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FUSION2015/12/5
投稿日:2016/8/7
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FUSION
2015/12/5
カメラを握りシャッターをきる。その瞬間のキロクを写真として残す。人々の関係性から生まれた「愛・愛情・愛おしさ」を形として表現していく。
私の職業を一言でいうとこうだと思う。
スタジオには何十人というカメラマンがいる。同じスタジオという環境の中でシャッターをきるわけだがまったくもって一緒の写真は生まれない。多かれ少なかれその人の持っている何かが写真の中に現れてくる。
毎朝起きるとき、私たちには2つの選択肢がある。
今見ていた夢の続きを見続けるためにまた眠りにつくか、それとも起きてその夢を終わらせるのか。
この姉妹そして家族を撮影しながら、私は目覚めたくない夢の中にいるように感じた。
夢なのか現実なのか分からない世界。
四人家族の寛大で穏やかなお父さんと優しくふんわりとした雰囲気を持つお母さん。子供達の表情や家族と話し接しているだけでなにやら言葉では上手く説明のできない分厚くて温かに包まれた愛情を感じた。その安心感はお父さんお母さんの表情、娘達の表情、天真爛漫の行動からあふれ出ていた。まるで気持ちのいい眠りにつきながらずっと浸っていたい夢を見ているような感じを受けた。そとは12月の訪れを感じるように寒い日であったが、スタジオの中は春の日差しを受ける気持ちの良いひと時であった。
そんな家族との夢だけで終わることの無い、美しくそこに存在している現実を自分がどう表現できるのか。Dreamyな世界。
この家族が私に見せてくれたぼんやりと、うっとりと酔いしれることの出来る気持ちの良い夢。でもそれは夢ではなく実際に存在していて今私の目の前にある。
世界中の人やものはそれぞれ単体として存在している。それが1つとして交わりだしたときそこには単体では得ることの出来なかったエネルギーやパワーが生まれてくる。そうして二つのものが一つとなってより美しいものを作りだすことが出来る。決して単体では表現できなかったものが。人と人との間に存在する愛も友情も。
二人が寄り添いあうことで1つに連結される二人の体のライン。額、鼻、手と触れ合う部分からお互いの温かさを感じ、つられるようにほぐれる表情。そしてその二人を包みこむ光、光を受け色味も融合していく雲のような影。そこには写ってはいないが周りで見つめる両親。すべてが彼女達を包み込んでいた。そこに輝く姉妹の姿、家族の姿、もっともっと伝えることが出来たら…
気持ちの良い夢は夜にだけ見るものではない、
一日中見ているのだということを伝えられるように今日も私は自分のできることを精一杯がんばろうと思う。
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