@Shinyokohama
Photo by Ouchi Akane
Cordy by Ara Masaaki
Write by Kanasugi Mayu
 
「横顔」というのは難しい。
黒目と白目のバランス、顔の角度、カメラに対しての顔の向き、光の強さなど、様々な要素がピタっと一致した時に初めて「美しい」写真が生まれると考える。
 
私の考えるこの写真の「美しい」箇所は、光に照らされることによって生まれる肌の陰影のグラデーションと、瞳に強く入るハイライトのコントラストである。
同じ光が当たっていても、その対象によって生まれる質感は様々である。
私はそこが写真の面白いところだと考える。
その光の効果が鮮明に現れるのがモノクロ写真である。
色という視覚を使った認識事項を排除したからこそ、光によってそのものの形や質感がわかりやすくなるのである。
 
またこの写真では「子供らしさ」も表現されている。
それは光によって生まれる白と黒のグラデーションやコントラストである。
柔らかい腕と手だからこそ出来る柔らかなグラデーション、これは子供特有のものである。
大人であれば手先はもっとコントラストがつき、腕や首もより白と黒がはっきり分かれる部分が出てくる。
白のハイライトが入る額から鼻へのラインも、後ろがグレーの壁であることによってよりはっきりと見えてきている。この柔らかなラインも子供特有のものである。
 
つまりこの写真で撮影者は
「子供が持つ美しさを光によってラインで表現する」
ことではないかと私は考える。