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京都桂店
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「作られた明暗差、そして一本の線」

投稿日:2017/4/4

1579 6

photo:volvo

codi:takumi

Tokorozawa photo

 

 

コーディネーターとして一緒に撮影には入ってくれた吉澤拓巳とはもう一年の付き合いになる。2016年の後半はあまり一緒に入る機会も少なかったが、今年に入りまた一緒に働くようになってから本当に成長したと感じるところが多い。彼の特徴はお客さんから見て良い意味でスタッフの感じがしないことだが、最近ではそれにカリスマとまではいかないが一種の提案力のようなものが身についてきたように感じる。それはきっと彼の中に自信が持てる何かが生まれてきたことによる自己主張なのだろう。

 

彼はコーディネーターという仕事に誇りを持っている。
「全てのお客様と家族になる」と決めた彼の心の中にある大きな目標は
自分が何かの拍子に軸からずれた時、日々の活動に違和感として現れてくれる。
だからこそ軸からずれないための方法やスキルの向上は必須だ。各シーンの始まりに、カメラマンがスタジオへと戻った時、被写体である子供達を見た瞬間に「わあっ」という感動と同時に次に何を撮るべきかイメージを湧かせてくれる時がある。その時こそがカメラマンとしてコーディネーターの力を大きく感じる瞬間だ。

 

写真の彼女にとって、この衣装と小物の選択は適切であったと思う。
特に頭につけているものとメガネ、二つの小物の選択は私に対して

「2限目を抜け出して物陰でランチしよう」という設定を投げかけているようだった。

 

しかし、最初に見た時は感動と同時に少し不安もあった。
「このメガネ、彼女に似合うように撮れるだろうか・・・?」
彼女のスタイルと七五三の後でアップにした髪型が、丸い型をしたメガネの存在を必要以上に
目立たせてしまうのではないかと・・・。

 

しかし彼女の姿を見て家族は興奮していた。
これは見飽きた日常から脱却した瞬間だ!
私はこの挑戦を受けなくてはならない。

写真には1枚、1枚根拠が必要だ。
なぜそのように撮ったのか?75枚全てに理由がなければならない。

コーディネートも同様だ。
根拠の無いコーディネートは着せ替え人形のように誰が来ても同じように振る舞う。
たくみがこのコーディネートをしたことには根拠があると私が感じたということはあとは私が表現をいかにするかにかかっていることになる。私はこの衣装を着た彼女を美しく表現する根拠を提示する必要があった。
その根拠は「影と角度で作られた明暗差、そして一本の線」だ。
この二つは彼女の表情、特に「メガネをかけた彼女」を表現することに集中して作った要素だ。
影とはただ陽の当たらない黒い部分を言う事ではなく、被写体を美しく表現するために
必要な要素としての影だ。

明暗差を表しているのは単純に車内と車外だ。
車の車体を貫通するように撮影したこの写真の前ボケ部分はほとんどが被写体である彼女よりも暗さがあるため彼女の存在が引き立つ。また、手前が影になっているという事はメイン光は背後からの逆光だ。もし彼女をカメラ目線にしてそのまま撮れば、彼女の顔に光が当たらず、車内との露出差が出なくなる。それを解決するには逆光をうまく彼女の顔にも当たるように設定する必要がありそれは私からの「頼むから肘をみてくれ」という意味不明なお願いが役にたつ。そしてそれは顔に明暗差をつけ、意味不明な言葉によって和らいだ表情がこの写真に核心をあたえてくれる。白い前ボケはセッティングが難しい部分だった。窓の反射は時間や角度で変わるので操ることが難しい。ちょっとずれれば狙い通りの表現ができないが時間をかけるわけにもいかないので一瞬の判断が試される。白い前ボケの1番の意味、これも「メガネをかけた彼女」の表現方法のひとつだ。彼女の右頬、あごから頭にかけて白い線が一本のびている。これが核心だ。彼女の顔に作られた明暗差、そして一本の線。この二つによって彼女と衣装、彼女とめがねを調和させたくみの作ってくれた空気と非現実な体験を感覚的に記録可能な条件として構築していく。

結局は共同作業である。その法則を知っているのは、1年間共に働いてきたこの身体だ。

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
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