Photogenic
新横浜店
やさしさに包まれたなら
投稿日:2018/7/15
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母と子の関係性
photo by Chappy
cordi by Momo
新横浜店の撮影の特色として「家族写真をはじめに、いろんな組み合わせで撮る」という流れがあります。
なぜならいきなりお子様を1人で撮る、というのは不安や緊張感のため、
笑顔や自然体を引き出しにくいのではないのかと私たち自身が考えているからです。
大人でもいきなり知らない場所に来て、いつものようにして下さい、
いつも通り笑ってくださいと言われてできる人はほんの一握りでしょう。
空気感を察知する力は大人以上なお子様もいます。
だからこそ、信頼できるパパさんママさん、ご兄妹と一緒に撮りはじめることは、
お子様の自然体を引き出すための第一歩となる、と考えています。
その中でも小さい頃(特に1歳前後)はママさんと過ごすことが多いからでしょうか、
ママと一緒の空間が、お膝の上が、抱っこの姿勢が1番落ち着き、笑顔が生まれやすいよう、感じています。
そんな時ふと思うことは、
「その瞬間を、お子様が大きくなった時に一緒に振り返ってほしい」ということです。
成長していくにつれて、両親の元から段々離れていき、様々な社会に飛び込んでいく子どもたち。
そんな彼らのことを家族が、特にお腹を痛めて生んだママがあなたのことを
どれだけ大切に思っているのかを写真を通して感じてもらいたいのです。
余談にはなりますが僕自身4人兄妹の3番目のため、他の兄妹より幼少の頃の写真が残っていません。
だからといって両親から蔑ろにされていた訳ではありませんし、大切に育ててもらいました。
ただ僕の家では写真よりも音楽が家族の繋がりを象徴していました。
音楽好きの両親の下で育ち、車で移動する時も、家族全員で家の大掃除をしている時も、家の中には音楽が溢れていました。
そんな中、母と僕をつないでいた音楽には、ジブリ映画「魔女の宅急便」で有名な【やさしさに包まれたなら】の1曲があります。
よく成長痛で体の節々が痛くなり、寝付けない夜に子守歌として母が歌ってくれていたことを今も覚えています。
大人になった今、思えばこの曲で表現されている「やさしさ」とは母からの自分に対する愛情だったのではないかと感じています。
各ご家庭に必ずある、ママさんからのお子様への想い、そんなイメージを込めた写真を今回は分析したいと思います。
#what makes you beautiful?
(美しさの規定)
まず最初に被写体がどんな子なのかをカメラマン、コーディネーターですり合わせる必要があります。
最初に入り口で出迎えたときは寝起きだった彼。
カウンセリングの時には既にニコニコで、ママさん曰く
「ライフの人相手だとずっと笑顔なんです」とのこと。
そんなママさんのご希望は「私とこの子の2ショットを多めに欲しい」という内容でした。
まだ年齢の小さい彼との2ショット、まさしく今、この瞬間にしか残せない。
そうママさんは考えて撮影に来てくださいました。
ママさんのご希望と常にニコニコな彼、思いついたのは2人が自宅でも
やっていそうなベッド遊んでいる風景でした。
変にカメラを意識しないよう、お2人から距離を取り、
声かけはモモちゃんにやってもらいました。
ママさんには愛しの我が子を見てもらうようお願いし、
「いないいないばあ」をやってもらいました。その時ママさんが
ただお子さんに向けてやるのではなく、一緒にやってもらうようお願いしました。
体のどこかが触れ合っていることは、写真において絆や関係を
より表現することができると先輩方から学んだからです。
それが功を奏してか、ママさんの表情からは愛しさや優し気な感情が溢れていると
シャッターを切った瞬間に感じました。
彼自身も少し目が見えているからか、「いないいないばあ」が
好きだからか、いたずらな笑みを浮かべている姿を切り取ることができました。
無理のない、自然な状態での笑顔を残すことができたと思った瞬間でした。
#photo×recipe
(撮影技術)
sh 1/125
f/4.0
ISO1000
望遠レンズ
この写真を残すときに最も大事にしたのは、「距離感」です。
近すぎても意識されやすく、遠すぎても表情をはっきり映し出すことができません。
あたかも日常の風景を覗き見ているような、そんな「距離感」を演出したく望遠レンズを使用しました。
また光を少し明るめに設定することで、「母の温かな愛情」を表現しようと心がけました。
ほとんど光で見えずらくなっていますが、ガラス越しに撮影したことも
目に見えない想い(愛情)を表現するために前ボケとして加えました。
あえて1枚フィルター越しに撮ることでイメージ感をより演出できないかと考えたからです。
写真というツールだからこそできる強み。
未来への感情(この場合は幸せ)の橋渡し。
思い出を、記憶を「カタチ」にして将来への財産としてつなげられるように。
そんな思いを忘れずに、これからも家族写真を撮り続けていきたいと思います。
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