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水戸店
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『外科Bチーム』
投稿日:2010/12/29
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「内臓は何でもないって言って、こんなに切るかよ~!!!」
みぞおちからおヘソのすぐ上まで伸びたまっすぐな傷跡を見せながら
パパが悲痛の声をあげる。
「だって、いろんな検査じゃ全くわからなくって、とにかく開いて、出血を止めて
原因を調べなきゃいけなかったんだもの、しょうがないじゃん。」
内臓に異常がないことがわかって安心している私は、
かわいそうだけど、そう言うしかない。だってほんとにそうだから。
手術にあたってくれたのは、同意書をみると、「外科Bチーム」とある。
そして執刀医は若きドクター安達。
前回のブログで、術前に丁寧な説明をしてくださったドクターである。
そしてイケメンである。
名前のせいか、ちょっと恵比寿店の足立さんに似ている。
私の中で今、ドクター足立はヒーローである。
インフォームドコンセントやらが実に丁寧で、こちらからの質問が出尽くすまで
じっくりと待ち、そして答えて下さる。ついでにかっこいい。
術後5日で 早くもくっついてきたパパの傷跡は、ほんとに何の歪みも凹凸もなく
きれいにくっついていて、ただの直線になっている。(まだ35個のホッチキスの芯
はあるけれど)
私の帝王切開の傷はもっと盛り上がっていて、7年たってもまだ色も赤いのに。
さすがドクター安達。
手術の日は 夜の10時過ぎごろ病院に入り、ちょうど12時過ぎに手術が
始まり、明け方の3時半に終わった。
翌日だったか、翌々日だったか、朝、安達ドクターにお会いした。
いつ、寝ているのかな?と、思った。
医者はすごい。
頭だけではなく、体もかなり使っている。
人の生き死にと毎日対峙している。
私が仕事で疲れたなんてとてもとても言っていられない。比較が違う。
ただ そんな中、やはり人間で、緊張の瞬間でも 絶妙にバランスを
保っているのだなと思わせるエピソードがある。
パパから聞いた手術直前での会話。
――――
パパの腕や足に色々な器具やチューブが装着され、ものすごいスピードで
手術の準備は進んでいく。そんな中、誰だかわからないが、多分ドクターが
矢継ぎ早に自分に次々と質問を浴びせてくる。
「今日はいつですか?」
「何歳ですか?」
「お子様は?」
答えると返事もなくすぐに次々と質問がとんでくる。痛いけれどこらえて答える。
何問目かわからないが、
『職業はなんですか?』と聞かれた時に。
パパ 「先生です。」
ドクター 「は?」
パパ 「教師です!」
ドクター 「は?」
パパ 「先生です!!」
ドクター 「へぇぇぇ~。」
次に『奥様は何歳ですか?』と聞かれた時に、
パパ 「45です。」
ドクター「へ?」
パパ 「45です!」
ドクター 「へ?!」
パパ 「年上なんです(10歳ね)!」
ドクター 「へぇぇぇ~っ!」
という 会話の一コマがあったそうだ。
まさに緊張の中のちょっとした緩和。
「俺が先生だとおかしいか?」「幹子の年上ばなしもくいついてた」
「俺は痛みに耐えて必死で何度も答えていたのに」
そう話してくれたパパも笑っていた。
人間は、苦しい時にあっても、緊張の時でも、ふっと笑える力を
持っているのだな、と感じさせられたエピソードである。
驚異的なスピードで回復をみせ、退院したパパだったが、
数日後の明け方に、又激しい腹痛を訴え、救急車よりも早い私の車に乗って
又 病院へとUターンしていった。
今度は腸閉塞で、直接臓器に影響しているため、前回の大怪我のような状態より
さらに苦しそうだが、パパの天然の力の強さを知っている私は、
またじきに回復するであろうと信じている。
※※※この忙しい年末の時期、後ろ髪をひかれながら、朝、夕、スタジオを抜け、
毎日病院へ通う日々・・・。
そんな状態を支えてくれた水戸店のkazumiとsuzukiにただただありがとうと
お礼を言いたい。ほんとにありがとう。※※※
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