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京都桂店
scrollable

写真分析56

投稿日:2012/11/28

700 0

 

photo by Mr.Lee in shinmatsudo
 
200mm f5 iso640 1/60
 
構成要素
 
光:
左右両方からの光。比率で言うと6:4くらい。
被写体の体を覆う光のラインが奇麗に入っていて、被写体が少し横を向いていることで
帽子と顔の輪郭にも光のラインが入って立体感を出している。
左の前ボケにもオレンジ系の光が当たっていて、黒く落ちずに緑のふちもちゃんと見えていることで
洋服の雰囲気と前ボケの雰囲気が合っている。
 
ポージング:
足を肩幅に開きかごを持っているが、そこから崩していった形。
腕に巻いているものをつかんでもらって斜め下を向いてもらっているだけだが、
写真の重心が少し左下に流れている事と被写体の向きが連結しているので細かく計算がされている。
 
フレーミング:
この写真の核心部分は、ちょっと崩れたバランス。
まず写真が左に傾いている。普通ならばそれによってアンバランスな写真になる。
この写真のポイントはそれでもバランスが保たれている事である。
 
理由は3つある。
 
1:左の前ボケが斜めにする事によって下の部分が面積が広い事。
上記の事によって重心が少し下に生まれて安定感が生まれる。
 
2:被写体が左下を向いている事。
左下を向いている事で写真の流れがそっちに傾き、斜めになっていることへの違和感がなくなる。
また、前ボケが斜めな事もあって視線を受け止める役割がある。
もしこれで被写体が正面を向いていたり、上や右を向いていたら斜めで不自然になり、
窮屈な写真になっていたと思う。
 
3:被写体のトリミング。
上、右、下と3辺に被写体が接触しているが、それが重要なポイントとなっている。
まず上部。
てっぺんを圧縮してトリミングされているが、もしこれがなくて頭の上に空間があったとしたら、
斜めさが強調されてバランスが崩れていたと思う。
右。
ここのポイントは左肘のトリミング。ここを左肩の洋服の部分が切れないことと左肘の内側が無くならない
ギリギリのラインでトリミングしている。
これいじょうやると手が切られたような写真になるし、トリミングをしないと先ほどと同じように斜めさが供応される。
 
下部。
切っている場所はすねで、足で一番太い部分。また、レギンスをはいていることでこのトリミングの
不自然さを防いでいる。
 
そもそも斜めにした理由はなんだろうか?
私の予想では被写体がこの仕草と視線になった瞬間、構えていたカメラをクッと少しひねったのではないかと思う。
そのときの被写体に合わせたバランス感覚を瞬時に取り入れたのだと思う。

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