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考察派オタクが語る[カーズ クロスロード]◇Nasu

投稿日:2018/8/31

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こんにちは!

最近観た映画は実写版銀魂です。劇場で1人で泣いたなすです。

 

さてさて、先日越谷店では店舗会議がありまして、その時間でまなみさんの提案で「カーズ クロスロード」を観て全員で意見を交わしてきました!

私はカーズは歴代どの作品も観たことがなく今回が初めての鑑賞だったのですが…

 

たかが車の話でしょ??

と正直たかをくくっていました。観るまでは。

 

いやーーーーーーーー大変趣深い映画ですね!侮っていました!すみません!!

 

鑑賞後にあまりに興奮しすぎて、5人の中で一番アツく語り尽くすという考察派オタク丸出しな部分を出してしまい申し訳無かったのですが、いやほんと、たかがアニメ映画と言うなかれですよこれは。

 

さてそんな考察派オタク・なすのカーズ小論文、ネタバレ満載ですがよかったらご一読くださいな〜〜^^

 

 

※ストーリーに沿ってポイントをかいつまんで語りたいと思います

 

①「世代交代」というドラマに迫っている

1.2を観ていないのでマックィーンがどんな車生を送ってきたかは存じ得ないのですが、かつての仲間たちがどんどん引退していって新型の車たちがレースの選手として活躍していくんですよね。

これってつまり「新しいものはどんどん効率的になっていく」という今の社会を表しているわけでもあると思うのですが。

なによりどんどん取り残されていくマックィーンが惨めに思えてしまって…

「旧型」というのはどんどん「過去の栄光」として、「必要のないもの」として認識されていくんですよね。

作中でも「数字がすべて」というワードが複数回出てきて「まーーーたしかにな!」と思う反面、熱意で頑張っているマックィーンのことを考えるとなんだか滑稽な存在として周りに認識されてしまっているのが悲しいですね。

もう求められていないんですよ。

亡くなってしまったマックィーンの師匠・ドックも、周りの反応によって「引退させられた」からこそ、彼自身は「自分の道は自分で作って進む、自分の引退の時期は自分で決める」と確固たる強い意志を持っているんですね。

そのまっすぐな姿勢は彼が主人公たる所以だとも思うのですが。

 

②まわりを意識しすぎることは自分を見失ってしまうことにつながる

まあそんなわけで、彼は逆境にもくじけず事故にあってもなおもう一度レースに出ようと特訓を始めるわけなのですが。

彼ね、もうね、焦っているんですよ。

早く強くなりたい、早く追い越したい、早くレースに出たい。

そのために必要な「地道な努力」を忘れてしまっているんですね。

彼は過去の栄光から、自分を過大評価しすぎてしまっていて、もう自分が若くないことに気づいていないんですね。

まわりのひとたちが「今のマックィーン」を見てアドバイスしているのに、マックィーン自身は「全盛期のマックィーン」のままなんですよ。面倒なおじさんですね。

そんな逆境の状況でとあるきっかけで自分がもう若くないことを知り、彼は自分の自信を取り戻そうとドックの師匠・スモーキーにアドバイスを求めにいくわけですね。

 

③大切なのは「楽しむ気持ち」

マックィーンは事故後にトレーニングをしていたセンターのトレーナーであるクルーズという女性と一緒にスモーキーに会いにいくわけなんですが、そこでマックィーンより前の「旧世代」の車たちに会うんです。

彼らはマックィーンよりも前にレースで活躍していた世代で、引退してもなお集まってかつての話をしたりしているそうです。

ここで示唆されるのは「それぞれの世代の価値観がある」ということ。

それぞれがレースにむける思い、スタンスがあり、そのどれもに間違いはないということ。

そこでマックィーンは自分が「引退させられていた」と思っていたドックが、引退したあとは自分の弟子であるマックィーンが活躍している様子を見て、幸せな気持ちになっていたことを知ります。

レースにむける思いが変わっていたのです。

自分が走ることで喜びを感じるのではなく、自分の意志を受け継いだ弟子がレースで活躍することで、自分が走っていた時と同じような喜びを感じていた。

ドックはマイナスの意味で引退したのではなく、「自分のあとを任せられる後継がいたからこそ、引退をした」というプラスの意味で引退をしたんですね。

その時にマックィーンは自分が狭い考えに固執していたことを知るんです。

このシーンこそが前述も述べましたが、「世代交代」の真髄を表していますね。好きです。

そしてマックィーン自身は思い出すのです。

自分がレースになぜ魅力を感じていたのか。それは「ただ勝利を得ること」ではなく、自分の足で、タイヤで、あのサーキットを走り回るその一瞬が楽しいと思っていたからなんですね。

彼は見失っていた「信念」を取り戻したのです。

そのマックィーン自身の変化を象徴するような原作のシーンが、森の中で走る訓練をしている時にハイテクトレーニングセンターでやってもらった新型のような最新モデルの塗装が剥げていくシーンなのですが、このシーンがね!!!もうね!!!オタク心に突き刺さるわけですよ!!!!!

