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京都桂店
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『22歳の空間』

投稿日:2017/3/17

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TOKOROZAWA 

 

Photo by volvo

codi by Kaori

 

Write by volvo

 

 

22歳の頃、私は何をしていただろう・・・。

大学の卒業が迫る彼女のように凛とした姿で自分の人生を見つめていただろうか?

何も覚えていない。

どうせろくでもなかっただろう。

 

2つ違いの弟が、成人する。

姉としてはどんな気持ちなのだろう?

私は自分の弟がいつ成人したか覚えてすらいないのだけど・・・

 

成人する姿を写真に残しに来てくれた弟は、まだあどけなさがあった。

2年前、高校卒業の時に来てくれた写真と比べれば当然大人っぽくはなったけれど、

親御さんに対する言葉使い、写真を撮っている間は誰にも見られたく無い気持ち、正直写真は苦手だという本音。

ひとつひとつの言動に若々しさがあった。

それでもこうして家族行事に付き合っているだけでも彼の優しさは感じ取れる。

 

もちろん彼女も撮影している姿を見られるのは恥ずかしそうだったが

自分の写真が残っていく事が自分のためだけではなく親孝行につながっている事知っているようだった。

その落ち着きには思春期を過ぎ大人になり、少しずつ家族の大切さを再確認し始めた

今日という家族行事に対する姿勢の表れのようにも感じた。

きっとこの先、就職して親元を離れ、いつか結婚し子供を産む時もくるでしょう。

そうした時に家族の大切さをさらに再確認し、今日という家族行事がさらに

自分にとって位置付けの変わる出来事になるかもしれないし、もしそうなるならば

私たちは写真館冥利に尽きる。

 

 

「大人が笑う」というのは簡単だ。

3歳の人見知りを笑わせるためには汗で濡れたシャツを絞りながら

自分の全てを投げ出す覚悟を決めなくてはならないが

大人は「笑ってください」とお願いすればそうしてくれる。

 

しかし別の角度から見ると「大人が笑う」というのはとても難しい。

「笑ってください」とお願いされた大人がやる笑顔の中身の

95%は建前である事がほとんどだ。

 

ただの記念写真ならばそれでもいい。

 

しかしもしそうするならば私はカメラを持たないだろう。

三脚にカメラを固定し、セルフタイマーで撮ることができるから。

 

人間の特殊性は年をとればとるほど広がっていく。

個人が特殊的になればなるほどその人に深く入っていくことは容易ではない。

 

大人は「笑ってください」という魔法の言葉で一般常識的な笑顔を見ることは

できるかもしれないが、子供がシャボン玉を初めて見た時のあのいきいきとした笑顔

のような姿を見ることはできない。

 

だから私は大人を撮る時こそアンテナをよく張り、情報収集をしなければならないと考える。

 

私には22歳の長女、大学卒業、学生最後、就職、家族行事、

親が見てる、撮影は照れる、でも撮られる事が嫌いでは無い、

本当はもう少し撮影に入り込みたい・・・という複雑で色々な感情が

この笑顔に凝縮されていると感じたからシャッターを押した。

 

それはきっと「今を楽しむ」という至極単純な事かもしれない。

この霧が晴れたような表情は、色んな感情に挟まれ

今この瞬間をどうすればいいかわからないことが多い世の中で

自分の過去も未来も前進するためのひとつの糧でしかないと

知った瞬間「今を楽しんでいいんだ」と気付いたようにも見えた。

 

 

ろくでもない22歳を過ごしたフォトグラファーの戯言かもしれないけれど

ひとつだけ思っているのは、懲りずにまだ撮りに来て欲しいということだけだ。

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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