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読書⑭「信念に生きる」-ネルソンマンデラの行動哲学—を読んで

投稿日:2013/9/27

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「信念に生きる」ネルソン・マンデラの行動哲学を読んで

 

Mikiko

 

私は常々、李社長の言動や行動、そして風貌から、李社長をバラク・オバマに重ね合わせてきました。人種を超えオバマから放たれる寛容・叡智・慈愛のオーラ、そして何よりリーダーシップ。アメリカ国内のオバマに対する反対勢力は強大であったため、オバマの理想の何パーセントが実現できたのかは本人にしか判らないでしょう。しかし、明確な理想を持ち国を導いていこうとするリーダーとしての理想的な姿は、李社長という人間の考えや計画を知っていけば知っていくほど、今に至るまでずっと心の中で重なってきました。

今ここにもう一人、風貌や年齢こそ重なる部分はありませんが、李社長を連想させる人物が浮かんできました。

―ネルソン・マンデラ―。

 

本の主題に入る前に、その昔、私が南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)政策について知ることになったきっかけについて、ちょっとだけ語らせて下さい。

今から約27~28年程前になるでしょうか。私がちょうど大学生の頃、欧米のロックミュージシャン達が『アパルトヘイトに反対するミュージシャン達』というグループを結成し、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)政策の象徴であった「サンシティー」という、南アフリカの超高級リゾート“サンシティー”では、どんなに大金を積まれても、俺たちは絶対にステージに立たないぞー!と叫ぶ唄を発表しました。

その頃、洋楽ばかりを好んで聴いていた私は、はじめは、大好きなミュージシャンたちが訴えているサンシティーが何なのか、アパルトヘイトとは何なのか、全くわかりませんでした。過去に世界史で習ったかどうかさえも全く記憶にもありませんでした。

しかし、音楽という世界共通の言葉を通して、このムーブメントは、“南アフリカでは、80年代にもなって、未だひとつの国の中で、白人と黒人が互いに隔離された中で共存している”そしてそれは30年以上続いているという驚愕の現実を教えてくれました。もはや人種は国境を越え、あらゆる世界の国々で共存しているのが普通であって、基本的な人間の権利を剥奪されるような、あからさまな人種差別は、大昔の話だと認識していたその頃の私にとって、この現実は本当に衝撃でした。

南アフリカでは、国の恩恵は白人のみが有し、黒人はただそこに帰属するだけ。昔のように、手枷、足枷をはめられていないだけで、生きていく中での公平性はほぼ無い!・・・。

さて、曲の方は、その前にすでに発売されていたアフリカのエチオピアの飢餓に苦しむ子供たちを救うための、イギリスはボブ・ゲルドフ呼びかけによるスーパーバンド「バンド・エイド」や、後発(真似)アメリカ発の「USAフォー・アフリカ」に比べれば全く売れませんでした。

人々も、当時のスーパーバンドブームに少し飽きがきていたのかもしれません。

しかしこの曲は、グループ本来の目的である、“反アパルトヘイト運動を世界中に知らしめる”という素晴らしい功績を残すことに成功しました。

その後暫くして、人種隔離政策が撤廃になるというニュースが流れました。そして、私はそこに、ある一人の象徴的な人物がかかわっていた事を知りました。テレビに映っていたのは、歓喜に沸く民衆の渦の中、民衆に向かって笑顔で手を振るひときわ背の高い白髪で初老の黒人。彼こそがその時に初めて知った「ネルソン・マンデラ」でした。

この映像は、あまりにも感動的でした。

20数年間も、投獄されていた黒人人種解放の運動家が、長い長い間、孤独の中、筆舌に尽くせぬほどの苦しみや苦難を経てなお、自らの信念を曲げずに晴れて民衆の前に姿を現し、笑顔を見せた瞬間。

