photo by Akane Ouchi
cordi by Kaori Kinoshita
write by chappy

望遠レンズの特性の1つには、ピントを合わせている部分とその前後とをぼかすというがものがあります。

前後をぼかすことにどんな利点があるかかというと
例えば輪郭がハッキリしすぎている背景をぼかして柔らかくしたり、、、
例えば前で何かをぼかすことで写真の中にフレームや色の印象を加えたり、、、

写真における表現の幅を広げてくれる、そんな大事な役割を担っています。


今回の写真では、女の子の後ろにある窓格子と同じ、白い色の前ボケ小物を使用して、彼女の足下(地面の茶色)や左側にある少しカラフルなインテリアの色味を抑え、柔らかな印象を与えています。

また今回の光は、彼女の背中側から差し込む明るい逆光であったため、ベージュのドレスと麦わら帽子、そしてマンドリンに使われている同系色の茶色が光り、爽やかな初夏のような印象が見受けられ、光を受けて透き通っている緑もそれを助長する構成要素の1つとなっています。

この雰囲気のある構図、足を組むポーズ、そして何か物言いたげなニヒルな表情を被写体から引き出せたのは、カメラマン・コーディネーターの息を揃えることができたからであり、生み出すことができる写真です。

日々コーディネーターをしている中で、ポーズの誘発、維持、表情を引き出すことの難しさを実感し、また撮影練習を行っている今だからこそ、この構図に組み込まれている技術をより読み取ることができます。

良い写真を撮るために、カメラマンとして、コーディネーターとして自分にできることをは何だろうか。

できることを増やしたいと思うのは、良い写真を見ることで、またまだある写真の可能性を感じることが出来るからかもしれない。

明日からもその可能性を掴めるよう、出来ることから実践していきたい。