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『根付の国』
投稿日:2011/9/28
2509 2
「根付の国」 高村光太郎
頬骨が出て 唇が厚くて 目が三角で
名人三五郎の彫った根付(ねつけ)のような顔をして
魂を抜かれたように ぽかんとして
自分を知らない
こせこせした
命のやすい
見栄坊な
小さく固まって 納まり返った
猿のような
狐のような
ももんがあのような
だぼはぜのような
めだかのような
鬼瓦のような
茶碗のかけらのような 日本人
100年以上も前に書かれた、大好きな高村光太郎の、中でも大好きな詩である。
1909年にパリから帰ってきた光太郎が 神戸港について目にした
日本人の印象を書いたものである。
自分の中にもこの詩の中にある要素を認めてもいるのだろう。
ただ、光太郎は自分の中に、これまでとは違う価値と進むべき道を見つけた。
脱却しなければいけないものを神戸港で見出だした。
今 この詩が書かれてから100数年の時を経て
ここに集約された日本人像はどうであろうか・・・。
私はどうであろうか・・・。
この詩を思い出し、読むにつけ考えさせられる。
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