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この1枚の写真への長い道のり〜10「ライフスタジオ名古屋西店編」

投稿日:2022/2/20

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準備してきたイメージを、その時の現場に適用するためにはいくつかのことをしなければいけません。

もしそれを怠ると、準備してきたものは違和感を抱えたまま写真に投影されることになります。

 

まずはじめにやらなければいけないのは現場をよく「観察」することだ。撮影前にスタジオを見ることは誰でもするとは思う。光を見たりもするだろう。しかし、私の思う観察はその程度ではない。もっと明確で適切に規定するのだ。この写真を撮るときに決めていたことがある。それは「遠近感のある圧縮された背景のよく映る縦写真」だ。だからここは縦でとると決めていた。そして、このフラワーの背景を縦に撮ることのできる場所をいくつか決める。次に、遠近感の出せる前ボケを配置できる向きを探す。見つけたのは2~3か所。その中から花という統一感を出せるこの向きに決定した。

光はいい時間だったということもあって割と簡単だった。

右後ろから西日が入っていた。

本当はそれをメイン光にしようと考えていたが、彼女の髪飾りが左向きだったこともあってライトボックスをメイン光に変えることにした。しかしそれも大したデメリットにはならない。理由は元々ライトボックスは使用していたからだ。背景の花をきれいにうつすためには光を当てなければならない。西日だけを利用しようとすると明暗差がつきすぎて背景は黒くなってしまう。それを防ぐためには「背景のための光」が必要なために、あらかじめ用意していた。

表情作りや雰囲気は彼女が本来持っているものがすごすぎて私が何かをする必要もなかったが、そういう時こそカメラマンというのは「もっと撮れたのではないか」と後で後悔するものだ。

そうならないためにはシャッターを押す前に写真の出来上がりが頭に鮮明に浮かぶくらいに状況を観察しイメージを具体化する必要がある。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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