Photography by oikawa
Coodi by Ouchi
写真のシャッターを押す瞬間、いつも思い浮かぶのは、”雑誌のような写真“である。
一枚でも“絵”になる写真こそ、美しい写真だ。
 
私が中学、高校の時は雑誌の全盛期で、原宿系や裏原など沢山のファッションが生まれた時代だった。
そんな時代の雑誌は、今はなき“ＣＵＴiＥ”“ＫＥＲＡ”やオリーブ、ジッパーなど多種多様なファッションが生まれている。
ＫＥＲＡという雑誌は読者モデルの先駆者で、
高校生の私は、読み漁るように毎月購買していた。
そして、日本だけでは止まらず、“ファッション通信”という番組を毎週録画し、世界の流行をもチェックしていたのだ。
”コレクション“にはシャネル、Ｄ＆Ｇなど、世界の名だたる有名ブランドの名前があがっていた.
 
ファッションの世界は、“写真”と切っても切れない関係にある。
服が作り出す“世界観”を写真でも表現しなくてはいけないし、それはブランドのシーズン展開によって写真も変わっていた。
ファッションにあわせ、モデルが色々な表情をし、その一瞬をカメラマンが撮影する。
それは、私にとって“かっこいい世界”だった。
 
いつも私が撮影する際、自分の心の中にあるのは、あの当時の雑誌達である。
雑誌の写真は“かっこいい写真”であり、かっこいい写真こそ、私の中の“美しい写真”である。
 
7月にリニューアルオープンをした新横浜店。

撮影の合間に元気いっぱいな姿を見せ、おどけてみせる“彼”だった。
色んな表情を残しつつ、自分の心の中で撮影したい写真は明確だ。
それは“雑誌のような写真”であり、かっこいい瞬間でもある。
そんな彼にポーズを色々話ながら、色んな角度で撮影をした。
体の角度、表情、インテリアの条件。
それがすべて合わさった瞬間この写真は生まれたのである。