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Beyond the time and place
投稿日:2016/8/31
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Beyond the time and place
writen by sonoka写真に写る二人の兄妹。
この写真を見ていると私自身も自分の兄弟や家族のことをかんがえてしまいました。
私には妹と弟がいます。
私が高校を卒業してからすぐに留学をし、あと追うように妹も弟もそれぞれ留学をしました。なので私が高校を卒業してから家族全員がお家に揃 うことがほとんどなくなってしまいました。私の実家は日本列島の南の田舎です。そこで家族みんなでくらしていましたが、小さい頃から父は東京で単身赴任の 生活をしていました。家族全員がそろうのは1年に数を数える程度でした。家族みんながそろうことは他の家庭と比べると格段と少なかったかもしれま せんが、揃うたびにみんなで自然の中に遊びに出かけていたことを覚えています。楽しい1週間をみんなで過ごした後に父を空港にお見送りする時は本当に寂し くて、小学生のときも、中学生になっても帰りの車で窓にへばりついてみんなに、ばれないようによく泣いていました。
振り返ってみると家族での思い出がた くさん心に残っています。本当に少しの時間を大切にしてくれた親に感謝です。今では本当に顔を家族みんな揃うことが難しくなってしまいましたが、離れてい ても信じてくれて見守ってくれるのを感じます。
東京に出てきたばかりの時、地元の野菜やお米を大量に送ってくれた母。届く頃にはきゅうりやピーマンがしな しなになっていましたが、栄養をと考えていろんな野菜を買っている姿を想像すると力が湧いてきました。小さいときからよく意地を張ってつんけんしていた妹 も、最近親に手紙を書いて送っているようです。ひょうきんな私の弟はめったに連絡をよこしませんが、帰ってくると家の中がパァーッと明るくなります。そんなこんなですが、家族はどんなに離れても遠くなっても繋がってるんだなと感じます。
1枚の写真に写る兄妹。
この写真を見ていると1つのシーンが頭に浮かびます。それは離れた場所にいる兄と妹が同じ時間に場所や時を超えてお互いを想いあっているという場面です。この写真は合成したわけではありませんが、微妙に2人に降り注ぐ光の量の違いや、兄にかかる前ボケによるグレーのグラデーションがそのようなシーンを連想させます。1つの画面に、2人の想いが重なるのと同じように2人が配置され、編集された映画のポスターのようです。
2人の表情も優しくクッションを抱きしめる腕や動きも、頬をあてる優しくうつむく視線もそして両サイドから交差するように交わる2人のラインも、すべての構成要素が私にそのようなシーンを連想させます。
写真はそこにあるものを映し出しますが、合成する要素に、細かく目を向け光や前ボケも取り入れることで写真は無限大の想像・創造を可能にします。たった1枚 の写真から見えてきた2人が作るストーリーそして、それを見ながら私自身もそこに自分も見るように兄弟や家族のことを考えていました。カメラマンの細かい視線がカメラマンの想像をも超えた意味や内容を誰かに与えることが出来ること以上に嬉しいことはないと私は思います。
撮影を楽しむということは、もちろんそこにいる人たちと会話したり、笑ったり、ふざけあったりする楽しさもありますが写真にストーリーを込めて演出することも楽しさのうちの一つであります。その時間に出る光やその時間に出会った兄弟、条件と環境に自分自身の感性を加えてストーリーを構成していき、そしてそれを見た人が自由に想像を働かせていく余地が写真に無限の可能性と面白さを創造していきます。カメラマンがどんな意図を込めて撮影をしたのかを推測しながら、私も写真にストーリーを込めて、その子達にしかつくれない物語をプレゼントしていきたいです。
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