の思い描いたものではなかったのではないか、そう感じました。

 

次に廊下で撮影しよう、そう決定した理由には強く西日が差し込み、その光量の強さが彼女の思い描くカッコいいを引き出すキーになると考えたからです。

 

強い光は明るさと同時に色濃く

影を作り出すことが出来ます。

そして影をより生かし、彼女に集中するために

色をモノクロに絞ることにしました。

 

色は様々な情報を与えてくれます。

それこそ赤やピンクは女の子らしさ、

青や緑は男の子らしさを。

ではモノクロの世界ではどうでしょうか。

色という概念を越えて残るもの。

それこそがその人「らしさ」なのではないでしょうか。

 

彼女がもつ、彼女らしいカッコよさを。

 

そのための声かけは、一緒に撮影に入った

モモちゃんにすべて任せました。

なぜなら彼女がもつ魅力を言葉なく共感できている、

そう実感していたからです。

(言葉数少なく直観的にとらえる僕とそれを観察し察するモモちゃん。そんな撮影スタイルも僕たちらしさなのかもしれません)

 

強い光の方に眼差しを向け、

少しまぶしそうにしている仕草、

右手の力が少し抜けるのを見計らい

シャッターを切りました。

 

モニターが終わってから彼女に言われた、

「あの写真が、撮影がすごく良かった」

その一言だけで、大げさかもしれませんが

カメラマンで良かった、そう思えました。

 

これからも自分らしく、

あなたらしさを映し出していけるように。

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