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新横浜店
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考え、悩み続けること

投稿日:2019/1/24

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photo by Chappy
cordi by Momoka Matsumoto
write by Chappy

 

ライフスタジオらしい写真とは
<被写体とインテリアの一致>
がなされることである

 

 

よくフォトジェニックの文章を読んでいると
出てくる言葉があります。
それが<被写体とインテリアの一致>です。
もちろん、初耳の方だったら一体何を言って
いるんだろうかと首をかしげる人の方が多いと思います。
これを噛み砕いて説明するのであれば、ライフスタジオのインテリアについて知る必要があります。
ライフスタジオのインテリアは撮影における大きな役割、背景を担っています。
もちろん、被写体ありきの写真スタジオ
ではありますが、背景次第で写真の内容が
大きく変わることは言わずもがなです。
(例えば旅先の観光地で撮った写真と
自宅前で撮った写真との違いのように)

だからこそ、ライフスタジオのインテリアは
全てスタッフが手作りで作っています。
もちろん業者にお願いすれば完成度も高く、新品で、
キレイな仕上がりになるとは思います。
ただ果たしてその背景で撮る写真は
ライフスタジオの写真と呼べるのでしょうか?

おそらく答えはノーです。
スタッフが作っているからこそ撮影をする時に
どう写るのか、どんな色味で、質感で、
光が当たるとどう変わるのか。
細かい部分まで考え抜きながら作られているからです。

さて、インテリア単独の話はここまでにして
次は<被写体とインテリアの一致>についてです。
今度こそ簡潔に述べるのであれば、被写体と背景とに
違和感がないことを意味します。

例えるのであれば、ベッドの上でかっちりスーツの
セットアップを着てきめきめのポーズを
とっているようなイメージはどうでしょうか。
ベッドの上でそんなことしませんよね?
服装についても同じことが言え、自宅でよし寝よう
という時にセットアップを着こなす人は
なかなかいないんじゃないでしょうか?
ベッドであれば柔らかい素材感の服を着て
ポーズもかっちり決めるというよりは、
自然体な方がイメージに合いませんか?

ざっくりと述べるとそれこそが
ライフスタジオの目指す
<被写体とインテリアの一致>です。

 

新横浜店の七五三について

 

七五三の撮影が新横浜店でもついに始まり1週間が
経ちました。新横浜のインテリアに合わせ、
モモちゃんがセミオーダーで依頼をかけた着物たちは、
想像以上にスタジオにマッチし、
どんどんカメラマンの写欲を刺激しています。

この着物を着た子はここで、
こんな小物で、
こんな画角で…

色々なアイディアが交わされる中、必ず忘れないように
心がけていることは、被写体のこと、そして
<被写体とインテリアの一致>を図ることです。

普段着物を着る機会がない子ども達は、着物を脱ぎたい
気持ちと戦いながら撮影に臨んでくれます。
その気持ちを上回る楽しさを提供すること、
その頑張りを写真という形にすることこそ
僕たちが行うべきことだと考えています。

そして写真で残すのであればより美しい写真を、
その子らしさが表れた瞬間を収めることが
カメラマンとしての責任だと
日々実感し、撮影に臨みます。

 

美しい写真について

 

それは最初に述べたように<被写体とインテリアの一致>
がなされていることにありますが
ここで1つの懸念点が出てきます。

インテリアを入れるのであれば必ず全身が入った
引き写真になるのではないか?

もちろんインテリアを入れて撮影するのであれば
インテリアの全部を写真の中に収める方が簡単です。
しかし、一歩間違えると人物写真であるポートレート
ではなく主体がインテリアの写真になってしまいます。

では寄れば良いのか?

ただ寄るだけでは人物のみが切り取られ、
インテリアも歪な形で映り込むでしょう。
つまり大切なことは何をどれだけ入れるのかにあります。
被写体を、インテリアを、服を、小物を。

言葉にすれば一見簡単ですが、この物理的な要素にプラス
されるのは、光であったり被写体の意思(表情や仕草)
であったりと、僕たちが100%コントロールすることが
できないモノです。

だからこそ美しい写真を撮ることは難しく、
だからこそ楽しみが尽きないのだと思います。

 

写真分析「考え、悩み続けること」

絞り3.5
ISO200
シャッタースピード1/125s
望遠レンズ102mm

 

4人姉弟の末っ子である彼は誰に対しても
愛らしい笑顔を振りまく愛されボーイ。
自分に注目が集まることが好きな彼は、
上の兄姉のソロを撮っている時も「撮って~」と
僕の隣で声をかけてくれるようなおちゃめな子でした。
そんな彼の性分は着物に着替えても変わることなく、
撮影は円滑に進んでいきます。

ホリゾントでのしっかりとした写真を撮り終え、
インテリアでの撮影に移行しようとした時、
薄っすらと一筋の光がベッドサイドの
窓から差し込んできました。
彼の3歳らしい肌の透明感、
カールした髪の毛と淡色で柔らかな着物。
そのすべてが白く優しい光の雰囲気と
マッチしていました。

当初思い描いていた撮影場所を変更し、
一緒に撮影に入っていたモモちゃんにその旨を伝えます。

ベッドと着物。

その違和感を埋めるためにモモちゃんが用意
してくれたのは大きなトランクと1冊の雑誌でした。
インテリアや小物、被写体である彼に対するイメージとを頭の中で再構築し、新たに撮影のテーマを考えます。

「…そうだ、旅にでよう」

彼の前途洋々な雰囲気と新しく七五三を始める自分たちとを重ね合わせテーマを決めました。

次に考えるのは撮影の流れについてです。
最初は本を読み旅先を決めるところから始め、
荷物の準備、楽しみにしている様子、
旅行日前日のワクワクと緊張、
そんなストーリーで撮ろうと考え、撮影を進めます。

インテリアを切り取る範囲や入る角度、
光の量に合わせたカメラの設定、
前ボケの量や種類、その全てに神経を集中させ、1つ1つ
変えながらその子に最も似合うものを探し続けます。

適度な声掛けはモモちゃんに託し、
ここぞと言う時に彼に声をかけよう、
そう心の内で決めながら。

そして、その時はやってきます。
「今そこに靴はいくつある?」
彼に入るような言葉を選択し、そこから生まれる動きを
予測しながらレンズ越しに彼を見つめます。
「い~ち…」と動き出した手と彼の表情を見て、
レース越しにシャッターを切りました。

後ろの背景はぼんやり輪郭が残り部屋感を
出せるようなトリミング・絞りを設定。
キーアイテムであるトランクと雑誌を
しっかり入れつつも、硬い質感を和らげ
統一感を出すためにあえてフィルター効果として
レースを全面に入れます。
ISOは彼の真剣な表情に合わせること、
世界観やストーリー性がより伝わるよう
あえてアンダーにしました。

被写体・インテリア・小物、
今の僕にできる計算をすべて詰め込み、
考えながら、悩みながらも、モモちゃんが
協力し任せてくれたから撮れた1枚です。

新しい七五三のスタートを切った新横浜店。
これからも考え悩み続けながら、
ライフスタジオらしい、
美しい写真を撮ることを目指します。

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
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