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shinyoko photo 50

投稿日:2015/2/28

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写真の表現手法の一つであるモノクロ。

カラー写真の中に数枚モノクロ写真がはいるだけで、全体のイメージを大きく変えてくれます。

ですが、どのような写真にもモノクロがイメージ的に合うかは必ずでは有りません。

モノクロの特徴としては、写真にイメージを強く持たせる役割が有ります。

カラーでは表現しきれない撮影者のイメージを白と黒以外の色を排除し表現する物です。

 

モノクロは人により様々なイメージを持っています。

レトロ、ドラマチック、見慣れない新鮮さ、想像力をわかせるなど、モノクロに対して思う感覚は皆それぞれに持っています。

どの感覚が正解か不正解かを決めることは出来ません。

その一枚が、持たせたかったイメージを表現できていればその写真は成り立ちます。

 

私の感覚として、モノクロは『より強く印象づける』を目的として撮影をします。

光や、衣装、背景などの白と黒のバランスももちろん毎回気にしますが、その条件だけでモノクロで写す事は少ないです。

75カットの中に入る時も有れば入らない時も有り、入れる場合でも枚数を決めている訳でもないのですが、より印象的な物はそんなに多く存在する必要も無く、その一枚が大きな存在感を放ちます。

この瞬間、これをのこしたいと思った瞬間自然と写真から色が抜けて行く、そんな感覚でしょうか。

 

カメラの設定でいつでもモノクロで写す事は可能ですが、表現手法を活かすには明確な狙いが必要です。

そのタイミングをつかむにはやはり自分の中に沢山のイメージを持つ事が必要とされます。

白と黒の割合や光により画的に美しく写る条件のみ満たしても、タイミングを取り違えればそれはただの美しいモノクロで終わってしまいます。

それでも良いのかもしれませんが、写真にはそれで良いは結局存在しません。

満足もやがて物足りなさを感じます。その時に隙間を埋めてくれるのは美しさだけでは足りなかったその何かなのではないでしょうか。

その『何か』をつかんだ瞬間、自分の写真が変化し、生命力をもった一枚が産まれます。

 

音も無く静止する瞬間。

絶え間ない運動の中で、彼の瞬間を記録する。

光、小物の配置、衣装。

 

その全ては必然と少しの偶然のために。

その瞬間、被写体である人がどのような事をするのか、全てを知っているカメラマンなどいないと思います。

そう、全てを知ってしまう事は時に可能性をなくす瞬間なのかも知れません。

だからこそ、その手前の瞬間にこそ、その先の想像に繋がる何かがあるのかもしれません。

帽子を見つけた彼のこの後の行動はその場所に居た人しか知らない。


『音無く止まる』 

見る人に想像力を持たせる写真。

そんな一枚も私たちの75枚の中で必要なのではないでしょうか。


Photo by Ryo/Coordinaite by Come
in Shinyokohama

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