その後又20年ほどが経ち、4年前に、マンデラの映画「インビクタス/負けざる者たち」が公開となりました。映画の中では、マンデラが長く苦しい投獄生活の中で、如何に自分を保ち、さらに自身を発展させていったのか、若いころはむしろ武闘派といわれ、暴力も厭わなかった彼が、逆境の中、時間をかけて如何にしてリーダーとして相応しい人間に熟成されていったのか、そのヒントが、マンデラの短い一言に要約されていました。

―「我が運命を決めるのは我なり。我が魂を制するのは我なり」―。

 

やっと、本題に入ります。

今、巷では、リーダーシップについて書かれた本が溢れ、リーダーシップという言葉が浸透し、あらゆる立場の人たちが、リーダーシップとは何か、学び追及するというブームのようなものがおこっています。

今でこそこのリーダーシップが市民権を得、誰の口からも語られるようになりましたが、そのずっと前から、マンデラは少しずつ少しずつ己を真のリーダーとして形成させていくことに成功しました。

何故孤独の中で、現実の世界と隔絶された環境の中で、リーダーシップとは何かと共に、真の民主主義の理想についても固めていく事ができたのか、この本は、2年間マンデラの傍らで取材を続けた作者によって、具体的に書かれています。

そのポイントを、キーワードとともに挙げていきたいと思います。

 

マンデラが自身の在り方の根本、確固たるものとして持っているものに、アフリカの「ウブントゥ」という概念があります。

ウブントゥ。聞き慣れない、寧ろ初めて聞く言葉ですが、この言葉の意味は、

―【私たちは、他者を通してのみ人間として存在する】―というものです。

「他の人々の功績や貢献のお蔭で、自分はこの世で何かを成し遂げる事ができる」という考えかたであるということですが、この基本的な概念の上に、マンデラの民主主義の基本劇な考え方が構築され、さらに様々な出来事が彼の上に降りかかっていく中でも、この概念が彼の骨の髄に浸み込んでいた為に、逆に出来事が彼のリーダーシップを形成していったと考えます。

人を集団から独立した個人とみなすのではなく、むしろ他の人々と無限に繋がる複雑な関係の中の一部とみなし、私たちは皆互いに繋がっており、まず「私たち」があり、その後に「私」と続く、他の人々から孤立した存在ではない、とするこの考え方が、生まれた環境、地域にある、というのは、人格形成上非常に大きいものではないでしょうか。

この本を読んでいると、人が成長していく過程において、どのような人とかかわり合ってきたのか、メンターとなる人間(後に認識される事ですが)と出会っていたかどうか、という事が、自身のリーダーシップ形成上、非常に重要であるという事が確認できます。

人は孤独ではない。人は人とかかわってこそ互いが生き、生かされるのであるというウブントゥの考えが根幹に根付いてたからこそ、マンデラ自身のもともともっているリーダーシップの資質を支え、強くすることができたのでしょう。

 もともと熱血漢だといわれていたマンデラがどのように刑務所内で変化してきたのでしょうか。長い間、マンデラは収監されていましたが、彼は「私は刑務所で“成熟した”と語っています。長い年月の中で、物事を深く考え、計画を立て磨き上げる。感情をむき出しにするのではなく、敵にも良い部分を見つけようとする姿勢、他者の意見を聞き、成果を分かち合う事、様々な思考を冷静に判断し物事をありのままに見る、というリーダーシップにかかせない資質である『自律』を、マンデラは結果的に身に着けることになりました。

 刑務所の中で、彼がコントロールできるものは皆無で、ただ一つできることといえば、「自分自身」をコントロールすることだけだったからです。

彼は、自身を熟成させながら、最後まで信念を貫き通しました。

 

 始めに私は、李社長とマンデラが重なると書きましたが、具体的にどのような部分に於いてそう感じたのか、一つずつ挙げていきたいと思います。

 

