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この1枚の写真への長い道のり〜52

投稿日:2024/6/11

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【横の引き写真】

 

私が入社したころ、ポートレート写真の中で最も難しいと言われていたのが「横の引き写真」だったが、10年以上たった今、何か変化はあっただろうか?答えは残念ながらあまり変わっていないと言わざるを得ない。理由は色々とあるとは思う。そもそも原本データの中に横の引き写真が入っている事自体が多くはない。ということは撮っていないということだ。撮らなければ当然良い結果は生まれない。横写真の良し悪しは定義が難しい。よく言われるのが「インテリアがきれいに入っている」とか「被写体がうまく配置されている」という言葉だ。間違いではないが何か足りない。インテリアがきれいに入ってるかどうかはどう見極めるのかも定義が難しいし、どうして被写体がうまく配置されてると言えるのか?さえも説明するのは難しい。私も色々と写真を分析してきたが、横の引き写真が一番といっていいほど説明するのが難しい。ということは、撮るのも難しいということだ。

私の中での話だが、横の引き写真の良さを決める一番のポイントは【規律と調和】だと思っている。

規律とは写真の決まり事を守ること。調和とは人間の感性に忠実でいること。

写真の決まり事は簡単だ。曲がっていないかとか、ポーズは変ではないかとか、変なところで切れていないかとか至極一般的な写真のルールだ。人間の感性とは、人間が自然と美しいと思える状態に近づけることだ。例えば「インテリアがきれいに入っている」という言葉は間違いではないが、これだけ気にしてしまうと、この写真でいえば右下のボックスは切れているから綺麗に入っていないことになる。左も何かが切れている。だが写真のルールとして「それが何かわかれば不自然ではない」というのがある。あとは人間の感性として不自然な切られ方に感じなければそれでよい。衣装、ポーズ、表情も同様のチェックをシャッター前に行われなけれっばいけない。間違ってはいけないのは、自分がいいと思っていても他人が見ると不自然に見えるという「感性の不一致」っである。写真は他人が見て評価するものであるため、自分だけが良いと思っていても意味はない。より普遍的な判断が必要となる。

重要なのは、主観的な目を、客観的な情報を取り入れて再構築することである。

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