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京都桂店
③写真と人〜川原貴子〜
投稿日:2017/3/13
1964 6
③写真と人〜川原貴子〜
write by volvo
ライフスタジオに入ってから6年間
店舗を転々としている事もあってか本当にいろんな人とパートナーとして撮影に入らせてもらう。
誰と入る事が多かったかと聞かれるとパッとは出てこないくらいに店舗も地域もバラバラだ。
しかし2016年、誰と一番多く一緒に撮影に入ったかと言われたらすぐに彼女だとわかる。
私の中で2016年一緒に撮影に入ったランキング圧倒的一位…たかこだ。
そして2016年最も叱ったランキング部門でも他を圧倒してのダントツ一位だ。
さらに、2016年最も涙を見せた人ランキングでも一位だ。
私の中でV3を達成した不思議な明るい人、川原貴子。
共に過ごした約9ヶ月、特に越谷での半年間はお互いに変化を実感した時期だった。
もしかしたら、同期の3人の中では一番変化が見えにくい人かもしれない。
だけど、実は最も変化しているのが彼女だと私は思う。
そんな彼女は2016年、ライフスタジオでルーキーイヤーを送った。
本社での教育システムが体系化しつつある中、教育機関の受講者第一号として入社したのは2016年の2月ごろだ。
私が彼女と初めて関わる機会があったのは、彼女がまだライフスタジオに入社して1ヶ月くらいの時だった。
その時浦安店に勤めていた私はいろんな事情があって草加店に行くことになった為
交換で草加店から浦安店に行く人が必要になった。
その交換で浦安に行ってくれたのがたかこだった。
私的な理由で異動を願った私の代わりに、まだ面識も無い新人であるたかこが異動となることに
申し訳なさを感じながら私は草加での日々を送った。いつかお礼をしなければならないとおもいつつ今に至るが。。
よくよく考えてみると、今私がこうしてまた店長として活動できているのも
あの時の草加店で過ごした日々があればこそであり、もしあの時の異動がかなわなかったら
もしかしたら私はもういなかったかもしれない。そう考えると彼女への感謝はひとしお大きい。
その後の越谷での日々はそのお返しというわけではないが
たかこがこれから長くこの会社で一緒に働けるようにと考えていた部分も自然とあったかもしれない。
その後浦安派遣もひと段落し、草加と越谷で新人を受け持っていたため
たかこと草加店で一緒に働く時間が一ヶ月ほどあった。
その時はまさかそこから12月までずっと一緒に撮影に入る事になるとは思わなかった笑
長い期間一緒にいたからか、彼女のエピソードはたくさんあるし彼女の性格もたくさん知る機会があった。
彼女の特徴はいくつもあるが、一番は「不思議な人」という印象だ。
たかこはおとぎ話の中にいるような不思議な人だ。
私がこれまで生きてきた33年間の中で出会った人の数というのは決して多いわけでは無いけれども
たかこのタイプは初めてのように感じた。
なぜ不思議かというと、彼女はつかみどころが無い。
私は人を見る時にある程度情報を手に入れるとどのようなタイプかをサーチするのがくせだが
彼女はまるでアメーバのように会うたびに変わる。
大きな要因はとにかく彼女は人の話を聞かない点にある(笑)
意味は2つある。
1つは文字通り人の話を聞かないで、人が話しているのに次の行動に取り掛かっていることが多いことだ。
一緒に仕事をしているとこういう事がよくあった。
たかこ「趙さんほんと撮影明るいですよね」
趙さん「たかちゃんのおかげですよ」
たかこ「あ、顧客カード書いてもらうの忘れた」スタタタ
趙さん「たかちゃん今無視しましたよね?」
私「クスクス」
どうやら彼女は自分が話し終わった瞬間に会話が終了しているようだ。
まぁそれが笑いになり現場が明るくなるから一概に悪いわけでは無いのだけれど(笑)
このやり取りが1日に2回以上はあるので、周りにいる私達の撮影で疲れた心身を癒す
オアシスの役割をしてくれていたようにも思える。
いや、言い過ぎました。
だって真面目な話をしていても同じだから。。
そういう意味では彼女のお眼鏡に叶う会話をこちらは心がけなければ
受け止めてもらえないのである意味勉強になったのかもしれない(笑)
そしてたかこはよく笑う。基本的に明るい。
特に面白い事が無いときでも・・・
特にこちらの冗談が面白く無いときでも・・・
