ReportHead office

シンデレラプロジェクト 3

2018/6/1

20 0

シンデレラプロジェクト3.
条件変化の力
 
 
ライフスタジオは、写真のサービスを提供する場所です。多くの撮影者がいます。彼らの関心事は写真です。より良い、自身の基準を超える、同僚たちよりも特別な写真を作りたいと思っています。だから様々な取り組みを行います。毎日自身の写真を見て、様々な媒体の写真資料を検索し、時に新しい試みをします。構成員達の写真への悩みと関心が多いため、不本意ながらも写真の技術の話をします。話をしながら整理された内容が写真分析と成人写真です。写真分析は、写真に対する論理化していく作業です。撮影行為は一瞬の間に起こり、その短い時間の中で作用する深さにより、写真の違いが生まれます。その深さを吟味する時間が写真分析です。たくさん撮影するからといって技術が上がるわけではありません。量よりも質です。質を上げる作業をしていないので、写真分析を強調しました。写真が良い人に感覚を持っていて良いと言いますが、私はこの意見に同意しません。数百人の撮影者を観察した結果、感覚は、50歩10歩です。特別な差はありません。自身の好きな事があり、その方向に進む人は感覚が良く見えます。方向性が感覚を決定します。自身が追求する方向がないと、その写真は他の写真と何ら変わりありません。同じ空間で同じ方向で撮れば、同じ写真が出てきます。ライフスタジオの写真もそうです。違いのある写真を探すのは大変です。自身の方向性が何なのかを確認する作業が写真分析です。

成人写真は、ベイビー写真とは次元が違う世界です。普通、家族写真に対する不安な思いを持っています。理由は簡単です。作らないといけないからです。これは逆に、ベイビー写真は作らないという事を証明します。または、低い次元で作るという事が行われています。作るためには、出来事としてあらわれる現象よりも、本質から始めなければなりません。人間がどのような原理で動き、どのような姿勢が美しいのかについての判断をする必要があります。それも、一人ではなく、複数の人を同時に見ながら構成と構図を設定する必要があります。ウエディング写真は、家族写真の原理に特定したイメージと品格が強調されなければなりません。ベイビー写真は、起きた出来事に対する確認だと言え、成人写真は、出来事を自らつくり特定の結果を生成する必要があります。映画を見て感想を話すのと、実際に映画を撮影することの違いといったところでしょうか?もちろん、ベイビー写真も出来事をつくり、特定の結果を生成するという事は同じです。しかし、赤ちゃん自身が自ら何かの出来事を行い、その結果の確認だけで、一定した成果を作ることができるため、撮影者自身が限界を設定します。そのため、ベイビー写真に使用される技術も制限されます。iPhoneを買って電話だけを使用するのと、インターネットとSNSを使用する事くらい、ベイビーと大人の写真の技術やツールの使用と必要性は明確な違いがあります。成人写真を経験し、ベイビー写真を見てみると、以前とは違う自身の姿を発見することになります。もちろん、ベイビー写真がレベルが低いという話ではありません。ベイビー写真だけを撮影した撮影者の限界についての話です。

写真分析と成人写真は、現在のライフスタジオ撮影者の技術を向上させることができる決定的でありながら、唯一の方法だと今も考えています。ここで1つ追加しようと思います。

最初から最後まで直接やる~条件の変化の力

極めて当たり前の言葉のようですが、現実では、なかなか事例を見つけるのは難しいのです。写真家というと、自身の主題があり、その主題のための計画と実行、結果を作る人です。同じ空間で同じ写真を生産する人に作家という名前は付けません。作家に権威を持たせるためには、自身だけが追求する主題があり、その主題に深く掘り下げていき、その作家の目で世の中を見つめ、結果物が作られなければならないのです。ところが、一般人を対象にした写真館での撮影者は、定められている空間で定められている写真を生産します。撮影者がより良い写真のための悩みをしないなら、このような話をする必要もないでしょう。コンビニのカウンターで仕事をする人が、自分が販売しているおにぎりの味について悩むことはありません。正確に計算し、顧客に親切に接することで、彼の務めを果たしたと言えるでしょう。もちろん、おにぎりに対する悩みと研究を通じて本社に意見を開陳し、改善されたら大変良いことですが。ところが、撮影者は、常に自身の写真について考え、より良い方法と試みの工夫をします。ところが、同じ空間とシステムでより良い写真が出てくるのは簡単ではありません。百人を超える撮影者たちから、前にはなかった新しい写真が出てくるという話はほとんど聞いたことがありません。ほとんどが被写体の特別さが決め手でした。同じ条件と、より良い写真を作ろうとする、撮影者の意志から、常に勝つのは同じ条件です。だから、循環勤務や教育プログラムを作ったりしましたが、小さな改善にとどまりました。

ならば、どうしたらよいのか?

条件自体を変えるということです。

現在は、定められている条件、毎日同じ環境での撮影を行っています。これを、撮影者自ら、条件を定め、毎日他の環境で撮影するならば、それ自体が新しい世界であり、表現の拡張となります。写真の構成要素を一列に立て、一つ一つの構成要素に命を与える必要があります。簡単ではありませんが、だからといってできないことではありません。イメージを構想しスタイルを決定し、場所を物色して、これに合わせて被写体を探し、写真館とは全く異なる環境と条件での撮影。。。やるだけで成功します。

シンデレラプロジェクトは簡単なことです。撮影者自身が撮影計画を立て、協議を経て撮影を行い写真を生産することです。インスタグラムを運営して業者を選定し、写真のデザインや各種広報活動は、中央で行います。撮影者は、撮影条件を作り、撮影をします。

イコライザーという映画があります。デンゼル・ワシントン主演のアクション映画です。この映画の醍醐味は、主人公がロシアマフィアの事務所で、彼らの処理を決定し、瞬時に状況を整理する瞬間です。ドアの前で悩んでいた主人公が実行を決定しながら周りを見ます。事務所内の全ての構成要素を確認し、未来予測を立て、動線を把握した後、18秒以内に状況の整理を予想します。そして18秒後にタイマーを設定します。プロフェッショナルが見せてくれる息をのむような魅力です。撮影者も似ています。自分の前に見える環境と条件を自分の中に入れ、一瞬の間にイメージと過程を決定します。脳の使用の増加により心臓が速く音をたてますが、とても自然で穏やかな姿勢で被写体を誘導します。そして世の中に美しい写真が作られます。自分が自ら設計し、実行して写真を作り出す、それ自体で成功です。

シンデレラプロジェクトは、ライフスタジオの撮影者達にとっての質的変化のプログラムです。原理は、条件変化にあります。シンデレラプロジェクトは写真館から離れ、撮影者自身が自ら条件と環境を変化させ、その過程で、新しい写真館と出会う体験です。あなたが持っている技術を望んでいる、多くの人々がいます。自身の技術を社会に提供し、その技術を望む人と出会い、新しい価値を生み出す事業です。新しい価値は、社会への貢献であると同時にライフスタジオを豊かにします。

この記事をシェアする