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京都桂店
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写真分析39

投稿日:2012/10/24

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写真分析39

 
photo by Rolly
 
構成要素
 
まずこの写真をみて、寂しさと暖かさと(心強さと)が共存しているように感じた。
光の色と見上げる彼女の表情が暖かさを、奥に続く暗闇の寂しさの対比がそう感じさせたのではないだろうか。
 
光:
画面右からの白熱灯。
壁にもたれている被写体に正面から光が当たるように配置されている。
 
ポイントは正面から当たっていることと、光がシビアでほぼ被写体にしか当たっていないという所。
被写体の顔に光のラインができている。
まずこれがあることで被写体の神秘性、表情の強調、パッと見た瞬間、目が引かれる。
そしてこれを作るには条件がある。
 
・正面から光をあて、その被写体を真横から撮ること。
・シビアな光のため被写体の奥が暗く落ちていて、その明暗差により光の当たっている部分が強調される。
・もし奥が明るかったらあの光のラインは出てこない。
 
その条件をこの光の構成が満たしているために実現している。
そしてその明暗差が寂しい感情をプラスしている。
 
フレーミング:
見た瞬間、非常に整理されているなと思った。
まず絶対条件として左にあるレンガの壁と平行にフレーミングすること。
これがなされていないとどんなに整理した写真も安定感がなくなってしまう。
 
上部:
左にある花がきちんと入っている。
 
右部、下部:
譜面台をしっかりと入れること。
また、譜面台の譜面を置くところ、被写体の頭の部分、そして譜面台の足の部分のみっつに重心が
あり、三点あることで安定感が生まれている。
もし譜面台の足の部分が全く写っていなかったら重心が上にしかなく不安定な写真になっていたと思う。
 
被写体を切っている部分もベストだと思う。
後ろにまわしている手が影で見えてるか見えてないかくらいのところでトリミングしているので、切られている
感覚はなく自然である。
 
左部:
左部はレンガの入る比率がポイントだと思う。
この写真の核心はなんなのかを考える。
それは光と表情ではないかと思う。
 
被写体である彼女が光のある方向に期待を寄せる笑顔を振りまく。
それを強調する舞台背景。
 
それを考えるとレンガの部分はあくまで脇役であり、彼女のいる舞台の一部としての
存在があればよい。
三分割のこれぐらいが多すぎず少なすぎず、また、彼女の影を切らないギリギリのラインの兼ね合いで切られている。
 
全体的なイメージとして、整理されていて世界観がハッキリしている写真という印象を受けた。
 
 

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