Staff Blog
水戸店
人生(LIFE)の始まりに
投稿日:2009/6/27
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先月 水戸店でマタニティーの写真を撮ってくださったUさん。 撮りながら、前は大きな病院の産科で出産したので、今度は助産院で家族と 一緒に産みたいと思っている事、こんな写真を撮る機会があって 良かった事、上のお姉ちゃまが4才になる事、いろいろな話を しました。 撮影をとおして、Uさんが如何にご自分の出産にまっすぐ向き合って いるか、この経験をどれ程大切に受け止めているかが 控えめな雰囲気の中にも強く感じられ、同じ女性として 尊敬の念を持ちつつ 撮影を終えました。 モニターも、談笑しながらもUさんらしく淡々と終わり、 お会計も済み、通常ならではまた・・・となる流れの所、 私の正面に腰をかけられているUさん、 何を話すでもなく、まだ腰を落ち着けたまま静かに佇んで おられます。 どちらかといえば お話が止まりませんタイプではないUさん。 どうされたのかな・・・、と思っていると 「あの・・・」と何か打ち明けるように切り出されました。 「私の出産シーンって撮っていただく事、できますか?」 一瞬ドキッとしました。 今までマタニティーのママさんたち 何人も撮影させていただいて おりましたが、初めてのお申し出です。 すぐに「はい。」と即答したい所、 いつ、何時に?予約?と普段のスケジュールが頭の中を ぐるぐる巡り、その時は、出張撮影は通常行っていない事、 少人数でのスタジオなので、完全予約で撮影をさせていただいて いる事などを理由にあげ、でも検討してみますので、 メールでお返事させていただきますねと、お答えしました。 あー、撮影してあげたかった・・・。そんな気持ちをだきつつ その夜、Uさんへのお返事の(お断りの)メールを出さなくては と パソコンへ向かいメールをうち始めました。 何かお詫びとともにお断りする筈だった内容が 読み返すと こんな文章になっていました。 “もし お産が 私の休みの月曜日か火曜日の、日中だったら 個人的に行かせていただきます。” 非常に乱暴で自己中心的な申し出だったと思います。 ですが Uさんからは“ありがとうございます。ではもし 月火だったらよろしくお願いします。”というお返事をいただきました。 それから待つ事半月。 何度かメールでやりとりをしていましたが、 予定日を過ぎても なかなか産まれる兆候がありません。 その日に備えて 助産院へもご挨拶の電話も入れてありましたが 助産婦さんも、助産院で産むリミットはあと2日なのよねと おっしゃり、どうなるかとやきもきしていた日、 撮影中にUさんご一家がひょこっとスタジオを訪れ、 “もしかしたら 明日かもしれません”との事。 明日は月曜日!私はお休みです。 「何て親の気持ちをわかるベビーちゃんなの?!」 「はい。毎日月曜日か火曜日ね、とお腹に言い聞かせていました。」 等々笑いながら話し では明日に。と お別れしました。 あー、どうしようホントに産まれるのかな。 実は 私は出産時、全身麻酔の帝王切開だったので、 自分の出産シーンすら、画像的な経験がなかったのです..。 翌日8時前、Uさんから“破水しましたので今から産院へ向かいます。” と電話が入りました。 ちょっと緊張しつつ約1時間後、私も産院へ向かいました。 到着すると、LIFE STUDIOではないけれど。”友達の家へ訪れた” ような、素敵な親しみやすいお家。 すでに 到着していたUさんご家族と笑顔でにっこり。 まあ お茶でもと やはり笑顔の助産師さんたち。 ”よく、計画通りにいったよねぇ、アハハハ” 皆でテーブルを囲みお茶をすすり お茶菓子をいただく。 今から赤ちゃんが産まれる!という緊張感など 微塵も感じられず。 たまに陣痛が起こりUさんも苦痛の表情は見せるものの、 引けばまた優しい笑顔で談笑。お姉ちゃまもママの腰を さすってあげてお手伝い。 ーーーの繰り返しが何度かあり、陣痛もそろそろ 本格的に断続的になり、いよいよ という雰囲気になってきました。 やはり お産の痛みはつらそうですが、 それ以外があまりにも淡々と進み、助産師さんはというと 常に笑顔で騒がず慌てず どこかに笑いを見いだし事にあたる という具合。(“私らが慌ててもねぇ、ホホっ”) いよいよ 産まれるという瞬間、 絶妙な助産師さんの誘導のもと、元気に女の子が この世に出てきました。 その瞬間 私も汗だか涙だかわからないぐしょぐしょの状態で しばし放心状態になってしまいました。 写真はまあ、まあ撮れましたが、 それ以上にこの短い間に体験させていただいた事が怒濤のように 頭の中をかけめぐり、言葉では言い表せない気持ちにずっと包まれ その日の晩は、まるで私がお産したかのようなけだるい心地よさの中 眠りにつきました。 ----------------- きびきび忙しそうに立ち働く看護士さん、消毒薬の匂い、存在感を アピールする医学機器たち。 そんなものがお産にはつきもの、当たり前であったイメージが 今回皆無であったこと。これは非常に驚きでした。 お産って女性には10ヶ月あまり通してホントに特別な事だけれど、 それは逆に"自然”なのだ。と思わせられる、産院での体験でした。 女性にとってすごいことがごく自然であること。 凄さ、緊迫感、感動、そんな事ではなく、 “自然である事” これに 一番感動しました。 Uさん、思い切って依頼して下さってありがとうございました。 得難い経験をさせていただきました。 これから 産まれた赤ちゃんが光にあふれた中で 成長されますように・・・。
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