Photogenic
新横浜店
雰囲気を裏付けるもの
投稿日:2018/8/24
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photo by Akane Ouchi
cordi by Kaori Sasaki
ライフスタジオでは目線・笑顔・日の丸(体の部位が切れていない)のような昔ながらの日本の文化(良し悪しは別として)に沿った写真以外のものが日常的に撮影されています。
その理由の一つに、「その子らしさ」を撮影に入るカメラマン・コーディネーターが考え、できる限り写真の中に収めようと葛藤し、試行錯誤し続けているからです。
上記の中にはこの女の子の写真のように、目線を外し、笑顔ではない写真ももちろん含まれます。しかしこの写真には、見た人の目を思わずくぎ付けにしてしまう、言葉に表しづらい雰囲気が凝縮されているように思います。
そもそも雰囲気とは、表情、色合い、仕草(ポーズ)、ロケーションなど様々な要因が重なって感じ取られるものです。ただ、この写真ではもちろんカメラマン、コーディネーターの意図が反映されていて、あくまで「その子らしさ」を表現するために人為的に環境を作り、その瞬間を狙ってシャッターが切られていることがわかります。
【表情】
笑うわけでもなく、かといってカメラ目線なわけでもなく一点を見つめています。そこから読み取れる感情は気怠さ(アンニュイ)や寂しさ、あるいは見る人によっては無なのかもしれません。
【色合い】
全体的に落ち着いていてどちらかといえば暗めの色が使われています。彼女が身に着けているのはグレイッシュピンクという灰色がかった薄い素材のシャツで、背景であるブラウンのブランケットとマッチしています。またブランケットにあえてしわを作ることで影を作り出し、奥行き感だけではなく、彼女の髪の色とも統一感を作り出すことができます。
【仕草】
ベッドに寝転び、顔の下で手を組み、1点を見つめています。あえて日常感を演出するため、また彼女自身の表情を引き立たせるため髪の毛は少し乱れた状態のままにしています。
【撮影技術】
目線の先に空間をあけること、それによって上記の彼女を引き立たせる距離感を写真の中に作り上げることができます。また頭頂部や胴体を、写真にした際に不自然でないよう極力トリミングすることで、彼女自身へとフォーカスが当たるような絵作りとなっています。使用されている前ボケは、写真の中に含まれる薄いブラウン系統の色を使用し、被写体の右目ぎりぎりまでかけていることがより前述のフォーカス効果を助長させています。
「その子らしさ」を演出すること、その魅力を写真の中にできるかぎり美しく収めること
それを目標に、自身の技術向上として、これからも写真の美しさを分析し、糧にしていきたいと思います。
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