あるいは、リアクションに困った時も・・・いつでも笑っている。
建前さがスゴいが、彼女の人を無視する天然さや、常に笑顔でいる事はチームにとって大きなメリットだ。
そして彼女の関係性が深い証拠でもある「見下し型」の接しかた。
彼女が相手よりも上から冗談をいう事は彼女にとってフレンドシップの表現方法のひとつなのだ。
彼女の厚い壁を壊すいくつかの段階があるとしたら、最初の関門は彼女に「見下されるか」どうかである。
たかこのこうした振る舞いは周りを明るくさせ、店舗の空気を浄化してくれる。
問題の部分と長所が表裏一体な感じだ。
もうひとつは彼女の内面深くに浸透することの難しさという意味での話をきかないだ。
「話が効かない」
と表現するのが正しいかもしれない。
彼女の心の壁は厚い。
私も心の壁は厚い方だが私のとは少し種類が違うようだ。
私は自分を悟られないように壁を張り、夜中にそっと壁についてるドアを開けるタイプだ。
だから虚勢をはっていた前日とはスタイルが変わってることが多い。
彼女も自分を悟られないように壁を張ってるようにはみえるのだが、その壁にはドアがなく
高くそびえる鉄壁の壁というよりはショックを吸収してしまう低反発マットのような壁で、すまきのように包まっている印象だ。
ある日どうしても撮影がうまく進まず、話をしなければならないタイミングがあったため
銀行への入金に一緒に行き、車で話す機会を設けた。
流石のたかこさんも空気を感じた時はキチンと耳を傾けてくれた笑
彼女に何か悩みがあるのでは無いかと聞いたところ
返ってきた言葉は「うまくいきません」とひとこと。
このひとことで私が感じたのは、ただコーディネーターが上手くいかないという
簡単な話ではなく、自分の今までの人生の中で何かが「うまくいった経験」があまりないのではないか?という点だった。
もう少し話を聞くとこんな言葉が出てきた。
「私は今まであまり壁を乗り越えた経験がありません。壁を前にすると自然と避けてきました。それが普通でした。」
それを聞いた瞬間、ずっと彼女から感じていた、彼女を取り巻く分厚い何かがこれだと思った。
何かの壁を乗り越えるという事は何かに深く入るという事であり、つまりは自分自身に深く入るという事だ。
自分自身を深く確認しようとしないという事は、できない自分や弱い自分がバレないように他人と距離をとり
壁を乗り越えようとすると出てきてしまう弱さや足りなさを、自覚する前に壁を避ける事で見ないふりするという事。
それを伝えたら、たかこは泣いた。
たかこはよく泣く。
撮影の合間に指摘をするだけでも涙ぐむし
五明がたかこに手紙を書いた時は
その事実を知っただけで聞く前から泣いていた。
私は彼女をただ涙もろい人かなと思っていた。
偏見かもしれないが心の壁が厚い人は涙もろい事が多い。
理由は涙が他人と自分、言い換えると客観と主観の間に壁を作ってくれるからだ。
さきほど書いたように他人と距離をとるひとつの方法でもある。
しかし、TEDという商品プレゼン大会で準優勝だった時は参加者の面前で悔しさをあらわにして
流した涙はいつもの涙とは違う深い意味があったような気がした。
TEDの経験や毎日のように流した涙の甲斐もあってか
ある時から前日の反省と今日の目標が毎日メールされてくるようになった。
目標を明確にしたという事は、自分に向き合おうとしている証拠であり
目の前の壁を自覚し少しずつ少しずつ超える努力をしようとする覚悟の表れだ。
壁を越えようとしている人の「伸び」は想像を超える。
一ヶ月前まで悩んでいた兄弟ショットの撮影がいつの間にか普通にできるようになっていた。
技術的に向上したという事ももちろん重要だが、私としては自分の壁を確認し、越えようと努力している姿が
見れた事がなによりもうれしかった。
私が越谷を離れて二ヶ月以上が経つが、たかこからの連絡は業務的なファイルが一度送られてきただけなので
やはり私には興味がないのかもしれないが(笑)がんばって自分を表し、会議で起案を通そうとしている姿を
見ると微笑ましくもある。
一番変わっていないように見えて一番変化した人。
共に過ごした期間は、私にとっても壁を超えるきっかけをもらった大切な時間だった。
これからは壁に悩んだ時、私の悩みも聞いてください・・・。
さいごに・・・この写真を撮っていて思ったが、あなたは写真に写るのが上手くない・・・。
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