『光と影と』

Shinyokohama Photo
Photo by Ouchi
Cordy by Fashionista Kaori
 
光がとても強くなる午後二時。
見てるだけで癒される魔法の微笑みを持った少女がやって来た。
恥ずかしがってあんまり話してくれないのだけれど、全ての問いに微笑みで返してくれる。
え、かわいい。どうしよう。
彼女のソロの撮影はドレスで行うことになった。
 
 
光から少し離したところに被写体を置くことで
なだらかに顔に光が当たり、また光の当たる面が多くなる。
そうすることでより柔らかな印象を彼女に覚える。
しかし、ただ明るくするのではなく程よく影を残すことで不自然さをなくしつつも少し非現実感を残す。
 
彼女には足を片足上げるポーズを指示する。
ドレスを通り抜ける光と少し覗いた彼女の白い足首が少女の純真さを引き立たせる。
 
そして望遠レンズを使用し背景を整理しつつも
揺れる明るい緑とそれを囲むインテリアが彼女を寂しくさせない。
それらは、必然的に被写体よりも光が注がれあたる光の量も多いので
より明るくなり、彼女を中心に溶け込む。
 
そしてこの写真の核心は彼女の右腕にかかかる濃い緑の前ボケだ。
これがなければただホワンと柔らかいだけの写真になってしまう。
（私がこんなにも堂々と言い切るのはこの写真を撮った大内さんがそう言っていたからである。どやァ）
 
 
彼女にかかるように深い緑の前ボケを入れる事でより彼女の光の当たる表情やドレスが際立つ。
また彼女の落ちた視線の先に持ってくることで彼女の表情に深さが生まれた。
 
 
少し癖があり綺麗に流れる前髪と横に束ねた髪の毛がかわいらしく揺れてくすぐり
私達を笑顔にした。

撮影終盤に差し掛かり髪を下ろす。
縛られ見え隠れしていた今までとは違った彼女の一面。
大人気なくも嫉妬してしまうくらいに美しく、儚さまでも感じるほどに輝いていた。

新たな彼女の魅力に出会った瞬間だった。