●『マンデラのこれまでの在り方をみると、状況が変化すればそれに伴って自分の考えを変えるのが当然の事であった。状況を判断し、ある状況が避けられないと結論付けると、彼は視点を変える。しかし急旋回はせずに、あらゆる方向から結果の行方を熟慮し、行動するのはそのあとである。一見彼の行動は唐突に見えるが、心の中では十分考えつくされているのである』

 

ライフスタジオに入ると、よく耳にする言葉「え~!?また変わったの?!いつ!?」「なんか、変化が速くて激しくないですか?」

自身も経験し、後から入ってきたスタッフも経験している事。しかし、暫く経ってやっとその意味についてを理解できるようになります。

李社長の中では、計画段階の最終決定を下した時点で、もう未来予想図が頭に描かれているのであろう。しかし私たちがその結果がよかった、と感じる事ができるのは、その計画に基づいて行動して結果が出、やっと確信できてからなのです。

しかも、社長はきちんと理由を説明します。それでも最初の段階で理解できていないのは私なのでした。

 

  • 『マンデラは原理原則をとても大事にしている。彼の原理原則は「人間は人種、階級性別を問わず平等な権利を有する」というものだ。』

 

私たちがいつでも考えなければならない原理原則。といってもコレだ。といえるものはあるでしょうか?そしてそれはいつでも同じなのでしょうか?

社長が変化発展という時、根底にあるのは原理原則なのだと思います。これが自分の「信念」を作る大きな要素でもあると思います。

社長のいう原理原則について、いつも深く追求し考えていかなければならないと思います。

 

  • 『〈悪い人間〉であることを証明する出来事が起こらない限り、全ての人間は良い人間である。とマンデラは信じている。そもそも「人間とは誠実なものだ」という前提を持っている。相手を信頼する事によって、人は最良の自分を発揮してくれるだろうと考えているからだ。刑務所で不当な扱いをしたアパルトヘイト推進者について、邪悪な側面を見抜きながらも、“人間の邪悪な面だけを見てはいけない。この世には完全な悪人も、完全な善人も存在しないのだから”と言うのだ。』

 

マンデラが到達した考えは、「人は生まれながらに邪悪な人間はいないのだ。邪悪さは、人が育っていく過程、その人の環境、受ける教育などによって植えつけられていく。アパルトヘイトという状況が人間を邪悪にしたのであり、人間の持つ邪悪さがアパルトヘイトを創りだしたのではないのだ。」というものです。人そのものの悪に原因をみつけず、それは環境、状況によるものであると、マンデラ自身が過酷な経験をした中であるにもかかわらず見出した結論。何という人間に対する信頼。

私たちは今マンデラのような過酷な状況にいるわけではありません。でも、ここまで人を信じ切っているでしょうか。

社長と話していると、信じられているのかそうでないのか、その時々でよくわかります。

しかし、社長が誰に対しても誠実で率直であるのは皆が知っています。

だから私たちもいつも誠実でなければならないと自分を律しようとします。

マンデラの言葉にもあります。

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  • 『マンデラの人生は、常に選択の連続であった。いつ行動をおこすか、いつノーというのか、いつ前進するのか、いつ事態を展開させるか。
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すぐに問題に向き合う姿勢。

いつも李社長の姿勢から感じられる事です。誰かがどこかで悩んでいる。どこかの店舗で問題が水面下で起こっている。

こんな事に誰よりも敏感で、まわりが「どうしよう」と思っているとき、すでに社長は行動しています。どこにいても駆けつける。駆けつける事が無理なら電話をかけてくる。

人と向き合い、問題の本質を見る姿勢はやはり共通していると感じます。

 

ちょっと社長を褒めすぎてしまったかもしれません。

でも やっぱりわたしたちのリーダーとして一番その姿を見てきて重なる部分を最後にもう一つだけ書いておきたいと思います。

 

  • 彼は当時から、我々の思考をはるかに超えた視点を持っていました。未来の姿を明確に描いていたのです。そして歴史は彼を裏切りませんでした。未来は彼が当時描いた通りの姿になったのです。

 

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