Shinyokohama Photo
Photo by Ouchi
Written by F.Kaori
 

なぜ被写体を写真のど真ん中にもってこないのか。
被写体の一部を切り取るのはなぜか。なぜ余白を作るのか。

写真を練習する上で、私がよく悩むこと。
それは余白の使い方である。
だから今回はあえて苦手な分野について分析しようと思う。

カメラと被写体との間にカーテン
柔らかく撫でらかにそしてダイナミックなぼかしができる。
その影響で写真を占める被写体の割合が増えることにより
インテリアと調和しつつもその中でより被写体が引き立つようになる。
また、被写体は全身を入れるのではなく切り取ることで被写体の表情や、ポーズに目がいくようになる。

また遠く斜め下を見つめる彼女の上に空間を残すことによって
彼女の表情に奥行きができ、ただインテリアの写る空間だけではなく
その余白に意味が生まれ始める。
さらに前ボケを入れて被写体に被さるように薄っすらと、
暗さをプラスすることで彼女の表情が引き立つ。

安穏 憂鬱

何か考えにふけるような彼女の表情が余白に色をつける。

その前ボケによる静かな影
被写体との間にあるカーテン
そしてインテリア
その層が重なり、一枚の写真に深さが出来上がる。

一枚の写真を構成する様々な要素
同じ場所での撮影だったとしてもその組み合わせにより
また余白をどう処理するかにより全く違うものが出来上がる。
終わりがないから悩むけど、終わりがないからこそ極めたくなる。