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京都桂店
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『ポーズは衣装で決まる』

投稿日:2017/8/23

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photo by volvo
codi by kudo

Tokorozawa

さらに言うなら、背景も衣装で決定します

さらに言うなら、衣装は被写体によって決まります。

 

つまり写真ができあがるまでの過程は被写体からはじまりポーズで完結する。

順番にするとこうです。

 

被写体➡︎衣装➡︎背景(インテリア)➡︎光➡︎構図➡︎ポーズ

 

 

被写体である彼女にこの衣装を提案してくれたのはコーディネーターで入ってくれた工藤さんです。

工藤さんは私よりも何倍も洋服の知識があるのも当然ながら、実際に衣装を着る人によって特徴を捉え

自分なりの提案をできるのが特徴です。

 

彼女の性格を見て提案してくれたこの衣装は、おしとやかというよりは少しおてんばなお嬢様な雰囲気だと

私は感じました。少しフォーマルチックでありながらワンポイントで黄色い靴下を履いているのがそう感じさせてくれるのでしょうか。

 

衣装が工藤さんから見た彼女を表現したものであるならば、写真は私から見た彼女を表現するものです。

そのふたつがかみ合ってなければ写真は不自然に見えるでしょう。

 

しかし私はこの衣装に着替えた彼女を見た瞬間にどこで撮るか、何を使うか、どんなポーズをするかが電卓のように

頭の中ではじき出される感覚を得ました。

 

それはおそらく上に書いた順番の衣装の部分を満たしてくれた事によって私の中の彼女のイメージと

工藤さんの中の彼女のイメージがあっていたためにひとつのゴールが共有されたのだと思いました。

 

おてんばなお嬢様におしとやかに椅子に座ってもらう事は頭の中にはありませんでした。

かといっておてんばすぎても写真になりません。

おてんばさを絵になるように撮るためには綿密な指示が必要です。

ただだらんとして座るのではなく、表現を成功させるために右足を上に上げて左手で掴んでもらうことにしました。

 

時代錯誤的な黒電話を置いたのは彼女に中世の香りを感じたからかもしれません。

 

 

写真に命を宿す最後の一声は、やはりシャッターを押すカメラマンが被写体である彼女を

どのように見ていて、どのように表現したいかにかかっています。

 

彼女のおてんばな雰囲気とそれを表しながらまとめあげてくれた衣装、それが似合うどことなく中世な雰囲気の背景。

最後の一声は彼女の表情を決定するもので、それはおてんばさの中にある一瞬の静寂のような表情でした。

 

それを可能にするには何か私たち撮影者以外の集中できるものへと意識を移動する必要があります。

この場合は「右手で頬を触る」事を選択しました。

人は動きに合わせて意識が変わります。

 

撮影に意識が向いていれば彼女の表情から「私たち」が消える事はありません。

しかし、その他の何かに意識が向いた瞬間、彼女の表情から「私たち」はいなくなります。

 

「目線の先に目的を」持たせる事は、私たち撮影者が写真に命を宿すひとつのパターンとして

認識する事ができます。

 

しかし、それも被写体である彼女がどんな人で、どんな声掛けがいいのか判断できる事

が必要です。そして撮影者の二人が同じイメージを共有できているとよりブレの少ない写真が生まれるような気がします。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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