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ハーフ成人式に関する見解
投稿日:2014/8/29
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ハーフ成人式特別枠を設けてから10ヶ月が過ぎた真夏日、ようやくこの枠からフォトジェニックに選出される写真が生まれました。少し時間がかかった理由はいくつかありますが、満たされた環境の中でも中々結果が出なかった一番の理由は、ハーフ成人式における写真の構成要素の中で「偶然」の占める割合が急激に減る事にあると思います。
もちろん写真に偶然ばかりが占めてはプロとは言えません。赤ちゃんでも七五三でもそれは変わらず「作る」と言う事が要求され、また発揮していくべきだと思っていますが、その中でも「その子らしさ」や「大人には無い無邪気さ」のようなものが自然と発揮されるのが子供撮影の魅力のひとつでもあります。それは自分が日々撮影していく中で自己の写真の水準を押しあげてくれる要素でもあることから、ライフスタジオの写真において重要な構成要素となっています。
しかしその「偶然さ」によって高められた価値の中では出てきたものを切り取るという点においてのみカメラマンは力を発揮するにとどまり、仮に「無邪気さ」を必然性を持って主導し発揮させていく事をしていったとしても、最終的な一押しの「偶然さ」を得る事で完成していくため、被写体から自然発生する力に依存する形を取らざるを得ない事から、「偶然さ」が重要な構成要素から必要な構成要素となってしまいました。これは一種の「他律的」要素を含んでいるとも言う事ができます。
その点でハーフ成人式は問題解決のひとつのきっかけとなります。
10歳と言えば思春期にさしかかり、自己主張だけが先行する年齢ではなくなってきます。
それはつまり体格は違えど大人を撮影する事と同等であると言う事を意味しますし、思春期が故に大人よりもむずかしい面もあると言える部分もあるかもしれません。
つまり、子供でありながら子供特有の「偶然さ」が作用しない撮影がハーフ成人式であり、カメラマンの持つ技量そのものがそのまま結果として現れる空間となります。
これによって自然と発生するのは技術の要求と発展の空間です。
自分が持っているものしか結果として表れない条件のもとで良い結果を出す為には自己の向上をする以外に方法がありません。この反強制的に向上を要求される環境に身を置く事でドキドキしつつもワクワクする空間がハーフ成人式の本質です。
私はフォトジェニックに選出される写真の必要な要素として「イメージどうりに構築されたものと偶然さとの相乗効果」が予想以上のものを生み出す条件として必要だと思っています。しかし今回フォトジェニックに選ばれた写真に「偶然さ」はほぼ無く「イメージどおりに構築されたもの」しかありません。
その条件で良い写真を撮る為にはより鮮明で緻密な「イメージ」と完成度が要求されます。
つまり全てを作り上げた上で頭に描いていたものをそのまま形に残したのが今回の写真であり、「偶然さ」の少ない写真がフォトジェニックに選出されるということはとても誇るべきことだと思っています。
ハーフ成人式特別枠の重要性と妥当性を実感することができました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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