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新横浜店
scrollable

”らしさ”を誘導する

投稿日:2018/8/15

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photo by Ara

codi   by Yuki

@shinyokohama

 

●特徴の話

前回の写真分析では「イメージ」を超える という写真分析を行った。

12歳の子供だと自らの意志を持ち、自分の中でのイメージが構築されているケースもあるが

年齢が幼い子供たちはどうだろうか。2歳や3歳の子供たちに"どんな写真残したい?"と聞いても

もちろん答えられる訳がない。

 

私達ライフスタジオでは年齢に合わせた子供たちの発達と特徴などの勉強をしており

年齢に合わせた接し方を心がけている。

 

この写真に写っている子は2歳になって数ヶ月という年齢だ。

2歳の特徴は、1歳の時に比べて歩くことから走り出すようになり

色や数字、体の場所(お鼻、お口、頭どこ?)の認識ができるようになってくる。

 

自分の名前や挨拶など簡単な会話のキャッチボールも出来始めてくるのが特徴だ。

そして何よりも一番が自立心が芽生えてくることが特徴である。

いやいや期と呼ばれるものだ。

 

自らの意志で決定をし行動をする

子供によっては意志が固く自分がやりたいこと以外はしたくない

ということもあり2歳らしいな と思うときも多々ある。

 

子供たちがやりたい遊びなどをずっとさせてあげたい気持ちもあるが

我々は写真館。私達はご家族様からのイメージをお伺いし

自分たちのイメージと融合させて写真と空間を作っていく。

 

子供たちの意志を尊重しながら写真を残していくためには

私達が思っている構図や動きを無理やりさせるのではなく

子供たちに寄り添い、様々な遊びを通じて

 

・その子自身の仕草

・その子自身の表情

 

を引き出すようにその子らしさを誘導していくことが大事である。

 

●撮影前

ライフスタジオでは撮影前にママさんもしくはパパさんと電話で

お話することはみなさんご存知だと思うが、

今回のご家族様は初めてのご予約だった。

 

事前の電話情報によると大きく3つのことが印象に残った

①娘さんは極度の場所見知り 慣れるまで1時間かかるかもしれない

②新しい家族がお腹にいるので3人で写真を残せる機会も少ないので予約した

③パパが誕生日で祝いたい

 

正直な話、場所見知り・人見知りに関してはよくあることだが

初めての予約でしっかり写真を残すことができるだろうか

という不安な気持ちと家族の今の姿をしっかり残したいという気持ちは電話越しに伝わった。

不安な思いを当日楽しい思い出の空間に変えられるようにしていこうと思い撮影日を迎えた。

 

●撮影日当日

この日は青葉店と交換勤務を1ヶ月していただいた れいりさんが

新横浜店での勤務最終日だったので私と振り返りMTGを行っていた。

 

れいりさんのブログを見ていただくと分かる通り、

顧客に対しての思いやりや行動に対して型にはまらないやり方が多く

新横浜店全体でも非常に参考となる有意義な1ヶ月であった。

 

アドバイスを頂き、今回はパパの30歳誕生日祝いも兼ねているので

30歳のボードを準備して撮影を盛り上げようと企画をしてみた。

 

家族の繋がりとパパのお祝いの準備万端?でご家族様を迎えた。

どれぐらいの場所見知りなんだろうか。

 

この日はゆきちゃんとペアで撮影に望んだ。

互いにコーディネートもカメラマンも行っているので

今どんな構図でどんな瞬間を狙っているのかなど意志の疎通は普段からとれる。

 

来店後、メインルームにご案内しママやパパから離れられない様子が感じ取られた。

そこで私達が牙城を崩しにかかる。積み木崩しとくまちゃんぬいぐるみタッチで

コミニュケーションをとってみる。

 

すると、徐々にではあるが彼女の心が開放されてくる。

笑顔が出てきた。ママの顔からも安堵の表情が。

 

こんな場面で私達は心の中で「きた、きた、きたーーー!!!」と叫んでいることが多い。

事前の情報を聞いた上での行動を行い、安心していただくことまではできた。

あとは実際の撮影の雰囲気やどんな写真を残すかだ。

 

お洋服を選んでくるので少しお待ち下さいねとパパママにお伝えし

カメラマンとコーディの作戦会議。

 

私とゆきちゃん二人共、感じたことが一緒だった。

 

「笑顔もいいけど自然な仕草、動きに雰囲気がある」

「なるべくシンプルなテイストにしていこう」

 

ドレスともう一着は

白のトップスにベージュのショートパンツにスニーカー

なるべくシンプルに。

 

撮影がスタートし家族写真の時にはパパへのサプライズボードで

笑いが起きたり、お腹にいる新しい家族がわかるような写真などを残していった。

 

そして娘ちゃんのソロ撮影が始まると場所見知りはどこにいったのかと

思うぐらい走り回っているではないか。

そこで、冒頭で述べた”らしさ”を誘導するために

様々なアクセサリーを準備し流れを作っていく。

 

・その子が興味が沸くように

・その子が動きたくなるように

 

●今回の写真

最後の3シーン目 

 

シンプルなお洋服に着替えてピクニックしに新横浜店のフォレストで撮影後、

バスルームへ向かった娘ちゃん。

 

2歳らしさ、その子らしさを誘導してあげることが大事

 

ここは自分のバスルーム

 

脱いだ服は投げ捨てちゃえ

バスタオルも靴もスリッパも散らかして

 

そんな動きをしているゆきちゃんを見て娘ちゃんがとる行動は2つだと予測する。

・1つは真似をし服を脱ぐ

・1つは自分の意志を貫き違う場所に行く。


1シーン目、2シーン目と

被写体と私達はこれまでの関係が構築されているので

私達はそこで服を脱ぐことを期待した。

 

脱いだときの準備は以下の通りだ

 

▽レンズ・構図

35mm F 1/160 F4 ISO800

被写体は中心に広角で日の丸構図

 

広角写真に関しては撮影の10日前に勉強会を行っていた。

 

広角で撮影することによりこの場所がバスルームであることがわかるようにすることと

被写体を中心に広角で撮ることによって起こる歪みをあえて利用すると

左側のタイルと右側の格子が奥に向かって伸びていくように見え結果として

被写体に注目できるようにした。

 

前ボケには白い椅子を使い、スリッパや靴が散乱としている場所を

うまくぼかして脱ぎ散らかした感を演出すると同時に遠近感を出すために前ボケを利用。

 

目線をもらって脱ぐと「今から脱ぐよ」と演技らしくなってしまうため

目線はカメラ目線をあえて外してもらうためにパパママゆきちゃんは写真の右側の位置に

 

そして娘ちゃんは服を脱いだ。

 

まるで自分のお家にいるかのようにリラックスしながら

服を脱いではしゃぐ姿にシャッターを切り続けた。

 

この日は笑顔の写真も、何かに集中する仕草も豊富に撮影できたが

必ず笑顔を引き出せる保証はない。もちろん私達の腕にもよることだが、

実際に来ていただくお子様の状況に合わせてその時の"らしさ"を残してあげたい。

 

撮影後にママから

「撮影の雰囲気もよかったが、一番は娘の楽しそうな姿に大満足でした。」

「次は4人で伺います」と

 

弟くんもお生まれになったそうで、次に来る時は

二人らしさ、二人だからできることを残してあげたいと今から考えている

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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