Photogenic
新横浜店
距離
投稿日:2019/3/19
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photo&write by Ara
codi by Piii
@shinyokohama
家族写真はライフスタジオ の本質と言われるくらい関係を大事にしている私たちだからこそ撮影ができることです。
家族の大切な思い出の中に私たちの要素が加わり家族写真は構成されていきます。
前回の写真分析「声が聞こえてくる」で私が大事にしているアイデンティティー、
自身のスタイルを述べさせていただきましたが、自身のスタイルだけではただのエゴになってしまうため
「家族との距離感」をとても大切にしています。
今回ありがたいことに昨年撮影させていただいたご家族様から指名の連絡をいただきました。
「娘たちも撮影後からずっと会いにいきたいと言っているんです」
「ブログやインスタのライブ配信などずっと見てました。私たち家族はあなたのファンです」と。
カメラマンとしてというよりか、一人の人としてこんなにありがたい言葉はない。
自分は家族の前ではエンターテイナーになることを意識していつも全力で撮影するスタイルです。
自分を作っているわけではなく、それがありのままの自分で家族と関係を深めたい、また会いたいという思いで一つ一つの撮影を大事にしています。
今回、指名をいただいたご家族様を撮影させていただいたのは昨年の同時期。
当時ママのお腹には赤ちゃんがいました。今回は産まれて五人になって初めての家族写真。
「もう1歳になるんですね!あらちゃんはスーパーあらちゃんになったので5人になって初めての家族写真、盛り上げながらしっかり撮りますね!!」と電話越しに伝えて当日を迎えることになりました。※いつも自分にプレッシャーをかけるように。
再会できるご家族様に家族が増えて撮影する機会はこれまでもあるが、
私のファンであるとしっかり伝えてくれた、自分を必要としてくれているご家族様の期待を超えたい想いが高まります。
自分が撮影したい写真ではなくご家族様との想いをリンクさせて一緒に空間を作りながらイメージを膨らませていく。
そのために事前の準備が必要なため昨年話したことを思い出しながら。
当時、現在は横浜青葉店のこばちゃんと一緒に撮影に入りましたが
一緒に撮影する際のスタイルは漫才でいうと私がボケでこばちゃんが優しいツッコミといったところだろうか。
とにかくワイワイ楽しく元気に撮影したことを覚えている。
・お姉ちゃんは優しく見守るタイプで私のギャグにも優しく笑ってくれていたな
・妹ちゃんは末っ子らしさが伝わる元気な様子で私とプリキュアの話で盛り上がったな
・パパママも笑顔が優しく私たちと子供達が触れ合っている様子を優しく見守ってくれていたな
と思い返しながら昨年の家族写真を1枚1枚見てみました。
そこで、昨年の写真を見て気づいたことがありました。
全ての写真に私が存在していること。
家族との距離感を大事にしているからこそ笑顔の写真を引き出そうと
物理的に距離が近く、カメラ目線をもらうことを意識するなど
1枚1枚に私という存在を感じさせる写真が多くなっていたことに気づきました。
もちろん前回を否定するわけではなく、今回は指名を受けた私だから、みなさんを知っている私だから残せる写真を撮りたい
何か昨年とは違う新しい印象を与える写真を残すことはできないかと考えました。
自分のスタイルも貫きながら産まれる前から知っているあなたも含めた5人の関係を残せる写真を。
当日を迎え久々の再会は少し互いに照れながらもすぐに慣れていきました。
この1年間の話や互いの近況を話しながら。
その後、事前の準備は当日も続きます。観察です。
新しく家族の一員に加わった三女の様子と姉二人の様子。
長女は妹を抱っこしたりいつもママのお手伝いをしていると教えてくれました。
また、カメラマンの私が抱っこしても泣かないから人見知りはないなと感じます。
真ん中の次女は昨年の末っ子らしさはなくなり「私だって抱っこできるんだよ!」と
妹ちゃんを抱っこしようとしたがちょっと妹ちゃんが苦しそう。
妹が出来てお姉ちゃんという自覚ができたんだなと感慨深くなりました。
長女の影響もあると思います。姉がやっているから私もやりたい、負けたくない、私だってできる!
「私だって成長したんだから」という様子を私に見せたい思いがあるんだなと嬉しくなりました。
そんな様子をパパママは優しく見守りながら。
この関係を残してあげたいな。そんな気持ちを持ちながら撮影に入りました。
家族写真は1カットで終わりではありません。
ストーリーを作りながらママと三女二人だけの時間、
姉たちがママを求めてママと一緒にいる時間、
パパも合流して家族団欒の時間を切り取っていきます。
そこには私の存在も残しながら。
存在というのはカメラ目線をもらったり物理的な距離を近づけて撮影することで笑顔を引き出していくことです。
関係は昨年からずっと続いているから標準レンズで近い距離で楽しく元気に。
パパと下の子の撮影から仕掛け始めます。
仕事休みのパパがお家でゆっくりしている時に三女と遊んでいる。
そこに興味を持った姉二人、家事を終えたママが集まっていく日常をイメージさせていきます。
3姉妹+ママ+パパ と考えた時にパパは一家の大黒柱でもあるため
目立つセンターに寝転んでもらいました。休日でリラックスしながらというイメージで。
3女はパパの上に飛び乗り高い高いや一緒に遊び始めます。
姉二人はパパの後ろに座ってもらい妹ちゃんと一緒に遊びながら動き出さないか見ていてとだけ伝えます。
15:30以降の西日の光は強く、後ろに配置したことでF値は絞ってシャッターをきっていきます。
最後にママへ「パパの頭の方に立ち膝で座ってください」とだけ伝え
そこで私たちは家族たちから物理的な距離をとるため一歩引きました。
これが前回との違いです。
私という存在を消すために物理的な距離を置くこと
そしてママを登場させることで普段、ママと一緒にいることが多い三女はママへ向かうはず。
ママへ向かうということは全員の視線が3女にいき、動かないように見ていてと
伝えていた二人にはそれぞれの個性が出るはず。
目線がカメラを意識せずに距離をとった私たちは家族の日常を切り取る準備ができるはず。
あとはどう行動するか賭けてみます。
三女は予想通りママへ向かいパパの顔を横断しようとし始めます。
その様子を見守る優しいママ、パパは驚き、そして姉二人の個性がでます。
長女は優しく笑みを浮かべながら見守り、次女はちょっとダメだよと足を引っ張り始めました。
楽しい雰囲気となり、声をかけたい気持ちをぐっとこらえながら
心の中できたきたきたー!と叫びながらシャッターを切ってベッドの家族写真の締めカットにしました。
最後のモニターの時間でこの写真の反応はもちろん気になりました。
この写真が流れた時に「ははは!これすごい!」と声が聞こえてきた時によかったーと安心感が。
今回の写真分析のタイトル「距離」というのは二つの意味があります。
物理的な距離と心の距離です。
これまでは家族との関係を関係をと自然と距離が近すぎたこともあり
声をかける、カメラ目線が多くなることもありましたが、
自分の距離をあえて引いてみる勇気と和智ファミリーから事前に伝えてくれた
指名と昨年からの想いをしっかり聞くことができて心の距離が近いからこそ残せる写真があると思い
今回チャレンジしてみた結果、家族の日常の声が聞こえるような、二つの距離を意識した写真となりました。
自分自身は今後もオープンな関係をご家族様に提供していきます。
もし自分を必要としてくれるご家族様がいるなら声をかけてほしいです。
私は全力で応えていきます。関係という距離が近いほど家族らしさを残せるから。
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