彼自身今までとは違うやり方で己を強くしていくわけなんですが、それはあくまでも「全盛期のやり方に固執せず、今の自分に合った武器を増やす」ということなんですよ。

そして塗装のシーンがはげるところは、すなわち「勝利だけを求めていた自分からレースを楽しむ本来の自分、実力のなさに落ち込んでいた自分からあきらめないという自分に戻っていく」というマックィーンの心情を表しているんですね。

これ最高にアツくないですか!!!!!!

最高にテンションが上がりすぎてこのシーンだけ巻き戻して観たいと思いましたよええ…。

 

④視野を広げて、自分が今できる最善を尽くすこと

そんなこんなでマックィーンはもう一度レースに戻るのですが、前回のレースで事故を起こしたトラウマからうまく走れないでいるんですね。

本当にこのまま自分が走って1位になることがいいことなのか。新しい世代とどう向き合っていくことが正しいことなのか…。

そして彼自身は「次の世代へ受け渡すこと」を選択するのです。

レースの途中のメンテナンスの時に、彼はレースを見に来ていたクルーズに「自分の代わりにレースに出ろ」と言います。

クルーズはマックィーンよりも若い世代、いわゆる新世代です。

彼女自身も元々はレーサーを目指していましたが、自分が女性であること・周りのレーサー志望は自分よりもうんと体格も大きい車たちだったことから「自分はレーサーには向いていない」と思いトレーナーになった女性でした。

そんなクルーズはマックィーンと一緒に過ごすことで、昔持っていた「自分の限界に挑戦してレーサーとして走る気持ち」の片鱗を何回か見せていたのですが、そんなクルーズにマックィーンは「君に走らせてあげる機会は今しかない。走れ」と言うんですね。

あんなに自分がレースに出て走ることに固執していたマックィーンが後輩に譲るって!???そんなことあります???あるんですよ!!!

彼自身も自分と向き合っていくなかでレースに対する捉え方が変わっていったんです。この時初めてマックィーンはその世代としての責任を果たそうと思ったのだと思います。

そして代わりにレースに出たクルーズをマックィーンは指示をしながら援護するわけですが、そこでマックィーンは「教える楽しさ」を感じていたのだと思います。

作中の中盤にもマックィーンがトレーニングセンター以外で走ったことのないクルーズにレースの基本を教えるはめになる、というシーンがあるのですが、その時彼自身はイライラしてるんですね。自分がトレーニングをしたいのになぜこいつの面倒を見なければならないのかと。

でも最終的には彼自身を「教えるたのしさ」を見出しているんですね。

そのシーンがこの最後のシーンに生きているんですよ。

アツすぎませんか!!!!!!

 

そしてクルーズは最終的にトップの車と競り合うところまでくるのですが、そこで相手に壁に押し付けられるというピンチに遭ってしまいます。

そのピンチを回避した方法が、かつてマックィーンの師匠であるドックがレース中にやっていた「相手を軸に回転して回避する」という方法なんですね。

この方法を過去の話としてマックィーンから聞いていたからこそ、彼女は土壇場でその方法をとることができたんですね。(まあそれが再現できるクルーズの身体能力すごいねという話にもなりますが)

このシーンがねーーーーもうですね、いややるとわかっていたんですけど実際にやられると「うわーーーーー!!!」ってなるんですよ。オタク大歓喜なわけです。

「数字を意識した最新技術」ではなく、最終的に勝利をつかんだのは「過去の人が築いてきた技術」なわけなんですよ。

大事なのは「あきらめない」という信念なんですよ。泣きますね。

そしてもう一つ泣く案件なのが、クルーズがレーサーになりたいと思ったきっかけは「マックィーンに憧れたから」なんですよ。

ドックからマックィーンへ、マックィーンからクルーズへ。

時代は受け継がれていくわけです。

そしてマックィーンはクルーズのトレーナーとして活動していくことを決めるのです。その意志表現としてマックィーンはトレードマークの赤からネイビーにカラーリングを変えるわけなのですが、その色がね、師匠のドックと同じ色なんですよね……。

もうアツいですね。汗ダラダラですね。

別作品にはなりますが「リメンバー・ミー」という映画でも「過去の人たちのしてきたこと・昔があるから今があることを忘れてはいけない」という描写があったのですが、まさにそういうことなんですね。

わたしの人生のバイブルであるNARUTOでいうと、「火の意志は受け継がれる」ということです。

時代がどんどん変わっていくからこそ、今自分がいる世代としての役目を果たすことが大事なんですね。

 

そんなこんなでカーズ3の感想でしたが…

総じて言えるのは「アニメ映画と侮るなかれ」ですね。いや侮っていたのはわたしなのですが。

ストーリーとしてはまあ予想のできるストーリーだったかもしれませんが、なによりももう演出がいいんですよ。

まなみさんが「3を見た後に1.2を見てもう一回3を見ると泣くよ」と言ってましたがもうその未来しか見えませんね。

休みの日に鑑賞会を開こうと思います…

 

いやしかしわたしの文章長すぎますね。

普段漫画を読んでも映画を観てもとにかく長文で語ってしまう考察派のわたしの一面が出てしまいました…

 

こんな文章を読んでくれる方がいれば、今後も定期的に感想文をアップしたいと思います。笑

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